Googleは「AIコンテンツ」を罰していない ── 33.1万ページの調査が示した「品質」基準を確認する13項目(2026年9月時点)
Googleは「AIコンテンツ」を罰していない ── 33.1万ページの調査が示した「品質」基準を確認する13項目(2026年9月時点)
01 何が起きたか — 「Googleは、AIコンテンツを罰していない」という33.1万ページの調査
Ahrefsが、AI含有率と検索順位の関係を大規模に調べた
2026年7月、AhrefsはAI生成コンテンツと検索順位の関係を大規模に調べたレポートを公開しました(Google Doesn't Punish AI Content; It Punishes Bad Content(331k Pages Studied)(訳: Googleは AIコンテンツを罰していない、悪いコンテンツを罰している(33.1万ページを調査))(Ahrefs公式ブログ))。日本語版のタイトルも公開されています(33.1万ページを調べて分かった、Googleが AI コンテンツを罰しない理由(Ahrefs公式ブログ・日本語版))。著者はAhrefsのコンテンツマーケティング部門を率いるRyan Law氏です。
調査の規模 — どこから、どこまで絞り込んだか
方法論のセクションには、次のように書かれています。
"We analyzed 1,000,000 pages pulled from the top 10 positions in 100,000 SERPs in June 2026."
(訳: 私たちは、2026年6月時点の10万件の検索結果ページ(SERP)から、上位10位に入った計100万ページを分析しました。)
"Around 300,000 of these pages were available in our crawler database, of which 150,000 contained enough page content for AI detection."
(訳: このうち約30万ページがAhrefsのクローラーデータベースに存在し、そのうちAI検出に十分な量のコンテンツを持つページは15万ページでした。)
つまり、タイトルにある「33.1万ページ」という数字は、この一連の分析(順位分布の調査・インデックス状況の調査・Search Consoleデータを使った時系列調査など、複数の切り口を含む)全体を指す見出し上の数字であり、単純に1つの母集団の件数を示しているわけではありません。個別の数字を読むときは、後述する04章のとおり、それぞれどの段階の集計かを確認する必要があります。
結論のいちばん短い要約
Ahrefsが強調しているのは、AI含有率と順位の間に段階的な相関はあるものの、「AIで書いたかどうか」だけを理由に機械的に順位を落としている証拠は見当たらないという点です。記事の結論部分には、次の一文があります。
"...content quality generally worsens with increasing AI use."
(訳: …AIの利用が増えるほど、コンテンツの品質はおおむね低下する。)
この一文が示しているのは、「AI使用」そのものではなく「品質の低下」が、順位に関わる本当の変数だという読み方です。この記事では、この調査が示した数字を、WEBディレクターが自社の記事を見直す手順に翻訳します。
02 なぜ・背景 — 「AI=即ペナルティ」という広がった誤解
業界で「AIコンテンツは検索で不利になる」という見方が広まっていた
生成AIでの記事作成が一般化するにつれ、「AIで書いた記事は検索で不利になる」「AI比率が高いと即座にペナルティを受ける」という見方が、SEO業界の一部で広まっていました。当サイトでも、Googleの検索品質評価ガイドラインが2025年から2026年にかけてどう変わったかを扱った回で、AIに評価される時代の設計図として整理しています(archives/71)。ただし、そこで扱ったのはGoogleが公式に示すガイドラインの文言そのものでした。今回のAhrefsの調査が新しいのは、公式文言ではなく実際の検索結果に、AI含有率の異なるページがどう並んでいるかを、大量のデータで検証した点です。
Google自身は、もともと「AIも役立つなら問題ない」と言っている
そもそもGoogle自身の公式ガイダンスは、AI利用そのものを禁じてはいません。Ahrefsの記事が引用しているGoogleの立場は、次のとおりです。
"Automation has long been used in publishing to create useful content. AI can assist with and generate useful content in exciting new ways."
(訳: 自動化は、有用なコンテンツを作るために出版の世界で長く使われてきました。AIは、刺激的な新しい方法で、有用なコンテンツの作成を助け、また生成することができます。)
出典
この立場は、Googleが生成AIを使った操作的なコンテンツをスパムと定義した際の記述とも整合しています。AI Overviewの操作行為をスパムポリシー違反として明文化した回で、当サイトでも「埋められる穴と埋めてはいけない穴」として扱いました(archives/119)。禁じられているのは「AIを使うこと」ではなく「操作を目的とした低品質な量産」という一貫した立場です。
「量産」だけは、はっきり名指しで禁じられている
Google公式の生成AIコンテンツに関するガイダンス文書は、次のように明記しています。
"using Generative AI tools...to generate many pages without adding value for users may violate Google's spam policy on Scaled Content Abuse."
(訳: 利用者に価値を加えないまま多数のページを生成するために生成AIツールを使うことは、Googleのスパムポリシーのうち「大量生成の悪用(Scaled Content Abuse)」に違反する可能性があります。)
このドキュメントは2025年12月10日時点で更新されており(Google Search's guidance on using Generative AI content on your website(訳: 生成AIコンテンツの利用に関するGoogle検索のガイダンス)(Google Search Central・ドキュメント))、検索品質評価ガイドラインの該当節にも触れていると説明しています。線を引いているのは「AIかどうか」ではなく「価値を加えているかどうか」という一点です。
03 この記事で出てくる用語
AI含有率(AIコンテンツシェア)とは
用語
AI含有率(AIコンテンツシェア): Ahrefsが自社のAI検出ツールを使い、350語以上のページに対して算出した、AI生成テキストの推定割合です。低(20%未満)・中程度(20〜50%)・高(50〜80%)・極度(80%以上)・100%の5段階に分類されています。あくまで推定値であり、記事のどの部分がAI生成かを断定するものではありません。本記事では、Ahrefsが使ったものと同じ検出ツールを用いた検証は行っていません。
インデックス率とは
用語
インデックス率: 分析対象のページのうち、実際にGoogleの検索結果に登録(インデックス)されている割合です。インデックスされていても、上位に表示されるとは限りません。この記事では、AI含有率が低いページと極度に高いページの間で、この割合を比較しています。両者の差は小さく見えますが、母数が数万ページ単位の調査であるため、無視できない規模の差です。
相関と因果の違い
用語
相関と因果の違い: 「AI含有率が高いページほど順位が低い傾向がある」というのは相関関係です。これに対し「AI含有率が高いことが原因で順位が下がる」と言い切るには因果関係の証明が要ります。Ahrefsの調査は、明確な足切りラインが無いことや、極度AI含有ページの4割が今もインデックスされ続けていることを根拠に、相関はあるが単純な因果とは言えないという立場を取っています。
04 型別 — 数字を、どの段階の集計かで読み分ける
🅰 適用範囲 — トップ3位置のAI含有率の内訳
検索結果トップ3位置に絞った内訳は、次のとおりです。
| AI含有率 | トップ3に占める割合 |
|---|---|
| 100% AI生成 | 5.3% |
| 80%以上 AI含有 | 9% |
| 50%未満 AI含有 | 82.2% |
この数字が示しているのは、トップ3に「完全にAIが書いたページ」が確かに存在するという事実と、それでも大多数(82.2%)は依然としてAI含有率50%未満であるという事実の両方です。どちらか一方だけを切り取ると、「AIでも上位に行ける」「やっぱり人間が書いたものが有利」という、正反対の主張のどちらにも使えてしまいます。SNSやニュースサイトで「AI記事が上位を占めている」という見出しを見かけたときは、それが5.3%と82.2%のどちらの側を指しているのか、元の数字まで戻って確認する習慣を持つと、印象論に流されずに済みます。
🅱 この調査が測っていないこと
注意
この調査が測っているのは相関関係であり、個別の記事について「AI含有率を下げれば順位が上がる」ことを保証するものではありません。また、調査対象は英語圏を中心にしたグローバルなデータセットであり、日本語の検索結果でも同じ傾向が成り立つかは、この記事だけでは確認できません。自社サイトのデータで確かめない限り、この調査の数字をそのまま自社に当てはめることは推測にとどまります。当サイトでも、他人が測った数字をそのまま自社サイトに当てはめる危うさを、別の調査データを題材に扱ったことがあります(archives/123)。
🅲 手順 — 自分の記事を「品質」の物差しで確認する
Ahrefsの記事は、低品質なAIコンテンツに共通する特徴として、新しい情報を追加せず一般的な知識を繰り返すだけの内容、内部リンク・外部リンク・画像などビジュアル要素の欠落、単調で学術的な文体、そして事実誤認を挙げています。これらはAI特有の欠点ではなく、AI利用と低品質が強く相関しているために表面化している特徴です。自社の記事を見直す際は、この4点を物差しにするのが実務的です。
05 自分のサイトで確認するチェックリスト
3つの観点 — 情報の新しさ・構成要素・文体
ここまでの内容を、今日から手を動かせる作業に翻訳しました。観点は、記事が新しい情報を持っているかの確認、内部リンクや画像などの構成要素が揃っているかの確認、そして文体や事実確認の状態の3つに分かれます。AIで書いたかどうかにかかわらず、人が書いた記事にもそのまま当てはまる項目です。チェックの状態はブラウザ内にのみ保存され、サーバーには送信されません。
- 直近3か月に公開・更新した記事を3本選び、それぞれ「今日追加できる新しい情報」を1つ挙げる
- 選んだ3本について、本文中の内部リンクの本数を数える
- 本数が0本の記事があれば、関連する自社記事へのリンクを1本以上追加する候補を挙げる
- 選んだ3本について、図解・スクリーンショット・表などのビジュアル要素の数を数える
- ビジュアル要素が0個の記事があれば、追加できそうな図や表の候補を1つ書き出す
- 選んだ3本を通しで読み、「一般的な知識の繰り返し」だけで終わっている段落が無いか確認する
- 選んだ3本の中に、自社で実際に確認した数字や体験が含まれているかを確認する
- 含まれていない記事があれば、次回の更新で加えられる自社の情報を1つ書き出す
- 選んだ3本の中に、事実として誤っている記述や古くなった数字が無いか確認する
- Search Consoleを開き、選んだ3本のインプレッション(表示回数)の推移を確認する
- 3本のうち、直近で更新していないものが無いかを確認する
- 社内でAIを使って記事を作成する際のチェック工程に、この記事の4つの観点(新しさ・リンクや画像・文体・事実確認)が含まれているかを確認する
- 含まれていない場合、次回の執筆フローに1項目として加える
13項目の内訳と、かかる時間の目安
最初の5項目は情報の新しさとリンク・ビジュアル要素の確認、6番目から9番目は文体と事実確認、10番目と11番目はSearch Consoleでの実際の反応の確認、12番目と13番目は執筆フロー自体の見直しに対応しています。すべてに目を通す時間の目安は記事3本あたり20分程度です。特に2番目と4番目は見落とされがちですが、Ahrefsが指摘する低品質の特徴のうち、いちばん機械的に数えられる項目でもあります。
06 「AIで書いたか」ではなく「何を足したか」で比べる
低品質なAIコンテンツと、そうでないものを分ける4つの観点
Ahrefsが挙げた特徴を、比較しやすい形に整理しました。
| 観点 | 低品質になりやすい状態 | 確認する視点 |
|---|---|---|
| 新しい情報 | 一般的な知識を繰り返すだけ | 自社だけが持つ情報が1つでもあるか |
| 構成要素 | 内部・外部リンク、画像が無い | 本文中のリンクと図の本数を数える |
| 文体 | 単調で学術的、体験が無い | 自社の言葉で書かれた段落があるか |
| 事実確認 | 明らかな誤りが残っている | 数字や固有名詞を公式情報で確認したか |
この4つの観点は、いずれもAIが書いたかどうかを判定するための基準ではありません。むしろ、人が書いた記事でも同じように陥りうる、ありふれた失敗です。AIを使って記事を量産する場面では、この4つを機械的にすり抜けやすくなるため、結果として低品質なAIコンテンツとして目立つ、という順序で理解しておくと、対策の的が絞りやすくなります。
すでに扱った「公式見解」の記事とセットで読む
当サイトでは、Googleの公式見解と品質評価ガイドラインの実際の記述を扱った回もあります(AI生成コンテンツは検索でどう評価されるのか?)。あちらはGoogle自身が何と言っているかを扱い、この記事は第三者が実際の検索結果データで何を確かめたかを扱っています。同じ結論(AI使用そのものではなく品質が基準になる)に、別々の角度からたどり着いている点を、あわせて確認すると理解が深まります。
どちらの記事から読むべきか
時間が無い場合は、まずGoogleの公式見解を扱った回(AI生成コンテンツは検索でどう評価されるのか?)から読むと、判断の土台になるルールが先に頭に入ります。すでにルールを把握していて、実際のデータで裏を取りたい場合は、この記事の04章と06章から読み進める方が早く要点に届きます。
リンクや画像を補う無料ツールも用意している
本文中のリンク漏れを確認したい場合は🔧 WEBサイト内のリンク漏れ・チェックツールで、内部リンクが実際に機能しているかをまとめて確認できます。サイト全体の構成やビジュアル要素の状態を俯瞰したい場合は、🔧 WEBサイト総合分析ツールもあわせて活用できます。
07 当サイトで、まだ確認していないこと
当サイト自身の記事のAI含有率を、まだ測っていない
正直に書きます。05章のチェックリストに沿って、当サイト自身の記事について「新しい情報を持っているか」「内部リンクや図解が揃っているか」を確認する作業は、この記事を書くために選んだ範囲でしか行っていません。サイト全体の記事すべてに同じ観点を当てる作業は、この記事の執筆時点ではまだ行っていません。また、Ahrefsが使ったようなAI検出ツールを当サイトが持っているわけでもないため、自社の記事の「AI含有率」を数値として算出することも、この記事の執筆時点ではできていません。分からないことを、分かったふりで書かないという原則に従い、この段落を残しておきます。
次回への課題
次にこの記事を見直す際には、当サイトの記事を対象に、Ahrefsが挙げた4つの観点(新しさ・構成要素・文体・事実確認)でどこまで満たせているかを確認し、結果をここに追記する予定です。あわせて、社内の執筆フローに、AIを使った記事とそうでない記事を区別するチェック項目が別々に必要なのか、それとも今回整理した4観点だけで両方をまとめて確認できるのかも、実際に運用しながら見極めていきます。推奨した項目を、自分のサイトで確認しないまま記事だけを公開しないという姿勢を、ここでも保ちます。
08 このテーマの、これまで
実は、同じ結論に達した調査がもう1つある
今回の33.1万ページ調査を読んで気づいたのは、Ahrefsは同じテーマの調査を、これが初めてではなく行っているという点です。2025年7月にも、Ahrefsは60万件のURLを対象に、10万件のランダムなキーワードで上位20位を分析した別の調査を公開しており、AI利用率と検索順位の間の相関係数が0.011(ほぼ無相関)だったと報じられています(Ahrefs Study Finds No Evidence Google Penalizes AI Content(訳: Ahrefsの調査、GoogleがAIコンテンツを罰している証拠は見つからず)(Search Engine Journal・2025年7月8日))。同じ頃、AIに過度に依存したサイトが長期的に順位を大きく落とした例もあわせて報告されています(Be Careful With Google When Publishing AI Content(訳: AIコンテンツを公開する際は、Googleに対して慎重に)(Search Engine Roundtable・2025年7月9日))。
1年の間隔をあけた2つの調査が、同じ結論に収束した
2025年7月の調査(60万URL・相関係数0.011)と、2026年7月の調査(100万ページ・トップ3の82.2%がAI含有率50%未満)は、調査手法も対象範囲も異なりますが、「AI利用そのものは順位を決める主要因ではない」という結論で一致しています。当サイトでは、1つのサイトで測った結果は仮説にすぎず、複数の測定が一致して初めて事実に近づくという考え方を扱ってきました(archives/116)。今回のように、時期も手法も異なる調査が独立に同じ結論へたどり着いていることは、単発の調査結果よりも重みを持ちます。ただし、2025年の調査は「AIに過度に依存したサイトが長期的に順位を落とした」という個別の反例も同時に報告している点は見落とせません。「全体としての相関が弱い」ことと「個々のサイトに何が起きてもおかしくない」ことは、別の話です。
「検索品質評価ガイドライン」を扱った回との接続
Googleの検索品質評価ガイドラインが2025年から2026年にかけてどう変わったかを扱った回では、AIに評価される時代にWEBディレクターが読むべき「設計図」として整理しました(archives/71)。今回のAhrefsの調査は、その設計図が実際の検索結果でどう機能しているかを、データの側から裏づける内容になっています。
「生成AI回答の操作」をスパムと定義した回との接続
GoogleがAI Overviewの操作行為をスパムポリシー違反として明文化した回(archives/119)は、「埋めてはいけない穴」の話でした。今回の調査結果は、その禁止ラインがAI利用そのものではなく操作的な低品質コンテンツに引かれていることを、あらためて裏づけています。
「他人が測った数字」を自社に当てはめる危うさとの接続
他人が測った調査結果を自社サイトにそのまま当てはめる危うさについては、別の調査データを題材に扱った回があります(archives/123)。今回のAhrefsの調査も、グローバルな英語圏のデータセットである以上、自社サイトでそのまま成り立つとは限りません。1つの調査結果は仮説であり、自社サイトで確認して初めて事実になるという姿勢は、当サイトが1サイトの計測と2サイトの一致を比べた回(archives/116)でも扱った考え方です。
「0件」も「N件」も、鵜呑みにしない姿勢との接続
サイトを調べる仕組みの数値を鵜呑みにしない姿勢についても、当サイトで扱っています(archives/130)。今回のAhrefsの調査結果も、5.3%という数字だけを見るか、82.2%という数字だけを見るかで、印象がまったく変わります。両方の数字を並べて初めて、実態に近づくという点は、今回のテーマにもそのまま当てはまります。
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