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スパムアップデートが1か月あまりで2回来た ── 順位が動いた日付を3つの期間に振り分けて確認する14項目(2026年9月時点)

目次
  1. 01 何が起きたか/いま最新版は何か
    1. 9月24日、今年4回目のスパムアップデートが始まった
    2. 公式の記載は「開始」と「最大2週間」だけで、完了はまだ書かれていない
    3. 8月の更新は、2日16時間で完了していた
    4. 2026年に、ダッシュボードへ載った更新の一覧
  2. 02 なぜ・背景
    1. スパムアップデートとは、検出の仕組みに入る改善のこと
    2. コアアップデートとは、目的も見るべき順番も違う
    3. 順位が動いたことは、違反の証明ではない
    4. 回復は「数か月」単位で語られている
    5. 1か月あまりで2回来ると、何が難しくなるか
  3. 03 この記事に出てくる用語
    1. 本文で使う言葉を、先に整理する
    2. 展開(ロールアウト)
    3. SpamBrain
    4. スパムポリシー
    5. 検索パフォーマンスレポートと、暫定データ
  4. 04 型別に見る、確認すべき範囲と手順
    1. 適用範囲 ── この記事の手順が向いているサイト
    2. この記事で扱わないこと
    3. 手順1 ── 動き始めた日を、日別のグラフで1つに決める
    4. 手順2 ── 日付を3つの期間に振り分ける
    5. 手順3 ── 「更新のない33日」を基準にして比べる
    6. 手順4 ── 境界の日は、判定から外して別枠にする
    7. 手順5 ── 動いたのが、どの検索タイプかを分ける
    8. 手順6 ── 動いたページに共通点があるか、5件で見る
  5. 05 明日確認できるチェックリスト
    1. チェックリストの狙い
    2. 項目の内訳と、かかる時間の目安
    3. 何から手を付けるか
  6. 06 代替・他の選択肢の比較
    1. 確認する手段は、1つではない
    2. 4つの手段は、どれも他の代わりにはならない
    3. ツールで補えるところ
    4. 外部の順位変動レポートとの付き合い方
    5. Search Consoleの数字そのものを疑うとき
  7. 07 当サイトの状況
    1. この記事の時点で、確認できたことと、できていないこと
    2. 代わりに、サーバーのログでGooglebotの件数を数えた
    3. 更新の前後で、件数に段差は見えなかった
    4. この数字から言えることは、ごく小さい
    5. 次の点検で何をするか
  8. 08 このテーマの、これまで
    1. 「順位が落ちた」と騒がれた週に、公式は何も言っていなかった
    2. 継続的なコアアップデートは、二次情報の日付を検証した
    3. 「スパム」という語が指す範囲を扱った回
    4. Search Consoleを毎週点検する形にした回
  9. 09 この記事のまとめ

01 何が起きたか/いま最新版は何か

9月24日、今年4回目のスパムアップデートが始まった

Googleは2026年9月24日、「September 2026 spam update」を公開した。Google検索ステータス ダッシュボードの個別ページには、次のように書かれている。時刻はすべて米国太平洋時間(PDT)だ。

"Released the September 2026 spam update, which applies globally and to all languages. The rollout may take up to two weeks to complete."

(訳: 2026年9月のスパムアップデートを公開した。これは世界中、すべての言語に適用される。展開が完了するまでに最大2週間かかる可能性がある。)

記載の日時は9月24日09:15(PDT)で、日本時間にすると9月25日の午前1時15分にあたる。ダッシュボードの履歴表に載っている2026年のスパムアップデートを数えると、3月・6月・8月・9月の4件だ。9月の更新は、8月のスパムアップデートが始まった8月18日から数えて、37日後に始まったことになる。

公式の記載は「開始」と「最大2週間」だけで、完了はまだ書かれていない

2026年9月29日の時点で、9月のスパムアップデートの個別ページに書かれている行は、開始の1行だけだった。ダッシュボードの一覧でも、8月の更新には「2 days, 16 hours」という所要時間が出ているのに対し、9月の更新は「Information」と表示されているだけで、所要時間は空欄になっている。つまり展開はまだ終わっていないと読むのが自然だ。

「最大2週間」という書き方は、終わる日を約束するものではなく、上限の目安だ。9月24日09:15(PDT)から14日後は10月8日09:15(PDT)で、日本時間では10月9日の午前1時15分になる。それより早く完了の記載が出ることもありうるし、記載が出るまでは、いつ終わるかは分からない。

8月の更新は、2日16時間で完了していた

比較のために、8月の更新の記載も確認した。

"The rollout was complete as of August 21, 2026."

(訳: 展開は2026年8月21日時点で完了した。)

この完了の記載は8月21日01:49(PDT)、日本時間では8月21日の17時49分だ。開始の8月18日09:28(PDT)から数えると、ダッシュボードの一覧にある「2 days, 16 hours」と一致する。8月18日に「数日かかる可能性がある」と書かれた更新は、実際には3日弱で終わった。

2026年に、ダッシュボードへ載った更新の一覧

1か月あまり(37日)という間隔が珍しいのかどうかを、同じ履歴表で確かめた。2026年の「ランキング」欄に載っている更新を、開始日の順に並べる。

更新開始日所要時間(ダッシュボードの表記)
2026年2月のDiscoverアップデート2月5日21日17時間
2026年3月のスパムアップデート3月24日19時間30分
2026年3月のコアアップデート3月27日12日4時間
2026年5月のコアアップデート5月21日11日21時間
2026年6月のスパムアップデート6月24日2日1時間
2026年8月のスパムアップデート8月18日2日16時間
2026年9月のスパムアップデート9月24日未記載(展開中)

2026年の「ランキング」欄に載っているのは、Discoverが1件、コアが2件、スパムが4件の計7件だ。3月のように、スパムとコアが3日違いで並ぶ例もある。スパムアップデートどうしの間隔は、3月24日から6月24日が92日、6月24日から8月18日が55日、8月18日から9月24日が37日で、今回がいちばん短い。ただし、一覧に載るのは公式が「ランキングの更新」として掲載したものに限られる。載っていない更新があるかどうかは、この表からは分からない。

注意

9月のスパムアップデートが「何を狙った更新か」は、ダッシュボードの記載からは読み取れない。書かれているのは、公開した日時、世界中・全言語に適用されること、展開に最大2週間かかりうること、の3点だけだ。「今回はリンクスパムが対象」「AIで作った記事が対象」といった説明は、公式の記載ではなく、外部の推測だと分けて読みたい。

出典

ダッシュボードの日時と引用文は、2026年9月29日に9月の個別ページと8月の個別ページを直接開いて確認したものです。ページは今後更新される可能性があるため、実際に確認する際は最新のページを直接開いてください。

02 なぜ・背景

スパムアップデートとは、検出の仕組みに入る改善のこと

Googleの公式ドキュメント「Google Search spam updates and your site」は、スパムアップデートを次のように説明している。

"While Google's automated systems to detect search spam are constantly operating, we occasionally make notable improvements to how they work. When we do, we refer to this as a spam update"

(訳: 検索スパムを検出する自動システムは常に動いているが、その働き方に大きな改善を入れることがある。そのときこれをスパムアップデートと呼ぶ。)

この文からは、2つのことが読み取れる。スパムの検出は普段から動いていること、そしてアップデートの日はその仕組みが改善された日だということだ。改善の中身の例として、同じページはAIベースのスパム防止システムである SpamBrain を挙げ、「新しい種類のスパムを捕まえられるようにするために、システムを改善することがある」と書いている。

コアアップデートとは、目的も見るべき順番も違う

もう一つの公式ドキュメント「Google Search's core updates and your website」は、コアアップデートを「検索のアルゴリズムやシステムに加える、大きく広い変更」と位置づけ、特定のサイトやページを狙うものではないと書いている。スパムアップデートは、ポリシーに違反する手法を見つける仕組みの改善であり、目的が違う。

この違いは、順位が動いたときに最初に何を疑うかを変える。コアアップデートで下がった場合について、公式ページは、順位が下がったページが悪いとは限らない、と書いている。スパムアップデートで下がった場合は、公式が最初に見るよう勧めているのはスパムポリシーだ。コアアップデートの見方はGoogleコアアップデートで順位が動いたとき、WEBディレクターが最初に確認する13項目(2026年8月時点)に整理してあるので、本記事では繰り返さない。

順位が動いたことは、違反の証明ではない

スパムアップデートのページは、動いたサイトに対して次のように述べている。

"Sites that see a change after a spam update should review our spam policies to ensure they are complying with those."

(訳: スパムアップデートの後に変化があったサイトは、スパムポリシーを見直し、それに沿っているかを確かめるべきだ。)

ここで求められているのは「見直して確かめること」であって、「違反していた」という断定ではない。「更新の展開中に順位が動いた」ことと「スパムと判定された」ことは、同じ意味ではない。動いた理由は、更新以外にも、サイト側の変更、季節による需要の変化、計測の欠けなど、いくつも考えられる。本記事は、その全部を疑う前に、まず日付で場合分けをするところから始める。

回復は「数か月」単位で語られている

同じページには、改善を入れた後の見通しについても次の記述がある。

"Making changes may help a site improve if our automated systems learn over a period of months that the site complies with our spam policies."

(訳: 自動システムが数か月かけて、そのサイトがスパムポリシーに沿っていると学習すれば、変更によってサイトが改善する可能性がある。)

つまり、更新の直後に何かを直して、翌週に戻るという時間の感覚は、公式が示しているものではない。リンクスパムに特化した更新については、さらに厳しい書き方がされている。スパムリンクの効果が取り除かれたときは、そのリンクが以前もたらしていた順位への効果が失われ、その効果は取り戻せないという。

1か月あまりで2回来ると、何が難しくなるか

1回だけなら、「更新の前の週」と「更新の後の週」を比べれば済む。難しくなるのは、2回が近いときだ。8月の更新の余波が残っている期間と、9月の更新の展開期間が、自分のグラフの中で並んでしまう。しかも9月の更新は、この記事を書いている時点でまだ展開中だ。

実務のヒント

2回のあいだに、どちらの更新の展開期間でもない日が33日間ある(8月22日〜9月23日)。この期間を「比べるときの基準」にすると、8月の動きと9月の動きを混ぜずに眺められる。04章で、この使い方を手順にした。

さらに、コアアップデートのページには、公式が発表しない更新もあると書かれている。

"These updates are not announced because they aren't widely noticeable"

(訳: これらの更新は、広く気づかれるほどの影響がないため、発表されない。)

この一文は、小さなコアアップデートについてのものだ。ダッシュボードに載っていない日にも、順位が動く理由が存在しうる。海外の業界メディアSearch Engine Roundtableの月次まとめには、8月のスパムアップデートの前後にも「unconfirmed updates(公式に確認されていない更新)」があったと書かれているが、これは第三者の観測であり、Googleの発表ではない。

03 この記事に出てくる用語

本文で使う言葉を、先に整理する

ここでは、本文で繰り返し使う言葉のうち、混同しやすいものを先に整理しておく。

用語

スパムアップデート:Googleが、スパムを検出する自動システムに大きな改善を入れたときの呼び名。ダッシュボードの「ランキング」の履歴に、開始日と所要時間が載る。スパムポリシーに違反する手法の扱いが変わるものであり、コアアップデートとは別に発表される。

用語

手動による対策(マニュアルアクション):Googleの担当者が、サイトのページがスパムポリシーに沿っていないと判断したときに行う対応。公式ヘルプは、対象になったサイトには「手動による対策」レポートとSearch Consoleのメッセージで通知すると書いている。スパムアップデートによる自動的な順位の変化とは、通知の有無で区別できる。

展開(ロールアウト)

ダッシュボードで使われる「rollout」は、更新が世界中のシステムに順番に行き渡っていく過程を指す。開始した日と、全部に行き渡った日は別だ。順位の動きも、その間に少しずつ現れる。だから、展開中の日々のグラフは「まだ途中の姿」として読む。

SpamBrain

Googleが「AIベースのスパム防止システム」と説明しているもので、検索のランキングシステムの解説ページには「SpamBrainを含む、さまざまなスパム検出システムを使っている」とある。個別の更新が SpamBrain の改善かどうかは、ダッシュボードの記載からは分からない。

スパムポリシー

Google検索の「スパムに関するポリシー」ページに、名前の付いたポリシーが16個並んでいる(クローキング、ドアウェイページ、期限切れドメインの悪用、ハッキングされたコンテンツ、隠しテキストとリンクの悪用、キーワードの乱用、リンクスパム、機械生成トラフィック、悪意のある行為、誤解を招く機能、スケールされたコンテンツの悪用、スクレイピング、サイトの評判の悪用、不正なリダイレクト、薄いアフィリエイト、ユーザー生成スパム)。ページの冒頭には、違反を「自動システムと、必要に応じて人による確認の両方で」検出し、違反したサイトは「順位が下がるか、検索結果に表示されなくなる可能性がある」と書かれている。

検索パフォーマンスレポートと、暫定データ

Search Consoleの「検索パフォーマンス」は、クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位を、クエリ、ページ、国、デバイス、日付などの切り口で見るレポートだ。公式ヘルプによれば、既定では過去3か月が表示され、最新のデータは「暫定」で、数時間のうちに変わることがある。本記事のチェックリストでは、最新の1〜2日分は結論に使わないという扱いにしている。

04 型別に見る、確認すべき範囲と手順

適用範囲 ── この記事の手順が向いているサイト

この手順は、Search Consoleに登録済みで、少なくとも数十日分の検索パフォーマンスのデータがあるサイトに向いている。日別のクリック数が数件しかないサイトは、日ごとの上下が大きすぎて、更新の影響と偶然の差を区別できない。その場合は、日別ではなく週別の集計で、かなり大きな変化があったかどうかだけを見るのが現実的だ。

この記事で扱わないこと

この記事は、特定のサイトの順位が動いた理由を断定するものではない。また、9月のスパムアップデートが何を狙った更新かについて、公式の説明は現時点で存在しない。ポリシー違反の有無を判定する方法も、この記事では扱わない。扱うのは、動きを日付で振り分けて、更新との関係を疑う順番を決めるところまでだ。

手順1 ── 動き始めた日を、日別のグラフで1つに決める

最初にやるのは、「順位が落ちた気がする」を、日付に変えることだ。検索パフォーマンスを日付の切り口で表示し、クリック数が急に落ちた日、または平均掲載順位が大きく悪化した日を探す。見つかった日を、動き始めた日として1つ書き出す。複数の日にまたがっているときは、いちばん早い日を採用する。

手順2 ── 日付を3つの期間に振り分ける

動き始めた日は、次の3つのどれかに入る。この振り分けが、本記事でもっとも重要な判断になる。

動き始めた日その日の位置づけ最初に疑うこと
8月18日〜8月21日8月のスパムアップデートの展開期間8月の更新の影響。9月の更新より前に起きた動き
8月22日〜9月23日どちらの更新の展開期間でもない更新以外の原因(サイト側の変更・季節・計測の欠け)
9月24日以降9月のスパムアップデートの展開期間9月の更新の影響。ただし展開中は結論を急がない
動いた日付を3つの期間に振り分ける図。左は8月18日から8月21日で8月の更新の展開期間、中央は8月22日から9月23日でどちらの更新の展開期間でもない期間、右は9月24日以降で9月の更新の展開期間。それぞれの下に、最初に疑うことが書かれている。
日付が3つの期間のどこに入るかで、最初に疑うことが変わる

表の真ん中の行が、本記事の要点だ。8月22日から9月23日に動き始めた場合、8月の更新の展開はすでに完了していて、9月の更新はまだ始まっていない。この期間の動きを更新のせいにすると、時間の順番が合わない。

手順3 ── 「更新のない33日」を基準にして比べる

次に、動きの大きさを数字にする。コアアップデートの公式ページは、更新の前の週と比べる方法を勧めているが、今回は8月の更新が終わってから9月の更新が始まるまでの間に、33日の空白がある。この33日は、どちらの更新の展開期間でもない。

2026年8月15日から10月10日までの時間軸の図。8月18日から21日が8月の更新、8月22日から9月23日が更新のない33日間、9月24日から最大10月8日までが9月の更新の展開期間として色分けされている。9月29日時点は展開中と示されている。
2回の更新の間に、どちらの展開期間でもない33日がある

比較する期間を2つ作る。1つ目は8月22日から9月23日(基準)、2つ目は9月24日から、暫定でない最新の日までだ。両者のクリック数と平均掲載順位を並べれば、9月の更新の展開期間に入ってから何が変わったかを、8月の更新の影響を混ぜずに眺められる。8月の更新の動きを見たいときは、逆に8月11日から8月17日を基準の期間にする。

手順4 ── 境界の日は、判定から外して別枠にする

Search Consoleの日付の区切りは、画面の公式ヘルプ(検索パフォーマンスレポート)では確認できなかった。一方、Search Analytics APIの文書には、開始日と終了日が「in PT time (UTC - 7:00/8:00)」、つまり太平洋時間の日付で指定すると書かれている。API文書では太平洋時間と書かれているが、画面のヘルプでは確認できていない。ダッシュボードも米国太平洋時間で書かれているので、Search Consoleの数字は太平洋時間の日付で読む前提に立つと、ダッシュボードの日付と揃えやすい。

そのうえで、更新の開始や完了があった日(太平洋時間で8月18日・8月21日・9月24日)は、どちらの側にも入れず、別枠にする。これはGoogleが示した方法ではなく、本記事が提案する運用ルールだ。日本時間で数えたログを使うときは、日付が半日ほどずれるので、同じルールを日本時間で当て直す(07章)。

手順5 ── 動いたのが、どの検索タイプかを分ける

検索パフォーマンスには、ウェブ、画像、動画、ニュースという検索タイプのフィルタがある。コアアップデートのページも「検索タイプごとに分けて分析する」ことを勧めている。全部が混ざった合計だけを見ていると、画像検索の増減がウェブ検索の動きを隠すことがある。動きがあったのがどのタイプなのかを、先に1行ずつ書き分ける。

手順6 ── 動いたページに共通点があるか、5件で見る

最後に、クリック数の減少が大きいページを上位5件、書き出す。5件を並べて、書き手・公開時期・テンプレート・外部から入稿された原稿かどうか、のような共通点が3つ見つかるかを試す。サイト全体が均等に動いている場合と、特定のページ群だけが動いている場合では、次に疑う場所が変わる。毎朝の「警告1,415件」を、初めて種類別に数えたで書いたとおり、合計だけを見て終わるより、種類別に割ったほうが、本当に見るべきものが浮かび上がる。

注意

動いた直後に、内容の書き換えやページの削除に手を付けることは、勧められない。コアアップデートのページには「quick fix(その場しのぎの修正)を避ける」という趣旨の記述があり、ここで見ているのはスパムアップデートだが、展開が終わる前に原因を特定できていない状態で動かすと、何が効いたのかが後から分からなくなる。

05 明日確認できるチェックリスト

チェックリストの狙い

以下は、01章から04章の内容を、実際に手を動かして確認するための14項目だ。前半は公式の記載と日付の確認、中盤はSearch Consoleでの動きの切り分け、後半は手動による対策とスパムポリシーの確認になっている。チェックの状態はブラウザ内にのみ保存され、サーバーには送信されない。

  • Google検索ステータス ダッシュボードの「ランキング」の履歴表を開き、2026年のスパムアップデートの開始日を4件書き出す
  • 8月のスパムアップデートの個別ページで完了の日付を控え、9月の個別ページに完了の記載が出ているか確認する
  • Search Consoleの検索パフォーマンスを開き、日付を8月10日から9月28日に設定して、クリック数の日別グラフを表示する
  • グラフで、クリック数が前日の半分以下になった日を数え、あれば日付を書き出す
  • 書き出した日付を「8月18〜21日」「8月22日〜9月23日」「9月24日以降」の3つに振り分け、それぞれ何日あるか書く
  • 太平洋時間で更新の開始・完了があった8月18日・8月21日・9月24日を、判定から外して別枠に書き出す
  • 期間を比較する機能で、8月22日から9月23日を基準にし、9月24日から暫定でない最新の日までのクリック数の差を書き出す
  • 同じ比較で、平均掲載順位の差を書き出す
  • 検索タイプをウェブ・画像・動画・ニュースの順に切り替え、動きが出ているタイプを1行ずつ書く
  • ページの切り口で、クリック数の減少が大きい上位5ページのURLを書き出す
  • その5ページに共通する点(書き手・公開時期・テンプレート・入稿元など)を3つ書き出す
  • 「手動による対策」レポートを開き、通知が0件か1件以上かを書き留める
  • Search Consoleのメッセージを開き、8月18日以降に届いたメッセージの件数を数える
  • 9月のスパムアップデートの完了日が出たら、その日から1週間後の日付をカレンダーに入れ、その日までページの内容を変えずに置く

項目の内訳と、かかる時間の目安

1番目と2番目は、公式の記載を確認する作業で、合わせて3分ほどで終わる。3番目から6番目は、グラフを開いて日付を振り分ける作業で、10分ほどかかる。7番目から11番目は、比較機能とページ別の表示を使う作業で、15分ほどを見込む。12番目と13番目は手動による対策とメッセージの確認で、合わせて3分。14番目は、完了日が出るまで待つだけの項目だ。全部を通して30分前後が目安になる。

何から手を付けるか

時間がないときは、1番目、2番目、12番目の3つだけを先に済ませる。公式の記載を確かめ、手動による対策の通知が無いことを確かめるだけで、「更新のせいか、それ以外か」を考える前提が固まる。順位が大きく動いていないなら、3番目以降は、次の点検の機会まで置いてよい。

実務のヒント

4番目の「半分以下」は、日別のクリック数がある程度ある(1日に数十件以上)サイト向けの目安だ。日別のクリック数が数件のサイトでは、半分になることは普通に起きる。その場合は、この項目を週別の集計に置き換え、前の週の半分以下になったかどうかを見るとよい。

06 代替・他の選択肢の比較

確認する手段は、1つではない

「更新との関係」を確かめる材料は、Search Consoleの検索パフォーマンスだけではない。目的が違えば、使う道具も変わる。次の表は、この記事の手順で使う手段を、何が分かるか、何が分からないかで並べたものだ。

手段分かること分からないこと
Google検索ステータス ダッシュボード公式が認めた更新の開始日時と、完了の記載何を狙った更新か。自分のサイトが影響を受けたか
Search Consoleの検索パフォーマンス自分のサイトのクリック数・表示回数・平均掲載順位の日別の動きその動きの原因。最新の1〜2日は暫定値で変わりうる
手動による対策レポートとメッセージ担当者による対応が入っているか自動的な順位の変化(アップデートの影響)は、ここには出ない
自サイトのアクセスログGooglebotを名乗るアクセスが、更新の前後で増減したか順位の動き。ユーザーエージェントの表記が本物かどうか

4つの手段は、どれも他の代わりにはならない

この表が示すのは、1つの手段だけで「原因は更新だ」とは言えないということだ。ダッシュボードは日付の物差しになるが、自分のサイトの結果は教えてくれない。検索パフォーマンスは自分のサイトの動きを見せるが、原因は語らない。手動による対策のレポートは、担当者の対応があったかどうかだけを教える。アクセスログは、クローラーが来ているかどうかを見せるが、順位とは別の話だ。

ツールで補えるところ

Search Consoleの画面の見方に迷うときは、当サイトの無料ツールSearch Consoleの見方に迷ったらこちらの解説ツールが、各レポートの意味を整理している。また、自社のページの状態を一度にまとめて見たいときは、WEBサイト総合分析・レポートツールが、タイトルやリンクなどの基本項目を一覧にしてくれる。どちらも、更新との関係を教えるものではなく、比べる前の材料を揃えるための道具だ。

外部の順位変動レポートとの付き合い方

海外のSEO業界メディアは、順位変動の大きさを測るサービスの数値を使って「今週は大変動」と報じることがある。こうした報告は、自分のサイトに何が起きたかとは別の情報だ。突き合わせる手順は外部の順位変動レポートと、自分のサイトの記録を突き合わせる手順で扱っている。

Search Consoleの数字そのものを疑うとき

もう一つ、見落としやすいのは、Search Console側の数字が誤っていることもあるという点だ。表示回数が長期間にわたって過大に出ていたという報告があった件はSearch Consoleに重大エラー、インプレッションが約1年間も過大表示にまとめてある。

07 当サイトの状況

この記事の時点で、確認できたことと、できていないこと

当サイトのSearch Consoleの検索パフォーマンスの日別データは、この記事を書いた2026年9月29日の時点では、内容を確認できていない。そのため、04章の手順3から6は、当サイト自身には当てはめていない。当サイトの順位が9月24日以降に動いたのかどうかは、この記事の時点では分からない。分からないことを、分かったように書かないでおく。

代わりに、サーバーのログでGooglebotの件数を数えた

確認できたのは、サーバーのアクセスログだ。ユーザーエージェントに「Googlebot」の文字列を含むアクセスの件数を、日ごとに数えた。8月18日から9月28日までの42日分だ。ただし、これはユーザーエージェントの表記だけで数えたもので、本物のGooglebotかどうかは確かめていない。ログの日付は日本時間で、ダッシュボードの日時は太平洋時間なので、04章の手順4のルールを日本時間で当て直した。日本時間では、8月の更新は8月19日01:28に始まって8月21日17:49に完了し、9月の更新は9月25日01:15に始まっている。この3つの日(8月19日・8月21日・9月25日)は、更新の途中で日が変わるので、判定から外した。また、クローラーが来た回数は、順位の動きとは別の指標だ。

更新の前後で、件数に段差は見えなかった

数えた結果は次のとおりだった。

2026年8月18日から9月28日までの42日間の、Googlebotを名乗るアクセスの日別件数を示す棒グラフ。8月の更新の途中の日と9月の更新の途中の日が色分けされ、日本時間の境界の日は灰色で示され、8月22日から9月24日の平均28.2件の水平線が引かれている。9月26日から28日の3日間は、その幅に収まっている。
Googlebotを名乗るアクセスの日別件数。境界の日(灰色)は判定から外した

境界の日を外すと、8月の更新の途中と言える日は8月20日の1日だけで、46件だった(1日だけなので、平均としては扱わない)。更新のない期間は8月22日から9月24日の34日間で(9月24日は日本時間ではまだ9月の更新が始まる前)、合計958件、1日平均28.2件、いちばん少ない日が12件、いちばん多い日が61件だった。9月の更新の途中と言える日は9月26日から28日の3日間で、合計88件、1日平均29.3件(26件・30件・32件)だった。9月26日から28日の平均は、更新のない34日間の幅(12〜61件)に収まっている。ただし3日分しかないので、暫定の数字として読む。

この数字から言えることは、ごく小さい

この結果から言えるのは、「Googlebotを名乗るアクセスの件数は、9月の更新が始まった前後で、日ごとの上下の幅を超えては変わっていない」ということだけだ。クロールの頻度が変わっていないことは、順位が変わっていないことの証明にならない。逆に、順位が動いたことは、クロールの頻度が変わったことを意味しない。そして、更新のない34日間の中にも、9月21日の61件、9月22日の57件のように、日ごとに大きく上下する日があった。1日ごとの上下の幅を、先に知っておくことが、動きを読むときの物差しになる。

出典

件数は、2026年9月29日に、当サイトのサーバーに保存されているアクセスログの52日分(8月8日から9月28日)から、「Googlebot」の文字列を含む行を日ごとに数えたものです。日付は、ログの回転日から1日引いた日(日本時間)を採用しています。ユーザーエージェントの表記だけで判定しており、本物かどうかの検証はしていません。

次の点検で何をするか

当サイトは、毎週木曜日にSearch Consoleを点検している。次回は2026年10月1日(木)になる。9月のスパムアップデートの展開がまだ終わっていない可能性があるので、その日は結論を出さず、日付と件数の記録だけを残す予定だ。完了の記載が出たら、その日から1週間後に、05章のチェックリストの3番目以降を当サイトに当てはめる。

08 このテーマの、これまで

「順位が落ちた」と騒がれた週に、公式は何も言っていなかった

順位変動が話題になる週は、公式が何も発表していないことも多い。その回の記録は「順位が落ちた」と騒がれた週、Googleの公式は何も言っていなかったに残している。今回のように公式が更新を認めている場合でも、「話題になったこと」と「自分に起きたこと」を切り分ける必要があるという点は同じだ。

継続的なコアアップデートは、二次情報の日付を検証した

コアアップデートの公式記述と、二次情報が伝える日付のずれを扱ったのが『7月9日にGoogleが認めた』は本当かだった。更新の日付は、まず公式ダッシュボードの原文で確かめる、という順番は、今回の01章の書き方につながっている。

「スパム」という語が指す範囲を扱った回

Googleが生成AIの回答の操作をスパムのポリシーに含めると明確にした日のことは、埋められる穴と、埋めてはいけない穴に書いた。スパムポリシーの範囲は、時間とともに広がるので、今回の16個のポリシーの一覧も、確認した日付とセットで読む。

Search Consoleを毎週点検する形にした回

Search Consoleの通知を放っておいた経験から、毎週の点検に切り替えた話はSearch Console の通知 65 件のうち 33 件が未読だったに残っている。手動による対策やメッセージの確認が、本記事のチェックリストに入っているのは、この経験があるからだ。数字を読むときに、探した範囲を書く習慣は「0件」に、探した数を書いていなかったから続いている。

Googleは2026年8月18日と9月24日、37日の間隔で2回のスパムアップデートを始めた。順位が動いたとき、どちらの更新の影響か、更新とは無関係かを、Search Consoleの日付で切り分ける手順を、公式の記載を確かめながら整理する。
2025/05/31
THU
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池田南美夫
もうすぐ●●歳。ずっーと現役SE。日本にインターネットが上陸してから、ずっーと携わる。 ほんとは超アナログ人間のギター弾き、バンドマン。でも音楽活動とSE、案外似てる。