曖昧な指示は、AIに渡すと大量に繰り返されうる ── 書かせる前に社名・商品名・用語のゆれを確認する13項目(2026年9月時点)
曖昧な指示は、AIに渡すと大量に繰り返されうる ── 書かせる前に社名・商品名・用語のゆれを確認する13項目(2026年9月時点)
目次
01 何が起きたか — 曖昧な指示は、AIを使うと大量に繰り返されうる
MarTechの論説が言ったこと
2026年9月29日、マーケティング業界の専門メディアMarTechに、グローバルCMO(最高マーケティング責任者)の肩書きを持つJulie Zwissler氏の論説「4 reasons your brand guidelines must become a brand system」(訳: ブランドガイドラインが「ブランドの仕組み」に変わらなければならない4つの理由)が載った。要旨は、紙1枚のブランドガイドラインでは、複数の媒体とAIの両方に対応できなくなっているという主張である。
4つの理由は、おおよそ次のとおりである。ブランドの一貫性には柔軟さが要ること、チームには指示だけでなく判断の材料が要ること、AIが加わると曖昧な言葉の代償が大きくなること、ブランドの管理がマーケティング部門の外へ広がること。この記事が使うのは、3つ目の「AIが加わると曖昧さの代償が大きくなる」という論点である。
"vague guidance becomes more expensive because it can now be repeated at scale"
(訳: 曖昧な指針は、いまや大規模に繰り返されうるため、より高くつくようになる。)
確認できた範囲では、この論説は数字や調査結果を引用していない。書き手の職業経験にもとづく意見であり、「AIのせいでブランドの表記がこれだけ崩れた」という統計は示されていない。したがって、この記事は論説の主張を事実として一般化せず、「曖昧な指針は、AIに渡すと同じ曖昧さがそのまま増える」という論点だけを借りる。確かめる中身は、自社のサイトを実際に数えることで組み立てる。
公式情報
素材にした論説:4 reasons your brand guidelines must become a brand system(訳: ブランドガイドラインがブランドの仕組みに変わらなければならない4つの理由)(MarTech・2026年9月29日)。統計は引用されておらず、意見として読む。
変えない部分と、変えてよい部分を分ける
論説が勧める考え方の中心は、ブランドの表現を「変えない部分」と「変えてよい部分」に分けることである。前者は、位置づけ、目的、価値観、中核となる人格、視覚的な目印、口調の基本のように、どの媒体でも守るもの。後者は、文章の形式や口調の調整のように、媒体や場面に合わせて動かしてよいものである。論説が挙げた「変えない部分」に、社名や商品名の書き方は入っていない。この記事は、そこに社名・商品名の書き方を加えて、「変えない部分」として扱うことを提案する。文章の長さや冒頭の入り方は、「変えてよい部分」に置く。この当てはめは、記事自身の提案である。
さらに論説は、「らしい例」「少し直せば使える例」「よくできているが自社らしくない例」を実際に見せることで、チームの判断力が育つと述べている。文章の好みは言葉で説明しにくいので、この「例で見せる」という考え方は、AIに渡す資料にもそのまま使える。
この記事が扱うのは、「書かせる前」の準備である
AIで作った原稿の確認は、すでに別の記事で扱っている(AIで作った原稿は、公開前に人が5つ確かめる ── 引用・固有名詞・実体験・重複・責任者を確認する13項目(2026年9月時点))。そちらは、原稿ができた後に「公開してよいか」を人が確かめる作業である。今回は順番が逆で、AIに原稿を書かせる前に、自社の表記のゆれを数えて、1枚のルールにまとめるところまでを扱う。公開前の確認の手順は繰り返さない。
Google公式は、表記のゆれそのものを要件にしていない
先に、検索の側の話を整理しておく。Googleの生成AI向けガイダンス(日本語版の最終更新は2025年12月31日)は、生成AIについて「あるトピックを調査したり、オリジナル コンテンツに構造化データを追加したりする際に特に便利です」と書いている。一方で、価値を付け加えないまま大量のページを作ることは、大量生成されたコンテンツの不正使用に関するスパムポリシーに違反しうるとも書いている。確認した範囲では、社名や用語の表記を1つに揃えることを、検索順位の条件として挙げた記述は見当たらなかった。表記ルールは、公式が求める要件ではなく、自社で決めて運用する内部の決まりである。
02 なぜ・背景 — 表記のゆれは、読者に「別のもの」に見せうる
同じ会社が、ページごとに違う名前で名乗っている
サイトの表記は、たいてい少しずつ崩れていく。トップページは「株式会社◯◯」、会社概要は「◯◯株式会社」、お知らせでは「(株)◯◯」、商品ページでは略称だけ、という具合である。複数の人が、何年にもわたって書き足すと、誰が悪いというわけではなく、そうなる。これは実務上の見立てであり、公式の調査結果ではない。ただ、読者から見れば、ページごとに違う名前が出てくると、同じ会社の話なのかを一瞬でも迷わせることになる。
商品名の書き方が割れると、検索窓での探し方も割れる
商品名が「ミライノート」「未来ノート」「Mirai Note」と3通りで書かれているサイトを想像してほしい。問い合わせの窓口や営業担当は、どれで検索されても同じ商品だと分かる。しかし、初めて調べる人は、どの書き方で探すかを自分で決めなければならない。サイト内の表記が揃っていれば、少なくとも自社の側から見た「正しい書き方」が1つに決まるので、外部の紹介記事や広告でも、その書き方を案内できる。
Googleが「揃えなさい」と書いている場所は、サイト名と組織名にある
表記の一貫性を明確に求めているのは、検索結果に出るサイト名の文書である(最終更新2026年2月20日)。そこには、「ホームページ全体で一貫したサイト名を使用してください。構造化データでサイト名として使用する名前は、Google のシステムによって考慮されるホームページの他のソースで使用するサイト名と一致している必要があります。」と書かれている。
組織の構造化データの文書(最終更新2026年9月12日)も、name には「サイト名に使用しているのと同じ name と alternateName を使用します」と案内している。つまり、サイト名と組織名は、ページの見た目と構造化データの両方で揃えることが、公式の書き方に含まれている。本文全体の言い回しまで揃える要件ではないが、名前の書き方を1つに決める作業は、この要件の土台にもなる。
AIは、渡された文章の癖を、そのまま増やしうる
MarTechの論説は、曖昧な指針がAIによって大規模に繰り返されうる、と指摘している。これを表記に当てはめると、過去の記事に表記のゆれがあり、AIへの指示にも書き方の決まりがなければ、ゆれがそのまま新しい原稿にも出てくることがありうる、という見立てになる。この当てはめは筆者のもので、特定のAIサービスの挙動を確かめた結果ではない。曖昧な指針が繰り返される速さは、人が手で書くときより速くなりうる。それが、論説が「高くつく」と表現した点だと読める。
公式が書いていないことも、確認しておく
確認した文書には、「表記ルールを何枚にまとめるとよい」「何%の表記が揃っていれば検索に有利」といった具体的な基準は見当たらなかった。この記事の「名前を5つ」「1枚の表」「3列」という区切りは、公式の基準ではなく、実務で回しやすいようにこの記事が組み立てた目安である。
03 この記事で出てくる用語
表記のゆれ
用語
表記のゆれ:同じ意味の言葉が、ページや書き手によって違う書き方で出てくること。「お問い合わせ」と「お問合せ」、「5G」と「5G」の全角半角の違い、「Search Console」と「サーチコンソール」のように、漢字・仮名・英字・全角半角・送り仮名で起きる。
表記のゆれは、誤字とは違う。どちらの書き方も、単独で見れば間違っていない。間違いではないから、直す基準がないと放置されるという点が、扱いにくいところである。
表記ルール(用字用語の基準)
自社の文章で、どの書き方を採用するかを決めた一覧である。「用字用語集」「スタイルガイド」とも呼ばれる。この記事では、採用する表記・使わない表記・理由の3列で書いた1枚の表を、表記ルールと呼ぶ。
ブランドガイドラインとの違い
ブランドガイドラインは、位置づけ、価値、口調、ロゴの使い方などを含む広い決まりである。表記ルールは、そのうち「文字で何と書くか」だけを切り出した部分にあたる。ブランドガイドラインが完成していなくても、表記ルールだけなら1枚で始められる。
正式名称・name・alternateName・legalName
Googleの組織の構造化データでは、組織名を3つの項目に分けて書く。legalNameは「登記された正式名称(nameプロパティと異なる名称がある場合)」、nameは組織の名前、alternateNameは「組織の通称として知られている別の名前(必要に応じて)」である。表記ルールに載せる正式名称は、登記簿や契約書に書かれた名称と照らして決めると、この3つの項目にも転用しやすい。
「公用文作成の考え方」
日本語の表記の公的な拠り所として、文化審議会が2022年(令和4年)1月7日に建議した「公用文作成の考え方」がある。建議の案内ページによれば、1951年に国語審議会が建議した「公用文作成の要領」の理念を生かしつつ見直したもので、政府内での公用文作成の手引として活用されることを目指してまとめられた。同年1月11日の内閣官房長官通知では、「現代社会における公用文作成の手引としてふさわしいもの」と位置づけられている。これは政府の文書のための手引であり、民間企業のサイトに適用を義務づけるものではない。
注意
この記事は、「公用文作成の考え方」の案内ページと周知の通知を開いて確認した。建議の本文(PDF)は、文字を取り出せなかったため、個別の表記の基準(漢字・仮名・数字の書き方など)の中身は確認できていない。具体的な基準を自社のルールに取り入れるときは、原典を開いて確かめてほしい。
04 型別 — 適用範囲・この記事が測っていないこと・手順
A. この記事が当てはまる範囲
対象は、自社のサイト、ブログ、メールマガジン、営業資料などの文章を、AIに書かせる、または下書きさせる場面である。社内の担当者が数人で、表記の担当が決まっていない会社で、特に効く。すでに用字用語集を持っている制作会社や出版社では、AIに渡す資料の形を見直すという点だけが新しい。
B. この記事が測っていないこと
次の3点は、この記事の範囲外である。第一に、表記を揃えると検索順位や売上が上がるかどうかは確かめていない。第二に、特定の生成AIが、表記ルールの表を渡されたときにどの程度守るかは、比較していない。第三に、外国語のサイトや、法律・契約書のように文言が決まっている文書の表記は、扱っていない。
注意
数えた件数が多い表記が、いつも「正しい」表記とは限らない。古い時期にたくさん書かれた表記が、そのまま多数派になっていることもある。件数は決める材料のひとつにすぎず、正式名称や実際の運用(ボタンの文言・契約書)と照らして決める。
C. 手順の全体像 — 5つの順番で進める
手順は5つに分ける。1つ目は、確かめる名前を5つ選ぶこと。2つ目は、サイト内でその名前が何通りの書き方で、何ページに出てくるかを数えること。3つ目は、1つに決めること。4つ目は、決めた内容を1枚の表にすること。5つ目は、その表をAIへの指示の最初に貼って、返ってきた原稿で確かめることである。最初の2つは、検索窓とサイト内検索だけで、1つあたり5分前後で終わる。
なぜ「名前を5つ」から始めるのか
サイト全体の表記を一度に揃えようとすると、範囲が広すぎて止まる。社名、主力の商品名、サービス名、よく使う用語、英数字の書き方。この5つは、読者が最も目にする言葉であり、AIが原稿の中で繰り返し使う言葉でもある。まず5つだけ決めて、AIに渡してみるほうが、完璧なルール集を目指して未完成のまま置くよりも、早く効果が確かめられる。
05 明日、自社サイトで確認できることチェックリスト
まず13項目を通して見る
以下は、明日、ブラウザと検索窓だけで、自社サイトの表記のゆれを数えて1枚にまとめるまでの項目である。チェックの状態はブラウザに保存され、サーバーには送信されない。上から順に行うと、1〜4番目が数える作業、5〜9番目が範囲を広げる作業、10〜13番目が決めて使う作業になる。
実務のヒント
組織名の書き方をGoogle向けの構造化データにも揃えたいときは、当サイトの🔧 WEBサイト・構造化データ自動作成ツールで、たたき台のファイルを作るところから始められる。name と alternateName に入れる書き方を、表記ルールの表から写せばよい。
- トップページと会社概要ページを開き、自社の正式名称が書かれた箇所を上から3つ書き出して、書き方が同じか確認する
- 登記簿の写しか契約書を1つ手元に出し、書かれた正式名称を、サイトの表記と1文字ずつ照らして確認する
- 「株式会社◯◯」「◯◯株式会社」「(株)◯◯」の3通りを、サイト内検索かsite:検索でそれぞれ検索し、ヒット件数を控える
- 主力の商品名かサービス名を3つ選び、カタカナ・ひらがな・英字の別の書き方で検索して、書き方ごとのヒット件数を控える
- 新しい順に記事を10本開き、冒頭の1文と末尾の1文が、「です・ます調」か「だ・である調」のどちらかに揃っているか数える
- 記事のタイトルを10本並べ、社名の入れ方と区切りの記号(「|」「-」「:」)が揃っているか確認する
- 同じ意味で使われている用語のペア(例:問い合わせ/お問い合わせ)を、5組書き出す
- 5組それぞれについて、申し込みフォームやボタンに実際に使われている書き方を開いて確認し、その書き方に印を付ける
- 料金ページと商品ページを1つずつ開き、数字と単位(全角半角・桁区切り・「円」「円(税込)」)の書き方が同じか照らす
- 採用する表記・使わない表記・理由の3列で、10行までの表を1枚作る
- 表の上から5行を選び、使わない表記がまだ残っているページを1つずつ探して、URLを控える
- AIに原稿を書かせる指示文の最初に表を貼り付け、短い原稿を1本作らせて、使わない表記が何回出たか数える
- 3か月後の日付で、表の見直しの予定をカレンダーに1件入れる
観点別の内訳と、かかる時間
| 観点 | 該当する項目 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 名前を数える | 1〜4番目(4項目) | 15〜20分 |
| 文章の癖を数える | 5〜6番目(2項目) | 10分 |
| 用語と数字を照らす | 7〜9番目(3項目) | 15分 |
| 1枚にまとめる | 10番目(1項目) | 20分 |
| 使って確かめる | 11〜13番目(3項目) | 15分 |
すべてに目を通す時間の目安は、あわせて1時間20分ほどである(筆者の見積もりで、サイトの大きさによって変わる)。1つの項目が5分を超えそうなら、対象を減らしてよい。「名前を3つ」を「名前を1つ」にしても、数える作業の意味は残る。
5分で終わらない項目があったとき
サイト内検索が使えない、検索の結果が多すぎて数えきれない、という場合は、上位10件だけ数えて「10件中」と書き残す。件数を正確に出すことが目的ではなく、どの表記が混ざっているかを見つけることが目的である。表の10行を埋められないときは、埋められた行だけで先へ進み、AIに渡してみてよい。
06 代替・他の選択肢(表で)
「数える」手段は、1つではない
05章では、検索窓とサイト内検索で数える方法を中心にした。ただ、同じ「表記のゆれを見つける」でも、手段によって見えるものが違う。ここでは、手段ごとに向いていることと、その手段だけでは分からないことを表にまとめる。特定の製品の優劣ではなく、種類ごとの整理である。
それぞれの手段が「できないこと」も知っておく
| 手段 | 向いていること | 使い方 | この手段だけでは分からないこと |
|---|---|---|---|
| サイト内検索 | 表記ごとのページ数を出す | 「株式会社◯◯」「◯◯株式会社」のように、書き方を変えて検索し、件数を控える。 | 検索の仕組みが表記の違いを同じ語として扱うかどうかで、件数が変わる |
| site:検索 | 検索エンジンに登録されているページで確かめる | 検索窓に「site:自社のドメイン」と書き方を並べて入力する。 | まだ登録されていないページや、最近直したページは反映が遅れる |
| 文書の一括検索 | 下書きや資料のファイルを横断して探す | 共有フォルダの文書を、社名や商品名の書き方ごとに検索する。 | 画像の中の文字や、PDFにした後の文書は探せないことがある |
| 校正ツール・文章チェック | 設定した辞書との違いを見つける | 自社の用語を辞書に登録し、原稿を通して、登録と違う書き方を拾う。 | 辞書に載せていない書き方は、ゆれとして見つからない |
| AIに洗い出させる | 文章全体から候補を挙げさせる | 数本の記事を渡し、「同じ意味で書き方が違う語」の候補を挙げさせる。 | 挙げた候補の見落としと、存在しない候補の混入は、人が原文で確かめる必要がある |
いちばん手軽なのはサイト内検索だが、それだけで完結させず、数えた結果を、実際のページを開いて確かめるところまでを1セットにするのが安全である。公開済みのページのタイトルや説明文の状態をまとめて見たいときは、当サイトの🔧 WEBサイト総合分析・レポートツールで、公開済みページの状態を確かめる手もある。
校正ツールと「1枚の表」は、役目が違う
文章チェックの機能は、登録した辞書に照らして違いを見つけるものが多い。表記ルールの表は、その辞書に入れる中身を決める作業にあたる。表がないまま校正ツールだけを導入しても、何を正しいとするかが決まっていなければ、ツールは判断できない。順番は、表が先、ツールが後である。
AIに渡す方法は、貼る・添付する・常設するの3つに分かれる
表記ルールをAIに渡す方法は、大きく3つある。指示文の最初に毎回貼る方法、資料として添付する方法、サービスが用意している常設の指示欄に登録しておく方法である。どれを使えるかは、使っているAIサービスによって違う。まず毎回貼る方法で始めると、表を直したときに、その場で次の原稿へ反映できる。
- 毎回貼る:表を作ったばかりで、直す機会が多いときに向く。古い版を貼らないよう、表の置き場を1つにする。
- 資料として添付する:表が10行を超えて長くなったときに向く。添付の形式に対応していないサービスがある。
- 常設の指示欄に登録する:表が安定して、頻繁に直さなくなったときに向く。表を直したとき、登録の内容を直し忘れやすい。
07 当サイトで数えてみた結果
数えた範囲と方法
当サイトでも、5つの手順のうち「数える」を実際に行った。対象は、2026年9月30日時点で公開していた解説記事99本(この記事を除く)の本文である。HTMLのタグを取り除いた文字列で、記事で頻繁に使う3つの用語(Search Console、Core Web Vitals、meta description)を、それぞれ別の書き方と一緒に数えた。数えたのは「その書き方が出てくる記事の数」と「出てくる回数」で、引用や訳の中の文字列も含む。
結果は、Search Consoleだけ、書き方が混ざっていた
| 用語 | 書き方 | 出てくる記事数 | 出てくる回数 |
|---|---|---|---|
| Search Console | Search Console(Googleを付けない) | 91本 | 1,023回 |
| Search Console | Google Search Console | 45本 | 108回 |
| Search Console | サーチコンソール | 1本 | 1回 |
| Core Web Vitals | Core Web Vitals | 10本 | 48回 |
| Core Web Vitals | コアウェブバイタル | 2本 | 8回 |
| meta description | meta description | 14本 | 88回 |
| meta description | メタディスクリプション | 1本 | 1回 |
表を並べて比べられるのは、同じ用語の中の書き方どうしである。Search Consoleは、Googleを付けない書き方が大多数だが、Googleを付けた書き方も45本の記事に出てくる。さらに、両方の書き方が同じ1本の記事の中に出てくる記事が44本あった。最初に出てくる箇所がGoogle付きだった記事は、そのうち6本だけで、「初出だけ正式名、以降は短く」という使い分けが決まりとして行われている形ではなかった。意図した使い分けかどうかは、確かめていない。
数えた後に、実物を開いて分かったこと
カタカナの書き方が出てきた箇所を開いて読むと、多くは本文の地の文ではなかった。「サーチコンソール」の1回は、英語の出典タイトルに添えた日本語の訳の中にあった。「コアウェブバイタル」は、用語の説明で読みを併記した箇所と、引用した文の中にあった。「メタディスクリプション」の1回は、引用した文の中である。
つまり、カタカナと英字の書き方は、地の文ではほぼ英字に揃っていたと言える。ただし、それは「Core Web Vitals」と「meta description」、そして「Search Console」のカタカナの話までである。Search Consoleに「Google」を付けるかどうかは揃っておらず、表記ルールの1行目に載せる候補になる。数えた件数と、実物を開いた結果は、別々に確かめる必要がある。
この数え方の限界
今回数えたのは3つの用語だけで、社名や商品名は含まれていない。この3つは記事の主題になる用語なので、書き手が同じ書き方を選ぶ習慣がつきやすい語でもある。公開前の点検や別の人の目を通らない文章では、別の結果になりうる。当サイトのブログでは、同じ書き手が書いた公開記事と仲間への手紙を同じ物差しで数えたところ、公開記事は7か月とも記号の数が同じ幅に収まっていたのに対し、公開前の点検がない手紙だけが約100倍に増えていた(同じ書き手なのに、仲間への手紙だけが崩れていた ── 7か月分の文章を数えたら、記号は約100倍。公開記事は変わっていなかった)。そこでは、手順の有無と崩れ方が重なるところまでは言えるが、手順が原因だとは証明されていない、と書いている。「揃っていた」も「崩れていた」も、数えた範囲の中でしか言えない結論である。
08 このテーマの、これまで
公式ガイダンスの更新の跡
ここまでに引用したGoogleの文書は、日本語版に表示された最終更新日が、生成AIのコンテンツのガイダンスが2025年12月31日、役に立つ信頼できるコンテンツの解説が2025年12月18日、タイトルリンクの解説が2025年12月18日、サイト名の解説が2026年2月20日、組織の構造化データが2026年9月12日、スパムポリシーが2026年9月2日である。基本の考え方は続いているが、名前まわりの文書は、比較的最近も更新されている。
AIと品質をめぐる、当サイトの過去の記事
AIと品質の関係は、当サイトの記事でも繰り返し扱ってきた。Googleは「AIコンテンツ」を罰していないという見解を確認した記事(Googleは「AIコンテンツ」を罰していない ── 33.1万ページの調査が示した「品質」基準を確認する13項目(2026年9月時点))、量産が問題になる条件を整理した記事(自動生成ページは「量」では裁かれない ── スケールされたコンテンツの悪用に当てはまるかを確認する13項目(2026年9月時点))がある。これらは「検索でどう扱われるか」を中心にしていた。
今回の記事は、その手前にある、AIに何を渡してから書かせるかに絞っている。公開前の確認は先に触れた記事にまとめてあるので、ここでは繰り返さない。
タイトルと表記は、検索結果でも見える
表記の話は、ページのタイトルにもつながる。検索結果に出るタイトルは、titleタグだけで決まるわけではなく、複数の情報源が参照される(検索結果のタイトルは、titleタグだけで決まらない ── Googleが参照する9つの情報源を確認する13項目(2026年9月時点))。タイトルリンクの公式の解説は、各ページに固有で、具体的なタイトルを書くことを勧めている。社名や商品名の書き方が揃っていれば、タイトルの見た目も揃う。看板が公式の見出しのまま残っていた例は、ブログでも整理している(チェックリストに、タイトルは無かった ── 中身は書き直されていたのに、看板だけが公式ドキュメントの見出しのままだった)。
「数える」ことについての、これまでの記録
当サイトは、数え方そのものについても記録してきた。1本だけ書き方が違うと言われて数え直したら、標準だったのはその1本のほうだった、という記録(「1本だけ書き方が違う」と指摘された ── 91本で数え直したら、標準だったのはその1本のほうだった)。「0件」と書いても、探した数を書いていなければ、何を探して0だったのかが分からない、という記録(「0件」に、探した数を書いていなかった ── 9種類で確かめた5日後、73種類で確かめ直した)。同じ内容の記事が2本ないかを、書き方を変えて数えた記録もある(「自分のサイトに、同じ記事が2本ないか」を5分で確かめる ── タイトルで探すと45組、元記事で探すと139組。3倍 違った)。数える範囲と書き方を変えると、答えが変わるという点は、表記のゆれを数えるときにも当てはまる。
数字は確認した時点のものとして扱う
この記事で引用した公式の文言と最終更新日は、2026年9月に確認したものである。MarTechの論説は、その後に修正・追記されている可能性がある。公式ガイドも、数か月のうちに書き換わることがある。基準日を書かない数字は、時間が経つほど誤りに近づく。この記事を使うときも、必要に応じて公式ページを直接開き、最新の記載を確かめてほしい。
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