2026年6月2日(PDT)。
May 2026 Core Updateのロールアウトが完了した。
5月21日に始まったこのアップデートは、12日間かけてGoogleの検索インデックス全体を再評価した。
業界の観察者たちは言う。「Marchはmeh。Mayはbig」。
今年最も影響の大きいコアアップデートが、静かに終わった。
そして今、あなたのSearch Consoleに変な数字が並んでいるかもしれない。
クリック数が急落しているかもしれない。順位が乱高下しているかもしれない。
その数字を見て、判断してはいけない。
今日の記事は、コアアップデートが完了した翌日のWEBディレクターへの手紙だ。
6月2日、May 2026 Core Updateが完了した
まず事実を整理する。
- 開始:2026年5月21日 8:40 AM PDT
- 完了:2026年6月2日 5:40 AM PDT
- 期間:11日21時間(約12日間)
- 規模:今年最大。3月のコアアップデートより影響が大きいと評価されている
Googleの公式見解はシンプルだ。
「ユーザーが本当に求めているコンテンツを、より的確に表示するための定期的なアップデート」
しかし「定期的」という言葉に惑わされてはいけない。
今回のアップデートは、過去2〜3年のコアアップデートの中でも「強度が高い」と複数の業界アナリストが報告している。
あなたのサイトが影響を受けているとしたら、それは偶然ではない。
「今のSCを見るな」— ロールアウト直後の数字は嘘をつく
コアアップデートが終わった直後、多くのWEBディレクターが同じ行動を取る。
Search Consoleを開き、昨日と今日を比較し、「やばい、順位が落ちた」と結論を出す。
その判断は、ほぼ確実に間違っている。
理由は「インデックスの再整合」にある。コアアップデートのロールアウト中、Googleのインデックスは世界中のデータセンターで段階的に更新される。この更新が全データセンターに行き渡り、安定するまでに1〜2週間かかる。
ロールアウト完了直後のSCデータは、この「再整合の最中」を切り取ったものだ。
正確な評価には使えない。
Googleが示唆する「クリーンな比較ウィンドウの最短ライン」は6月9日だ。
6月9日まで、SC上の数字は「参考」として眺めるだけにしておけ。
判断材料にしてはいけない。
正しいSC比較の方法 — 6月9日以降にやること
6月9日になったら、以下の手順で分析する。
比較期間の設定
Before:5月20日以前の14〜28日間
After:6月9日以降の14〜28日間
この2つの期間を比較することで、「アップデートの実質的な影響」が見えてくる。
ロールアウト期間(5/21〜6/2)のデータは比較対象に含めない。
確認すべき4つの軸
- ページ別:影響を受けたページを特定する。全体の平均ではなく個別のページで見る
- クエリ別:下落したクエリのトピックを確認。特定のテーマが弱くなっていないか
- デバイス別:PC/スマートフォンで異なる影響が出ていることがある
- 国別:グローバル展開しているサイトは国ごとの差異を確認
「下落した」場合の最初の問い
下落が確認された場合、最初に問うべきは「このページは読者を本当に助けているか」だ。
コアアップデートの評価軸は、常にここに帰結する。
今週(6/3〜6/8)にすべきこと — 「準備週間」として使う
6/9の分析に備えて、今週を「コンテンツ品質の棚卸し週間」にする。具体的には以下だ。
やること
- コンテンツの「実体験・専門性」を確認する:各記事に「著者が実際にやった記録」があるか見直す。今回のアップデートはE-E-A-T(実体験・専門性・権威性・信頼性)を強く評価している
- 構造化データの実装状況を確認:FAQPage・HowToスキーマが正しく実装されているか。AI Overview引用との相関が高い(Princeton GEO研究: +2〜3倍)
- Gemini品質モデルの基準でコンテンツを自己評価:後述する「薄テンプレ vs 真の創作」の視点で各ページをチェックする
- サイトマップの lastmod を最新化:コアアップデート完了後のクロール優先度に影響する
やってはいけないこと
- 「下落した」と結論を出して急ぎ対策を実施する:今週のSCデータは変動の最中。判断できない
- コアアップデートへの「即効薬」を探す:コアアップデートへの正しい対応は「品質を上げること」だけだ。ハックや抜け道はない
- 競合サイトの動向だけを見て自分を見失う:競合が上がった原因はあなたのサイトとは無関係なことがある
Gemini品質モデルが見ているもの — 「薄テンプレ」vs「真の創作」
今回のMay 2026 Core Updateの背後には、Geminiの品質モデルが「薄テンプレと真の創作を識別する能力」が大幅に向上したという事実がある。
「薄テンプレ」とは何か。それは形式だけを整えたコンテンツだ。
薄テンプレの特徴は明確だ:
- キーワードを詰め込んだタイトルと見出し
- 「〇〇とは」「〇〇の方法」という定型構成
- 著者の実体験がない「まとめ」記事
- 他社の情報を並べただけで独自の視点がない
- 統計を引用するが自社での検証がない
そして「真の創作」は何が違うか:
- 問いを立て、著者が自分の言葉で答えている
- 「なぜそうなのか」の理由を実体験から深掘りしている
- 著者が実際に試した記録・結果が書かれている
- 読者の次の問いを先読みして答えている
- 自社データ・独自の観察が含まれている
Geminiはこの違いを、AIらしく「確率」で評価する。
「このコンテンツはユーザーの問いに直接答えているか」「著者に実体験があるか」「このサイトは信頼できるエンティティか」——これらの問いへの答えが、AIが判断する「品質スコア」に直結している。
AI Overview引用への影響 — CoreアップデートとAIOは連動している
見落とされがちな事実がある。
コアアップデートの評価基準と、AI Overview(AIO)の引用基準は同じ方向を向いている。
「ユーザーを本当に助けるコンテンツ」を評価するGoogleのコアアップデートは、AIOが「引用したいコンテンツ」を選ぶ基準と、本質的に同じだ。
- AIO引用とTop10の重複率:2024年は70%だったが、現在は20%未満に縮小。「SEO順位が高い」だけでAIOに引用されるわけではない
- FAQPageスキーマの効果:Princeton GEO研究(2026年5月)でAIO引用率が+2〜3倍。Core Update後も継続
- エンティティSEOとの連動:WikidataにQIDが登録され、Knowledge Graphに認識されたサイトは、Geminiの「信頼できる情報源」として優先的に参照される
コアアップデートへの対策と、AI Overview引用を増やすための対策は、本質的に同じ方向にある。
「本当に役立つコンテンツを、信頼できるエンティティとして公開する」——この一点に集約される。
【自己実証】当サイトのSCを6月9日に公開する
当サイト(website.usersupports.com)は、このMay 2026 Core Update期間中に何が起きたか。
| 時点 | SC impressions(7日移動平均) | 平均順位 |
|---|---|---|
| 5/21(開始前) | 計測継続中 | 計測継続中 |
| 6/2(完了時点) | 635 imp/7日 | 62位 |
| 6/9(分析予定) | 🔧 着手中(6/9以降に更新) | 🔧 着手中 |
コアアップデートについて「こうすべきだ」と書きながら、自社データを隠すのはフェアではない。
6月9日以降に、このページに当サイトの実際のSCデータを追記する。
上がっていたら正直に書く。下がっていても正直に書く。それが自己実証の規律だ。
✅ エンティティSEO(Wikidata QID・sameAs) 当サイト実施済 ✅ llms.txt 当サイト実施済 ✅ FAQPageスキーマ 当サイト実施済 🔧 SC比較分析 6/9以降実施
WEBディレクターへのメッセージ
コアアップデートが完了した翌日のあなたへ。
SCが下がっていたとしても、今週は焦らなくていい。
SCが上がっていたとしても、今週は喜びすぎなくていい。
今週は「準備週間」だ。
6月9日まで、あなたがすべきことは一つだ。
「このコンテンツは、読んだ人の問いに本当に答えているか」
この問いを、自分のサイトの全ページに問い続けることだ。
コアアップデートへの正しい対応は、常にここから始まる。
May 2026 vs March 2026 — 今回はなぜ「big」と言われるのか
2026年は2つのコアアップデートが実施された。
| 比較軸 | March 2026 Core Update | May 2026 Core Update |
|---|---|---|
| ロールアウト期間 | 約2週間 | 約12日間 |
| 業界評価 | 「meh(インパクト小)」 | 「big(影響大)」 |
| 変動の規模 | 中程度。特定ジャンルに集中 | 幅広い業種・言語に影響 |
| 主な方向性 | スパムポリシーの継続強化 | コンテンツ品質・E-E-A-T重視を強化 |
| AIO引用への影響 | 比較的軽微 | AI引用基準との連動が強い |
MarchがE-E-A-Tの「基準設定」なら、Mayは「基準の適用範囲の拡大」だ。
Marchで影響を受けなかったサイトが今回影響を受けているケースが複数報告されている。
より重要なのは、Mayの評価軸がGeminiの品質モデルと強く連動している点だ。
「薄テンプレ」への制裁が強化され、「真の創作」への報酬が積み増された。
コアアップデートで下落したサイトの回復事例と対応策
過去の実績から、コアアップデートで下落したサイトが回復した共通パターンを整理する。
回復に成功したサイトの共通点
- 著者情報の充実:匿名記事から「実名+経歴+実績」付きの著者ページへの変更で、3ヶ月以内に順位回復した事例が多い
- コンテンツの実体験化:「情報まとめ」から「実際にやってみた記録」へリライトすることで、Gemini品質モデルの評価が上がる
- 薄いページの整理:低品質なページをnoindexまたは削除することで、サイト全体の品質評価が改善するケースがある
- FAQPage・HowToスキーマの実装:AI Overview引用を増やすことで、指名検索やブランドトラフィックの回復につながる
やっても意味のなかった「対策」
- キーワード密度の調整(Core Updateはキーワードではなく品質を見ている)
- 記事数の急増(質より量は逆効果になることがある)
- 被リンク購入(Google Penaltyのリスクが高まるだけ)
コアアップデートに「即効薬」はない。正しい回復の道は「ユーザーにとって本当に役立つコンテンツを、信頼できる書き手が公開していること」を地道に積み上げることだけだ。
E-E-A-T をコンテンツに実装する具体的な方法
E-E-A-T(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness)は「概念」ではなく「実装できるもの」だ。
Experience(実体験)の実装
- 記事の冒頭に「著者が実際に〇〇をやった」という事実を明示する
- 自社データ・スクリーンショット・実際の数値を本文中に含める
- 「〇年〇月に実施」という時間軸を明記する
Expertise(専門性)の実装
- 著者ページに資格・実績・担当案件数を記載する
- 記事の根拠となる一次情報(Google公式ドキュメント・研究論文)にリンクする
- 専門用語を使いながら、初心者にも分かる説明を添える
Authoritativeness(権威性)の実装
- 業界メディアへのプレスリリース配信で被リンクと言及を増やす
- WikidataにQIDを登録してKnowledge Graphに認識させる
- OrGAnizationスキーマにsameAsを追加してプラットフォーム間の一致を示す
Trustworthiness(信頼性)の実装
- HTTPS・セキュリティヘッダーの適切な設定
- プライバシーポリシー・利用規約の整備
- 問い合わせ窓口の明示
- 広告と記事コンテンツの明確な分離
エンティティSEO vs コアアップデート対策 — 同じ方向を向いた別のアプローチ
「コアアップデート対策とエンティティSEOは別物か」という問いへの答えは、「本質的に同じ方向を向いている」だ。
| 比較軸 | コアアップデート対策 | エンティティSEO |
|---|---|---|
| 目的 | 「ユーザーを助けるコンテンツ」の評価を上げる | 「信頼できるエンティティとして認識される」ことで引用確率を上げる |
| 主な実装 | E-E-A-T・コンテンツ品質・構造化データ | Wikidata QID・sameAs・Knowledge Graph登録 |
| 効果が出る期間 | 次のコアアップデート(3〜6ヶ月後) | Knowledge Panel再処理(4〜8週間) |
| SEO順位への影響 | 直接的(コアアップデートで評価が上がる) | 間接的(AI引用→指名検索の増加) |
| AI Overview引用 | コンテンツ品質向上で引用確率が上がる | エンティティ信頼性向上で引用確率が上がる |
最も強力なのは両方を同時に実施することだ。
コアアップデートでコンテンツ品質を高め、エンティティSEOでサイトの「存在証明」を強化する。
この2つは車の両輪だ。
当サイトはすでにWikidata QID(Q140030002)の取得とsameAs実装を完了している。
次のステップは6/9のSCデータで、これらの対策が実際に効いているかを確認することだ。
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