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Googleの番組は、PDFを内部でHTMLに変換して扱うと説明した ── PDFを載せている会社が、文字が取れるか・同じ中身の重複・置き場所を確かめる13項目(2026年10月時点)

目次
  1. 01 何が起きたか — Googleの番組が、PDFの扱いを内側から説明した
    1. 2026年10月13日に、PDFだけを取り上げる回が出た
    2. PDFは、索引に入る前にHTMLの形へ直される
    3. 順位づけも、AIの機能も、通常の文書とほぼ同じ扱い
    4. この記事が読んだもの、読めなかったもの
  2. 02 なぜ・背景 — PDFは中身の見えない入れ物で、HTMLは最初から文字で書かれている
    1. PDFはバイナリの入れ物である
    2. Googleの公式文書は、PDFを索引に登録できる形式に挙げている
    3. ファイルの大きさの上限は、公式の数字が1つ、PDF専用の数字はない
    4. HTMLのほうが向く場面は、画面の小さい端末で出る
  3. 03 用語 — PDFの話で出てくる言葉を先にそろえる
    1. 変換する部品(converter)
    2. 画像だけのPDF(ラスタライズされたページ)
    3. rel="canonical"のHTTPヘッダー
    4. X-Robots-Tag
    5. 「検索に出さない」と「読ませない」は別の話
  4. 04 型別 — 自社がどの型に当たるかで、最初に確かめる場所が変わる
    1. 型A — カタログ・料金表・申込書を配るサイト
    2. 型B — 紙をスキャンして載せているサイト
    3. 型C — HTMLとPDFの両方を出しているサイト
    4. 型D — CMSがPDFを自動で作るサイト
    5. 確かめる順番
  5. 05 自分のサイトで確認するチェックリスト
  6. 06 代替・他の選択肢 — PDFの置き方を選ぶ
    1. 選択肢は5つある
    2. HTMLとPDFを両方出すなら、正のURLをヘッダーで示せる
    3. PDFの先頭に、自社サイトへのリンクを入れる
    4. PDFを更新するときは、新しいファイル名にする
    5. 検索に出したくないPDFには、noindexか、パスワードか
    6. llms.txtをPDFにするのは、番組では勧められなかった
  7. 07 当サイトで確かめたこと
    1. 当サイトのPDFを数えた
    2. 公式の書き起こしは、PDFで配られていた
    3. Search Consoleで、PDFのURLを検査できる
  8. 08 このテーマの、これまで
    1. 日付つきの記録
    2. 当サイトの、関連する過去の記事
  9. 09 この記事のまとめ

01 何が起きたか — Googleの番組が、PDFの扱いを内側から説明した

2026年10月13日に、PDFだけを取り上げる回が出た

Googleの検索の担当チームが配信する番組「Search Off the Record」に、2026年10月13日の日付で「PDFs in Search: Indexing, AI & Pitfalls」(訳: 検索の中のPDF。索引への登録、AI、落とし穴)という回が出た。番組の紹介ページには、話者としてMartin SplittとJohn Muellerの2人の名前がある。2026年10月16日に、紹介ページと、同じ回の書き起こし(PDFのファイルで配られている)を取り直して読んだ。

この回の主題は、PDFを載せている会社にとって、いちばん素朴な疑問である。PDFで出すか、ふつうのHTMLのページで出すか。そして、PDFはHTMLと違う扱いを受けるのか。紹介ページの冒頭は、こう問いかけている。

"Should you publish your content as a PDF or stick strictly to standard HTML?"

(訳: 内容をPDFで出すべきか、ふつうのHTMLだけにとどめるべきか。)

この記事は、番組で話された内容のうち、自分のサイトで今日確かめられることだけを拾う。聞いて面白い話と、手を動かせる話は別だからである。

PDFは、索引に入る前にHTMLの形へ直される

番組のいちばん大きな説明は、変換の部品の話である。書き起こしによると、Martin Splittは、検索の中に「converter」(変換する部品)があり、それは描画のすぐ後、索引に入る可能性があるすぐ前で働く、と話している。いくつもの形式にそれぞれ変換する部品があり、PDF用もその1つだという。その目的を、こう説明している。

"So we are taking that and producing an HTML version of it so that the processing in the rest of the pipeline pretty much only works with HTML."

(訳: だから私たちは、それを取って、HTMLの版を作る。以降の処理の流れが、ほぼHTMLだけで動くようにするためだ。)

つまり、Googleの中ではPDFが特別な道を通るのではなく、PDFをHTMLに直して、ふつうのウェブページと同じ道に乗せる。PDFの中のリンクがそのまま辿れるのも、同じ理由だと、John Muellerが確かめて、Martin Splittが同意している。

PDFが検索の索引に入るまでの道を3つの箱で示した図。左の箱は、文字・リンク・画像が入った中身の見えないPDFのファイル。中央の箱は、索引に入る直前にPDFをHTMLの形に直す変換する部品で、リンクも引き継ぐ。右の箱は、以降はHTMLページと同じ処理で、順位づけもAIの機能での扱いも同じ道を通る。下段に、確かめるのは文字が取れるかと、同じ中身が何か所にあるかだと書かれている。
PDFが索引に入る道 — 変換してから、ふつうの処理に乗る

順位づけも、AIの機能も、通常の文書とほぼ同じ扱い

変換の後は、ふつうのページである。順位づけについて、Martin Splittはこう答えている。

"Yeah, indexing and ranking is pretty much the same as any other document."

(訳: そう、索引への登録も順位づけも、ほかの文書とほぼ同じだ。)

AIによる概要やAIモードに出るかを聞かれたときも、変換後は「ふつうのHTMLのページ」だから特別なことはない、という趣旨の答えをしている。書き起こしの終わり近くで、John Muellerは、少なくともGoogleでは、GEO(生成AIの検索への最適化)の面でもPDFは使える、ほかのAIの仕組みでも参照されているのを見たことがある、とも話している。ただし、これは本人の見聞であって、数字の裏づけはない。

この記事が読んだもの、読めなかったもの

読んだのは、番組の紹介ページ、書き起こし、Google検索セントラルの公式文書である。聞いていないのは、音声そのものである。書き起こしと紹介ページにある範囲だけを使う。また、番組の2人は「話の中身を、細部まで知っているわけではない」と、書き起こしの中で何度か断っている。公式の文書として確かめられたことと、番組での雑談を分けて書く。

02 なぜ・背景 — PDFは中身の見えない入れ物で、HTMLは最初から文字で書かれている

PDFはバイナリの入れ物である

HTMLやMarkdownは、テキストエディタで開けば、意味が追える文字で書かれている。PDFは違う。書き起こしでは、Martin Splittが、PDFをテキストエディタで開くと変な文字が並ぶこと、それは「binary container」(バイナリの入れ物)だからだと話している。本や論文のように、文字、リンク、画像、図が1つのファイルに入る。入れ物の中の文字を取り出せるかどうかが、PDFの確認の出発点になる。

Googleの公式文書は、PDFを索引に登録できる形式に挙げている

番組の話とは別に、公式の文書でも、PDFは対象に挙がっている。Google検索セントラルの「File Types Indexable by Google」(訳: Googleが索引に登録できるファイルの種類)は、2026年10月16日に開いたとき、最終更新が2026年2月3日だった。この文書は、形式を「Supported encoded file types」(訳: 対応する、符号化されたファイルの種類)の見出しの下に並べ、その中に次の1行がある。

"Adobe Portable Document Format (.pdf)"

(訳: Adobe Portable Document Format(.pdf))

同じ見出しの下には、WordやExcel、PowerPointの形式も並ぶ。PDFだけが特別に扱われているわけではない。登録できる形式の1つである。

ファイルの大きさの上限は、公式の数字が1つ、PDF専用の数字はない

大きなPDFで気になるのは、どこまで読まれるかである。Googleの「Google's crawlers and fetchers」の概要の文書(最終更新2026年6月12日)には、ファイルの大きさの上限の節があり、次のように書かれている。

"By default, Google's crawlers and fetchers only crawl the first 15MB of a file, and any content beyond this limit is ignored."

(訳: 既定では、Googleのクローラーと取得の仕組みは、ファイルの最初の15MBまでしか取り込まず、その上限を超えた内容は無視される。)

続く文は、個々のプロジェクトが、クローラーごと、ファイルの種類ごとに、別の上限を決めることがあると書いている。例として、Googlebotが2MBのような小さい上限を持つことも、PDFにはHTMLより大きな上限を指定することも、ありうると書く。PDF専用の数字は、この文書に書かれていない。

番組でも、Martin Splittは、PDFの取得の上限がHTMLと違うだろうとは推測しつつ、こう断っている。

"But I don't know the specific limit for PDF files."

(訳: ただし、PDFのファイルの具体的な上限は知らない。)

したがって、この記事は「PDFは何MBまで」という数字を書かない。大きなPDFは、上限に届かない大きさにするか、分けるか、HTMLにする、というのが安全側の考え方である。当サイトの記事「Googleのクロールは2MBで止まる ── 最新の公式解説と、自分のサイトで確認する13項目」は、HTMLの側の上限を扱っている。

HTMLのほうが向く場面は、画面の小さい端末で出る

書き起こしでは、2人が、HTMLの利点を具体的に挙げている。1つは、スマホではPDFを全部ダウンロードしてから表示するので、遅い回線や処理の遅い端末では、HTMLより待たされやすいこと。もう1つは、拡大したとき、PDFは印刷用のページの配置を保ったままで、文字が折り返されないことである。PDFが悪いのではなく、印刷された1枚の形を保つ道具だから、小さい画面と相性が悪い。

03 用語 — PDFの話で出てくる言葉を先にそろえる

変換する部品(converter)

用語

変換する部品(converter):PDFやWord、Excelなどの形式のファイルを、HTMLの形に直す、Googleの索引の仕組みの中の部品である。番組では、描画の後、索引に入る可能性がある前に働くと話されている。この部品があるので、PDFの文字やリンクが、HTMLのページと同じ処理に乗る。

画像だけのPDF(ラスタライズされたページ)

用語

ラスタライズ(rasterized page):PDFのページが、文字ではなく、1枚の画像として入っている状態である。見た目は読めても、文字を選んでコピーできない。紙の資料をスキャンしたPDFに多い。取り出せる文字がないので、変換しても、索引に入れる本文がない。

rel="canonical"のHTTPヘッダー

用語

rel="canonical"のHTTPヘッダー:ページの中身ではなく、サーバーの応答の頭の部分(ヘッダー)に、正とするURLを書く方法である。HTMLの中に書くタグが使えないPDFのようなファイルで使う。応答に「Link: <正のURL>; rel="canonical"」の形の1行を付ける。

この形式について、Googleの文書は「RFC5988」を挙げている。現在の規格は、その後継のRFC 8288「Web Linking」である。

X-Robots-Tag

用語

X-Robots-Tag:検索結果に出す・出さないなどの指示を、サーバーの応答のヘッダーに書く方法である。HTMLの中のmetaタグが書けない、PDFや画像のようなファイルに使う。「noindex」を書けば、そのファイルを検索結果に載せないよう頼める。

「検索に出さない」と「読ませない」は別の話

PDFの話で混ざりやすいのが、この2つである。robots.txtは、クローラーが取りに来るのを止める仕組みである。noindexは、取りに来た後で、検索結果に載せないよう頼む仕組みである。当サイトの記事「noindex・nofollow・robots.txtは、それぞれ何を止めているのか ── 混同しやすい3つの設定を確認する15項目」が、3つの設定の違いを整理している。06章でも、PDFの場合に何が起きるかを書く。

04 型別 — 自社がどの型に当たるかで、最初に確かめる場所が変わる

PDFを載せている会社と言っても、置き方は様々である。次の4つの型に分けると、確認の最初の一手が決まる。

型よくある例最初に確かめること
型A 配布する資料カタログ、料金表、申込書、会社案内文字がコピーできるか。同じ内容のHTMLのページがあるか
型B 紙のスキャン古い資料、お知らせの紙、店のメニュー画像だけのPDFになっていないか
型C 同じ内容の複数形式HTMLの記事と、そのPDF版を両方出しているどちらを正とするかを、示せているか
型D 自動で作るPDFCMSの「PDFで見る」「印刷用」の機能古い版が検索に残り、新しいページと競合していないか

型A — カタログ・料金表・申込書を配るサイト

番組では、細かな体裁が必要なもの、紙に刷って使うもの、フォームのように操作が要るものは、PDFで出す理由があるという話が出ている。Martin Splittは、宿泊施設が宿泊の申込書をPDFで出す例を挙げ、役に立つなら、そのままPDFで出してよいと話している。型Aで確かめるのは、PDFを出す理由があるかと、そのPDFの文字が取れるかである。理由があれば、無理にHTMLにしなくてよい。

型B — 紙をスキャンして載せているサイト

この型が、いちばん危ない。John Muellerは書き起こしの中で、スキャンした本のPDFは本質的に画像で、文字読み取り(OCR)ができるシステムもあるが、当てにはできない、と話している。見た目では区別がつかないので、コピーして確かめるしかない。飲食店のメニューについては、番組の最後に、実際的な答えが出ている。

"If the option is have a menu as a PDF or don't have a menu at all, then yes, I would prefer to have a menu."

(訳: 選べるのが、メニューをPDFで出すか、メニューをまったく出さないかなら、メニューを出すほうがよい。)

続けてJohn Muellerは、ふつうのウェブページとPDFを選べるなら、ふつうのページのほうが操作しやすく、拡大もしやすく、スマホで折り返され、少し速く表示される、とも話している。小さな店の手間を考えて、PDFのままにする選択も認めている。画像だけのPDFは読み上げソフトを使う人にも読みにくいが、PDFの中の画像に代替テキストを付ける方法は、W3Cの技術文書「PDF1」にある。

型C — HTMLとPDFの両方を出しているサイト

同じ内容が2つのURLにある。どちらを検索に出したいかは、サイトが決める。Googleの重複URLの文書は、PDFやWordのように複数の形式でそれぞれ別のURLに出している場合に、正のURLをHTTPヘッダーで知らせられると書いている(06章で引用する)。型Cは、示せているかを確かめる。

型D — CMSがPDFを自動で作るサイト

書き起こしでは、John Muellerが、昔のCMSにあったと、「ページをPDFで見る」ボタンの話をしている。ページを印刷用に自動でPDFにする機能で、Googleはこの手のPDFをあまり頻繁に取り直さないので、古い内容がPDFとして残り、新しい内容がHTMLのページとして出る、食い違った状態になりうるという。型Dで確かめるのは、そのPDFが検索に出る状態になっていないかである。

確かめる順番

どの型でも、順番は同じである。まず、自社のPDFを全部数える。次に、型に分ける。そのうえで、文字が取れるか、同じ中身が何か所にあるか、置き場所と更新の仕方、の順に見る。数える前に直し始めると、直す対象を取りこぼす。

05 自分のサイトで確認するチェックリスト

下の13項目は、1項目5分ほどでできる作業である。チェックの状態はブラウザの中にだけ保存され、サーバーには送られない。

PDFの文字が取れるかをコピーして確かめる方法を示した図。左の箱は、文字が入ったPDFで、全部を選んで貼ると本文の文字が出る。右の箱は、画像だけのPDFで、貼っても何も出ず、スキャンした紙の資料に多い。下段に、何も出なかったときは元の文書から作り直すか同じ内容のHTMLページを用意すること、文字読み取りは当てにできないこと、読み上げソフトを使う人にも読みにくいことが書かれている。
PDFの文字が取れるかは、コピーして確かめる
  • 自社サイトにあるPDFを、サイトマップ、サイト内検索、検索で「site:自社ドメイン filetype:pdf」を使って探し、URLを1本ずつ書き出して数える
  • 項目1のPDFを、型A(配布する資料)、型B(紙のスキャン)、型C(同じ内容の複数形式)、型D(自動で作るPDF)のどれかに分けて、型ごとの本数を書く
  • 項目1のうち閲覧数が多い上位5本を開き、全部を選んでテキストエディタに貼り、文字が出たか、出なかったかを、1本ずつ書く
  • 項目3で文字が出なかったPDFについて、元のWordや印刷用データが手元にあるかを、「ある」「ない」で書く
  • 項目3の5本それぞれに、同じ内容のHTMLのページがあるかを探し、あれば、そのURLを書く
  • PDFの置き場所のURLを3本開き、ファイルの名前に日付や版が入っているか、更新のとき名前を変える決まりがあるかを書く
  • PDFのプロパティを3本開き、作成者と説明の欄が空でないかを書く
  • PDFの1ページ目の上のほうに、自社のサイトの名前やURLが書かれ、リンクとして押せるかを、3本で確かめる
  • HTMLとPDFで同じ内容を出しているものがあれば、検索の「URL検査」で、Googleが選んだ正規のURLがどちらかを書く
  • 同じPDFが、サイト内の複数のURLに置かれていないかを、ファイル名の一覧を並べて確かめる
  • PDFのURLを3本、ブラウザの開発者ツールのネットワークの画面で開き、応答のヘッダーにLinkやX-Robots-Tagが付いているかを書く
  • 検索に出したくないPDFがあれば、robots.txtで止めているのか、noindexを付けているのかを、1本ずつ書く(robots.txtで止めているだけなら、その旨を書く)
  • 項目1から12の結果から、「文字が取れない」「同じ中身が重複」「置き場所が不明」のどれが多いかを選び、日付を付けて1枚にまとめて保存する

時間が限られているときは、項目1・3・5・12の4つだけでも、PDFが検索に役立つ状態かの見当は付く。

06 代替・他の選択肢 — PDFの置き方を選ぶ

選択肢は5つある

PDFの置き方は、HTMLと比べて、次の5つに分けられる。どれが正しいではなく、サイトの事情で選ぶ。

置き方向く場面注意すること
PDFだけを置く申込書、印刷して使う資料文字が取れるか。更新の手間
HTMLだけを置く読ませたい記事、手順、料金の説明印刷用の体裁が必要なら、別に用意する
HTMLとPDFの両方読むページと、配る資料を分けたいときどちらを正とするかを示す
PDFにnoindexを付ける配布はするが、検索には出したくないときrobots.txtで止めると、noindexが読まれない
PDFをrobots.txtで止める取りに来る回数を減らしたいとき隠す手段ではない(下で引用する)

HTMLとPDFを両方出すなら、正のURLをヘッダーで示せる

Google検索セントラルの「Consolidate duplicate URLs」(訳: 重複したURLをまとめる)の文書は、2026年10月16日に開いたとき、最終更新が2026年7月10日だった。HTMLの中に書くタグが使えないPDFのようなファイルについて、こう書いている。

"If you publish content in many file formats, such as PDF or Microsoft Word, each on their own URL, you can return a rel="canonical" HTTP header to tell Googlebot what is the canonical URL for the non-HTML files."

(訳: PDFやMicrosoft Wordのように、内容を多くのファイル形式で、それぞれ別のURLに出しているなら、HTML以外のファイルの正のURLを、Googlebotに伝えるために、rel="canonical"のHTTPヘッダーを返せる。)

文書には、WordのファイルのヘッダーにPDFのURLを指す「Link」の行を付ける例も載っている。番組では、John Muellerが、このヘッダーは面倒なので使う人は多くないだろうが、できると話している。当サイトの記事「canonicalタグは『ヒント』であって『命令』ではない ── Search Consoleで、Googleが選んだ正規URLを自分のサイトで確認する15項目(2026年9月時点)」は、canonicalが「ヒント」であって命令ではないことを扱っている。ヘッダーで示しても、Googleが従うとは限らない。

PDFの先頭に、自社サイトへのリンクを入れる

番組で出た、もう1つの手がかりがある。同じ中身のPDFが、別のサイトに置かれたとき、検索はそれを「まったく同じもの」と見る、とJohn Muellerは説明している。そこで、PDFの上のほうに自社のトップページへのリンクを入れておく。PDFをHTMLに変えるとき、リンクもそのまま残る。人がそこから辿れるし、索引に入った形でも、元のサイトへのリンクが付いてくる。

同じPDFが何か所にあるかで打つ手が変わることを示した図。左の箱は自社のサイト内に複数あるとき、どれを正にするかをHTTPヘッダーで知らせられる。中央の箱は他のサイトにも出回るとき、PDFの先頭に自社サイトへのリンクを入れておく。右の箱は更新したPDFで、古いものはすぐには読み直されないので、新しい名前のファイルにしてリンクを付け替える。下段に、HTTPヘッダーで正規のURLを示す方法はGoogleの文書にPDFの例があること、効き方はSearch Consoleで確かめることが書かれている。
同じPDFが何か所にあるかで、打つ手が変わる

PDFを更新するときは、新しいファイル名にする

PDFはHTMLより、何度も取り直されにくい。John Muellerは、画像に似ていて、頻繁には変わらないと見られているので、数分おきには取り直されないと話している。そのうえで、こう勧めている。

"That also means that if you do want to make changes to a PDF file, it can make sense to just use a new file name."

(訳: それはつまり、PDFのファイルに変更を加えたいなら、新しいファイル名にするのが筋が通る、ということでもある。)

Martin Splittは、サーバーの設定を触れる人には、変わる頻度に合わせて、HTTPのキャッシュの設定をすることも勧めている。Googleの概要の文書も、Cache-Controlのmax-ageに、内容が変わらないと見込む秒数を入れておくと、再取得の目安になると書く。HTTPのキャッシュの規格はRFC 9111である。四半期ごとに変わるカタログなら、数か月分を指定する考え方である。

検索に出したくないPDFには、noindexか、パスワードか

検索に出したくないPDFの扱いは、Googleの文書で確かめられる。robots metaタグの文書(最終更新2026年3月24日)は、こう書く。

"To block indexing of non-HTML resources, such as PDF files, video files, or image files, use the X-Robots-Tag response header instead."

(訳: PDF、動画、画像のようなHTML以外のものの索引への登録を止めるには、代わりにX-Robots-Tagの応答ヘッダーを使う。)

番組でMartin Splittは、PDFにパスワードを付ければ検索には読めない、robots.txtで止める手もある、と話している。ここに、注意が要る。Googleのrobots.txtの導入の文書(最終更新2025年12月10日)は、はっきり書いている。

注意

"Don't use a robots.txt file as a means to hide your web pages (including PDFs and other text-based formats supported by Google) from Google Search results."(訳: ウェブページ(PDFやGoogleが対応するほかの文字ベースの形式を含む)を、Google検索の結果から隠す手段として、robots.txtを使ってはならない。)

さらに、「Block Search Indexing with noindex」(最終更新2025年12月10日)は、noindexが効くには、そのページやファイルがrobots.txtで止められておらず、クローラーが読める状態でなければならないと書く。止めたつもりのPDFが、止めているせいでnoindexを読まれず、リンク経由で検索に出るという順序になりうる。

llms.txtをPDFにするのは、番組では勧められなかった

この回の最初の話題は、llms.txtをPDFで保存することだった。書き起こしでは、Martin Splittが、まず「なぜこの話が出続けるのか」と返し、そのうえで答えは「No」だと話す。llms.txtの狙いは、LLMが読みやすい最も単純な形で内容を出すことだ、PDFは単純な形ではない、というのが理由である。当サイトの記事「llms.txt に 59 本 積んでいた ── ただし『読まなくていい』と書いてある棚に」や、「llms.txt を置いて51日、正直に答え合わせ第2弾 ── Google が『効かない』と言った以上に、他の AI も読みに来ていなかった」で、llms.txtを実際に置いて測った結果を書いている。

07 当サイトで確かめたこと

当サイトのPDFを数えた

当サイトにPDFがあるかを、数えた。2026年10月16日に、サイトマップに載っている382件のURLを、1本ずつ開き、ページの中の「.pdf」で終わるリンクを数えた。

数えたもの件数
サイトマップのURL382
うち「.pdf」のURL0
PDFへのリンクを含むページ15
PDFへのリンクの合計30
うち当サイトの中のPDF0

30本のリンクは、すべて外部のサイトのPDFを指していた。Googleの資料、官公庁の文書、ICANNやOWASPなどの団体の文書、今回の番組の書き起こしなどである。当サイトが置いているPDFは、見つけた範囲では0本だった。ただし、これは、サイトマップのURLと、そのページの中のリンクを見ただけである。サイトマップに載らないページや、ログインしないと見えない会員画面、入力しないと出ない画面までは、開いていない。開いたときの応答の番号も、記録していない。

言えるのは、公開されている範囲の入口から辿れるPDFは、外へのリンクだけだったということである。項目1の、サイトマップと検索で自社のPDFを数える作業は、当サイトでは、これで終わった。リンクの確認を段階に分けて見る話は、当サイトの記事「「リンク切れ0本」も「200が返る」も、まだ2段目だった ── 番号が変わるサイトで見つけた、リンクの3段目のずれ」にある。

公式の書き起こしは、PDFで配られていた

この回の書き起こしは、PDFのファイルである。9ページあった。文字を取り出す道具で試すと、文字は取れた。ただし、PDFの中の語が、1語ずつ別々の行になって出てきた。取れることと、読める形で取れることは別だった。この点は、ブラウザのコピーでも、使う道具でも違うので、自分のPDFで試すしかない。

この回は、PDFの文字が取れるかをコピーで確かめる方法を、そのまま勧めている。5分で試せて、費用はかからない。当サイトの🔧 WEBサイト内のリンク漏れ・チェックツールは、サイト内のリンクの切れを確かめる道具である。サイトマップの載せ方を見直すなら、🔧 WEBサイトのsitemap.xml作成ツールも使える。

Search Consoleで、PDFのURLを検査できる

Googleが選んだ正のURLを確かめるのは、Search ConsoleのURL検査である。Search Consoleから書き出したデータを詳しく見たいときは、当サイトの🔧 Search Consoleのエクスポートを読み込んで詳しく見るツールが使える。当サイトの記事「canonicalタグは『ヒント』であって『命令』ではない ── Search Consoleで、Googleが選んだ正規URLを自分のサイトで確認する15項目(2026年9月時点)」の15項目も、PDFのURLにそのまま使える。

08 このテーマの、これまで

日付つきの記録

  • 2025年12月10日: Googleのrobots.txtの導入の文書と、noindexの文書の最終更新。robots.txtはPDFを検索から隠す手段ではない、と書かれている。
  • 2026年2月3日: 「File Types Indexable by Google」の最終更新。PDFは、対応する符号化された形式に挙がっている。
  • 2026年3月24日: robots metaタグとX-Robots-Tagの文書の最終更新。HTML以外のものにはX-Robots-Tagを使う、と書かれている。
  • 2026年6月12日: Googleのクローラーの概要の文書の最終更新。既定の15MBと、ファイルの種類ごとに上限が変わりうることが書かれている。
  • 2026年7月10日: 重複URLの文書の最終更新。PDFのような形式の正のURLを、HTTPヘッダーで示す方法が書かれている。
  • 2026年10月13日: Search Off the Recordが、PDFを扱う回を公開した。
  • 2026年10月16日: この記事の確認の日。

番組のPDFの扱いが、いつからそうなっているかは、番組では語られていない。この記事で読んだ6つの公式文書の中には、「PDFを変換してHTMLにする」という書き方は、見つからなかった。この話は、番組での説明という位置づけで読む。

当サイトの、関連する過去の記事

同じ「数えてから直す」の考え方を、当サイトはこれまでも書いてきた。当サイトの記事「「自分のサイトに、同じ記事が2本ないか」を5分で確かめる ── タイトルで探すと45組、元記事で探すと139組。3倍 違った」は、同じ内容の記事を探す方法を書いている。PDFの重複を探すときも、見つける手順は似ている。当サイトの記事「外から取った画面は、目当ての画面とは限らない ── 遮断の画面を404と読み、引用符の違いでnoindexを「無い」と読みかけた」は、外から取った画面が目当てのものか確かめる話で、PDFのURLをブラウザで開いて確かめるときの注意に通じる。

当サイトの記事「AIクローラーは1つではない ── robots.txt・llms.txtで「通す」「止める」を切り分ける(2026年9月時点)」と「robots meta タグ・X-Robots-Tagのディレクティブ ── nosnippet・max-snippetなど12種類を確認する14項目(2026年9月時点)」は、robots.txtやX-Robots-Tagなどの指示の違いを扱っている。当サイトの記事「AIは331回来たと書いた。実際は11,024回だった ── HTTPのログだけを52日間 見ていた」は、自社のログを、見落としのない範囲で数える話である。PDFへのアクセスを数えるときにも、アクセスの記録の見方は同じである。

Googleは番組で、PDFを内部でHTMLに変換して索引に載せ、順位づけも通常の文書とほぼ同じと説明した。PDFを載せる会社が、文字が取れるか、同じ中身の重複はないか、置き場所と更新を、公式文書と合わせて確かめる13項目を、10月16日時点でまとめた。
2025/05/31
THU
00:00:00

ブラウザ・OS 最新バージョン

毎日更新:2026-10-16 調査更新済
  • Android(stable) 未取得
  • Chrome Android(stable) 156.0.8078.39
  • Chrome iOS(stable) 156.0.8078.33
  • Chrome(beta) 156.0.8078.17
  • Chrome(dev) 157.0.8092.0
  • Chrome(stable) 156.0.8078.36
  • Edge(stable) 155.0.4283.45
  • Firefox(stable) 158.0
  • Opera(stable) 137.0.6036.63
  • Safari iOS(stable) 未取得
  • Safari(stable) 未取得
  • iOS(stable) 未取得

現在の貴方のIPアドレス

216.73.217.39

このサイトで書いている人

株式会社ツクルン

株式会社ツクルン

Webアドバイジング・クリエイター
池田 南美夫
もうすぐ●●歳。ずっーと現役SE。日本にインターネットが上陸してから、ずっーと携わる。 ほんとは超アナログ人間のギター弾き、バンドマン。でも音楽活動とSE、案外似てる。