ClarityのAI Visibilityで、ブランド用語を自分で決められるようになった ── 自社名・商品名の書き方のゆれを洗い出して確認する14項目(2026年10月時点)
ClarityのAI Visibilityで、ブランド用語を自分で決められるようになった ── 自社名・商品名の書き方のゆれを洗い出して確認する14項目(2026年10月時点)
目次
01 何が起きたか — ClarityのAI Visibilityで、ブランド用語を自分で決められるようになった
用語
AI Visibility:Microsoft Clarityの機能群。AIの回答で自サイトのページが引用された回数、引用につながった検索語、AIアシスタントがもたらした訪問を見られる。(公式の説明にもとづく)
公式ブログが書いたこと
2026年9月29日、Microsoftが提供するアクセス解析ツール「Microsoft Clarity」の公式ブログに、「Customize Your Brand Terms in Microsoft Clarity AI Visibility」(訳: Microsoft ClarityのAI Visibilityで、ブランド用語をカスタマイズする)という記事が載った。Clarityには、AIのサービスが自分のサイトをどう参照しているかを見るAI Visibilityという機能群があり、今回の更新は、その中でブランドに関する用語を、利用者が設定画面から自分で追加・編集・削除できるようになったというものである。
"Add, edit, or remove Brand Terms from Settings > AI Visibility to better reflect how your brands, products, and business are referenced."
(訳: 設定 > AI Visibilityから、ブランド用語を追加・編集・削除して、自社のブランド・商品・事業がどう呼ばれているかをより正確に反映できます。)
記事によれば、登録できる用語には、略称、別の綴り、地域や言語ごとに変えた名前、翻訳、よくある誤字が含まれる。例として挙げられているのは、「Microsoft」というブランドに対して、「MS」や「Microsoft Corporation」を関連する用語として足せる、という場面である。関連する用語は「ブランド名(Brand Name)」の下にまとめられ、ブランド名ごとに絞り込んだり、用語1つずつの結果を見たりできる。最初から入っている初期の一覧は、そこから直していく出発点として用意されている。
公式情報
素材にした公式ブログ:Customize Your Brand Terms in Microsoft Clarity AI Visibility(訳: Microsoft ClarityのAI Visibilityでブランド用語をカスタマイズする)(Microsoft Clarity公式ブログ・2026年9月29日)。英文の引用は、ページの文字を取り出した結果にもとづく。使うときは原文のページで確かめてほしい。
8月の「ブランドか、そうでないか」の分類の続きにあたる
今回の更新は、8月3日の更新の続きとして書かれている。8月の更新は、Citations(引用)のダッシュボードで、AIが参照した検索語を「ブランドに関するもの」と「そうでないもの」に分けて見られるようにした(See Branded and Non-Branded AI Queries in the Clarity Citations Dashboard(訳: ClarityのCitationsダッシュボードで、ブランドに関するAIの検索語とそうでない検索語を見る)(Microsoft Clarity公式ブログ・2026年8月3日))。公式は、その狙いを次のように書いている。
"By separating brand-led demand from generic discovery, you can better assess brand strength, identify discovery and consideration opportunities, and interpret changes in citation performance with greater confidence."
(訳: ブランドをきっかけにした需要と、一般的な発見とを分けることで、ブランドの強さをより適切に評価し、発見や比較検討の機会を見つけ、引用の成果の変化をより自信をもって読み取れます。)
つまり、分類そのものは8月からあった。9月29日の更新で新しくなったのは、その分類が使う「自社の名前の一覧」を、利用者の側で直せるようになった点である。9月29日の記事は、この設定が、ブランドに関する検索語を見分ける精度と、レポートの質を高めるためのものだと説明している。
公式が書いていないことも、先に確認しておく
確認できた範囲で、9月29日の記事には、次の内容が書かれていなかった。登録できる用語の数の上限、利用できるプランの条件、日本語の表記(全角・半角、ひらがな・カタカナの違い)をどう扱うか、用語がどの方式で照合されるか(完全に同じ文字列だけか、一部が含まれていればよいか)、そして登録した後に過去のデータの分類まで変わるかどうか、である。書かれていないことは、この記事でも「分からない」と書く。後の章で出てくる登録の作業は、公式の手順ではなく、公式が書いた設定項目を前提に、この記事が実務用に組み立てた準備である。
Clarityを使っていないサイトでも、準備の中身は同じになる
ClarityのAI Visibilityを使っていなくても、この記事の中心になる作業は役に立つ。自社名・商品名・旧社名・略称・英字表記を洗い出して1枚にまとめる作業は、後で説明するとおり、Googleのサイト名や組織の構造化データ、ビジネスプロフィールの名前を整えるときにも、そのまま使える。登録の画面を開く前に、名前のゆれを洗い出して1枚の表にするというのが、この記事の軸である。
02 なぜ・背景 — 登録できるのは「自分で見つけて入力した名前」だけである
分類は、名前の一覧が土台になる
ブランドに関する検索語かどうかを分ける仕組みは、どこかに「この名前はこのブランドのもの」という一覧を持っている必要がある。9月29日の記事は、その一覧を利用者が直せるようにしたと説明している。ここからは筆者の見立てだが、一覧に載っていない書き方で自社が呼ばれたとき、その検索語はブランドに関するものとして数えられない可能性がある。公式は、一致の方式を書いていないので、実際にどうなるかは確かめられていない。ただ、一覧が分類の土台なら、一覧の抜けは、分類の抜けにつながりうる。
初期の一覧は出発点であって、完成品ではない
公式の記事は、初期の一覧があらかじめ入っていると書いている。この初期の一覧が、どの情報から作られているかは、確認した範囲では書かれていない。そのため、自社の旧社名、社内でしか通じない略称、取引先がよく打ち間違える綴りが、初めから入っているかどうかは、利用者が画面を開いて確かめるしかない。入っていない名前を足せるのは、その名前を知っている自社の担当者だけである。
同じ会社の名前は、場所ごとに少しずつ違って書かれている
名前のゆれは、ウェブサイトの中でも、サイトの外でも起きる。会社概要には正式名称、名刺には略した社名、請求書には旧社名、営業メールには英字の社名、という具合である。これは誰かの失敗というより、長く運営するうちに自然に増えていくものである。この見立ては実務上のもので、公式の調査結果ではない。ただ、名前の書き方が場所ごとに違えば、検索語も場所ごとに違って現れうる。外から「その会社のことだ」と分かってもらうための名前の一覧は、いちど全部を書き出さないと、抜けが見えない。
Googleが「揃えなさい」と書いている場所は、サイト名と組織名にある
表記の一貫性を明確に求めているのは、検索結果に出るサイト名の文書である(日本語版の最終更新は2026年2月20日)。構造化データでサイト名として使う名前は、Googleのシステムが考慮するホームページの他の情報源で使うサイト名と一致している必要がある、という趣旨が書かれている。サイト名の文書は、別名(alternateName)として、略称や短くした名前を指定できることも説明している。
組織の構造化データの文書(最終更新2026年9月12日)も、名前(name)と別名(alternateName)を、サイト名に使っているものと揃えるよう案内している。サイト名と組織名は、ページの見た目と構造化データの両方で揃えるのが公式の書き方である。ただし、これはGoogleの検索結果の話であり、ClarityのAI Visibilityの設定とは別の仕組みである。
ビジネスプロフィールの名前は「実際に使われている名前」
Googleビジネスプロフィールのビジネス名のガイドラインは、実際のビジネスで一貫して使用され、認知されている名前を使うよう求めている。キャッチコピー、営業時間、電話番号、店舗コードなどを名前に入れてはいけない、という例も挙がっている(この文書は、最終更新日がページに書かれていなかった)。つまり、名前の洗い出しには、「正しい名前」と「登録すべき呼び名」を分けて考える視点が要る。ブランド用語としては、キャッチコピーや営業時間を足す必要はない。
登録の抜けも、登録しすぎも、どちらも困りごとになりうる
抜けがあると、その呼び名で出てきた検索語を、ブランドに関するものとして見分けられないかもしれない。反対に、他の意味でも使われる短い略称(アルファベット2〜3文字など)を登録すると、自社と関係のない検索語が混ざるかもしれない。どちらも筆者の見立てで、公式の記述にはない。登録する前に、1語ずつ「他の意味と重ならないか」を確かめておくのが、実務では安全である。
03 この記事で出てくる用語
ブランド用語(Brand Term)
用語
ブランド用語(Brand Term):ブランド、商品、事業を指して使われる言葉。Clarityの公式ブログでは、略称、別の綴り、地域や言語ごとの名前、翻訳、よくある誤字を含むとされている。この記事では、Clarityの設定項目の名前としてだけでなく、「自社を指して使われうる名前の1つ1つ」という意味でも使う。
ブランド用語は、1つの会社に1つだけではない。社名で1つ、商品名で数個、旧名称で数個、と増えていく。数が増えるほど、どれを登録して、どれを見送るかの判断が要る。
ブランド名(Brand Name)
Clarityでは、関連するブランド用語を、1つの「ブランド名」の下にまとめられる。会社の名前、商品Aの名前、商品Bの名前というように、まとまりごとに結果を見たいときの区切りになる。この記事の表の「ブランド名」の列は、この区切りを、登録の前に紙の上で決めておくためのものである。
ブランドに関する検索語と、そうでない検索語
8月の更新で分けられるようになった2種類である。ブランドに関する検索語は、自社や商品の名前を含む質問のこと。そうでない検索語は、「小さな会社向けの会計ソフトは」のように、名前を含まない一般的な質問のことである。公式は、この2つを分けることを「ブランドをきっかけにした需要と、一般的な発見を分ける」と説明している。分類の定義の詳細は、確認した範囲では書かれていない。
表記のゆれ
同じ意味の言葉が、場所や書き手によって違う書き方で出てくること。漢字・仮名・英字・全角半角・大文字小文字・長音符の違いで起きる。「ヒカリ建設」と「ひかり建設」のように、どちらも単独では間違っていないところが、扱いにくい点である。間違いではないので、決まりがないまま放置されやすい。
正式名称・name・alternateName・legalName
正式名称は、登記簿や契約書に書かれた名前である。Googleの組織の構造化データでは、組織名を、name(組織の名前)、alternateName(別名)、legalName(登記された正式名称)に分けて書く。schema.orgは、alternateNameを「An alias for the item.」(訳: その対象の別名)と定義している(alternateName(schema.org))。この記事の表で「正式名称」「略称・通称」と分ける作業は、この3つの項目に書き写すときの下準備にもなる。
全角・半角のゆれと、文字の正規化
全角の「HIKARI」と半角の「HIKARI」は、見た目が近くても、コンピュータの上では別の文字列として扱われることがある。Unicodeの規格書(Unicode Standard Annex #15)は、互換性のある文字どうしの違いをならす「正規化形式KC」(NFKC)を説明している。幅の違い(width variants)は、その対象に含まれる互換性の違いの1つとして挙がっている(確認した版は、バージョン18.0.0・2026年8月12日付)。ただし、ClarityがこうしたNFKCの処理をしているかどうかは、公式の記事には書かれていない。全角と半角は、別々の用語として登録しておくと確実だが、それが必要かどうかは確かめられていない。
04 型別 — 適用範囲・この記事が確認していないこと・手順
A. この記事が当てはまる範囲
対象は、自社のサイトを持ち、社名や商品名の書き方が複数ある会社である。ClarityのAI Visibilityを使っている、または使うことを考えている担当者には、そのまま登録の準備になる。使っていない場合も、名前の洗い出しと1枚の表は、Googleのサイト名・組織名・ビジネスプロフィールを整えるときに役立つ。社名と商品名が1通りしかない小さな事業では、表は数行で済む。名前が増えたとき(合併・改名・新商品)に、この作業をやり直すとよい。
B. この記事が確認していないこと
次の点は、この記事の範囲外である。第一に、ブランド用語を登録すると、AIでの引用や見え方が良くなるかどうかは確かめていない。第二に、当サイトでは、ClarityのAI Visibilityの設定画面の中身を見ていないため、当サイトの設定や数字は書いていない。第三に、登録した用語が、完全一致で照合されるのか、一部が含まれていれば足りるのかは、公式に書かれていないため確かめていない。第四に、登録した後に過去のデータの分類が変わるかどうかも確かめていない。
注意
公式の記事は設定の追加・編集・削除ができると書いているが、画面の見え方、登録できる数、日本語の用語の扱いは、利用中のアカウントによって違うかもしれない。実際の画面を開いて、登録の前後で何が変わるかを確かめてほしい。この記事の表は、登録の準備であって、登録した結果を保証するものではない。
C. 手順の全体像 — 5つの順番で進める
手順は5つに分ける。1つ目は、名前を集めること。2つ目は、集めた名前を5つの種類に分けること。3つ目は、ブランド名ごとのグループにまとめること。4つ目は、登録する用語と、見送る用語を、1行ずつ決めること。5つ目は、登録した後に結果を見て、3か月後に表を見直すことである。1つ目から3つ目までは、Clarityの画面を開かなくても、会社の資料と検索のクエリ表だけで進められる。
なぜ、名前を5つの種類に分けるのか
Clarityの公式ブログが挙げた「略称、別の綴り、地域や言語ごとの名前、翻訳、よくある誤字」を、そのまま洗い出しの観点に使うと、見つけた名前を後から数えやすくなる。この記事では、実務で使いやすいように、正式名称、略称・通称、別の綴り・表記、翻訳・英字、誤字・誤変換の5つに分けた。公式の分類そのものではなく、この記事の組み立てである。
種類ごとに、足りない名前の出どころが違う
正式名称は、登記簿や契約書を見れば足りる。略称・通称は、社内の会話や営業資料に出てくる。別の綴りは、サイト内の書き方の違いから見つかる。翻訳・英字は、英語のあいさつ文や海外向けの資料に出てくる。誤字・誤変換は、検索のクエリ表や問い合わせの宛名に出てくる。出どころが違うので、1か所だけを見て「全部集めた」と思うと、必ず抜ける。
05 明日、自社サイトで確認できることチェックリスト
まず14項目を通して見る
以下は、明日、会社の資料とブラウザだけで、名前のゆれを洗い出して1枚の表にし、登録内容と照らすまでの項目である。チェックの状態はブラウザに保存され、サーバーには送信されない。1〜6番目が名前を集める作業、7〜9番目が検索やサイト内で拾う作業、10〜12番目が表にまとめる作業、13番目が登録内容と照らす作業、14番目が見直しの予定である。
実務のヒント
Search Consoleのクエリ表で名前の書き方を拾うとき、「次を含む」の絞り込みを使うと、社名の一部を含む検索語だけを並べられる。公式のヘルプは、この絞り込みが大文字と小文字を区別せず、スペースを含めて厳密に適用されると説明している。画面の使い方に迷ったら、当サイトの🔧 Search Consoleお助けツールの解説を併せて開くとよい。
- 会社概要のページを開き、自社の正式名称が書かれた箇所を上から3つ書き出して、書き方が同じか確認する
- 登記簿の写しか契約書を1つ手元に出し、書かれた正式名称を、サイトの表記と1文字ずつ照らして確認する
- 名刺・請求書・メールの署名から、社名の書き方を3種類まで書き出す
- 主力の商品名かサービス名を3つ選び、社内で呼ばれている略称や通称を1つずつ書き出す
- 選んだ3つについて、英字・カタカナ・ひらがな・ローマ字の別の書き方を1つずつ書き出す
- 旧社名・旧商品名・統合前の名前があれば、すべて書き出す
- Search Consoleのパフォーマンスレポートで、検索のクエリ表を、社名の一部を「次を含む」で絞り込み、上位10件の書き方を控える
- 7番目の10件のうち、綴りや変換のまちがいと思える検索語を数えて、あれば全部控える
- サイト内検索で、社名の書き方を3通り検索し、書き方ごとのヒットしたページ数を控える
- 集めた名前を「正式名称・略称・別の綴り・翻訳や英字・誤字」の5種類に分け、1行1用語の表にまとめる
- アルファベット2〜3文字の短い略称に印を付け、他の意味と重ならないかを調べて、登録する・見送るを1行ずつ決める
- ブランド名のグループを3つまで決め、表の各行をどれかのグループに割り当てる
- Clarityを使っている場合は、設定のAI Visibilityを開き、初めから入っている用語を10個まで書き出して、表と照らす(使っていない場合は、この項目を飛ばして次へ進む)
- 3か月後の日付で、表と登録内容の見直しの予定を、カレンダーに1件入れる
観点別の内訳と、かかる時間
| 観点 | 該当する項目 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 資料から名前を集める | 1〜6番目(6項目) | 25〜30分 |
| 検索やサイト内で拾う | 7〜9番目(3項目) | 15分 |
| 1枚の表にまとめる | 10〜12番目(3項目) | 20分 |
| 登録内容と照らす | 13番目(1項目) | 5〜10分 |
| 見直しの予定を入れる | 14番目(1項目) | 2分 |
すべてに目を通す時間の目安は、あわせて1時間10分ほどである(筆者の見積もりで、会社の資料の量によって変わる)。1つの項目が5分を超えそうなら、対象を減らしてよい。「商品名を3つ」を「1つ」にしても、洗い出しの意味は残る。
5分で終わらない項目があったとき
クエリ表の件数が少ない、サイト内検索が使えない、という場合は、見つかった範囲だけで表に書き、「確認できたのは◯件」と書き残す。件数を完全にそろえることが目的ではなく、どの種類の名前が抜けているかを見つけることが目的である。表の行数が少なくても、登録の作業には進める。
06 代替・他の選択肢(表で)
名前を見つける手段は、1つではない
05章では、会社の資料とSearch Consoleのクエリ表を中心にした。ただ、同じ「名前のゆれを見つける」でも、手段によって見えるものが違う。ここでは、手段ごとに向いていることと、その手段だけでは分からないことを表にまとめる。特定の製品の優劣ではなく、種類ごとの整理である。
それぞれの手段が「できないこと」も知っておく
| 手段 | 向いていること | 使い方 | この手段だけでは分からないこと |
|---|---|---|---|
| 会社の資料 | 正式名称・旧名称を確かめる | 登記簿の写し、契約書、名刺、請求書から名前を書き出す。 | お客様や取引先が実際にどう呼んでいるかは、資料に載らない |
| Search Consoleのクエリ表 | 検索で実際に打たれた書き方を知る | パフォーマンスレポートのクエリ表を、社名の一部で絞り込んで並べる。 | AIの質問の書き方や、検索の結果に表示されなかった語は出てこない |
| サイト内検索 | 自サイトの中の書き方の違いを数える | 社名や商品名の書き方を変えて検索し、ヒット数を控える。 | 検索の仕組みが表記の違いを同じ語として扱うかで、件数が変わる |
| 営業・問い合わせの担当者への聞き取り | 現場で呼ばれる略称や誤字を拾う | よく聞く呼び方と、よくある間違いを3つずつ挙げてもらう。 | 記憶に頼るため、頻度や時期は分からない |
| AIに候補を挙げさせる | 思いつかない書き方の候補を増やす | 社名を伝えて、略称や別の綴りの候補を挙げさせる。 | 実在しない呼び名が混ざることがある。実際に使われているかは人が確かめる必要がある |
いちばん確実なのは、会社の資料と、検索で実際に打たれた書き方の両方を見ることである。資料だけでは正式な名前しか分からず、クエリ表だけでは、まだ検索されていない呼び名が見えない。サイト内の表記の状態を、まとめて見たいときは、当サイトの🔧 WEBサイト総合分析・レポートツールで、公開済みページの状態を確かめる手もある。
AI由来の訪問や質問は、ツールごとに見えるものが違う
AIがらみの数字を、どのツールで見るかの整理である。公式の説明で確かめた範囲だけを書いた。
| ツール | 見られること | 見られないこと |
|---|---|---|
| Clarity AI Visibility | 引用されたページ、引用につながった検索語、AIアシスタントがもたらした訪問 | 検索順位・表示回数・クリック率は測らない(公式の注記) |
| Googleアナリティクス4 | 「AIアシスタント」チャネルで、ChatGPT・Gemini・Copilotなどから来た訪問 | GoogleのAIによる概要とAIモードは除かれる。AIの回答内の引用は、公式に書かれていない |
| Search Console | AIによる概要・AIモードに出た分も、検索タイプ「ウェブ」に含まれる | その分だけを分ける方法は、確認した範囲で書かれていない |
表を作る人と、登録する人が別のとき
名前を知っているのは営業や広報の担当者で、Clarityの設定を触るのは、サイトの運営担当者、ということがある。この場合は、表の「見つけた場所」と「登録」の列が、担当者どうしの引き継ぎの材料になる。見つけた場所が書いてあれば、運営担当者は、その用語を登録してよいかを、元の資料を開いて確かめられる。
登録の「しすぎ」を防ぐ書き方
表の最後の列を「登録する」「見送る」の2択にしておくと、見送った理由を残しやすい。理由は、「他の意味と重なる」「今は使われていない」「商品の通称ではなく社内の隠語」のように、短い言葉で足りる。見送った用語は、消さずに表に残しておく。
07 当サイトで数えてみた結果
数えた範囲と方法
当サイトでも、名前のゆれを実際に数えてみた。対象は、2026年10月1日に、公開されているサイト(本番)のサイトマップに載っていた解説記事111本の本文である。各記事の本文から「次に読むなら」の欄の終わりまでを数えた。HTMLのタグを取り除いた文字列で、記事に頻繁に出てくる名前を、書き方ごとに数えた。数えたのは「その書き方が出てくる記事の数」で、引用や、他の記事へのリンクのタイトルの中の文字列も含む。社名や商品名ではなく、記事で扱う機能やサービスの名前であることに注意してほしい。
結果は、「AI Mode」と「Search Console」で書き方が混ざっていた
| 名前 | 書き方 | 出てくる記事数 |
|---|---|---|
| AI Mode | 英字の「AI Mode」だけ | 17本 |
| AI Mode | カタカナの「AIモード」だけ | 2本 |
| AI Mode | 同じ記事に両方 | 8本 |
| Search Console | 「Search Console」が出る記事 | 102本 |
| Search Console | 「Google Search Console」が出る記事 | 50本(うち49本は、Googleを付けない書き方も同じ記事に出る) |
| ビジネスプロフィール | 「Googleビジネスプロフィール」が出る記事 | 8本(うち5本は、Googleを付けない書き方も出る) |
| ウェブサイト | 「ウェブサイト」「Webサイト」「WEBサイト」の3通り | 30本・5本・86本(2通り以上が出る記事は29本) |
| Clarity | 「Clarity」「Microsoft Clarity」「クラリティ」のどれも | 0本 |
「AI Mode」は、書き方が出る記事が全部で27本あり、そのうち8本で、英字とカタカナが同じ記事の中に混ざっていた。「Search Console」は、Googleを付ける書き方と付けない書き方が、同じ記事の中に混ざっているものが49本あった。どの名前も、意図した使い分けかどうかは、確かめていない。ただ、AIに今の記事を読ませて続きを書かせれば、混ざった書き方は、そのまま混ざって出てくることがありうる。
「ウェブサイト」の数は、そのまま読んではいけない
「WEBサイト」が86本と多く出ているのは、記事の下に載せている無料ツールの名前(「WEBサイト総合分析・レポートツール」など)に、この書き方が含まれているからである。当サイトのツール名と、地の文の書き方は、別のものとして数え直す必要がある。今回の数え方では、この2つを分けていない。数えた件数をそのまま「ゆれ」と読むと、固有名詞の中の書き方まで数えてしまう。
Clarityは、当サイトの記事では1本も扱っていない
当サイトは、Clarityをサイトに入れている(プライバシーポリシーにも記載している)。ただし、公開している解説記事111本には、Clarityという言葉は1回も出てこなかった。そのため、この記事で扱う「ブランド用語の登録」を、当サイトのClarityでどう設定するかは、まだ決めていない。設定画面の中身を見ていないので、当サイトの用語の数や、初期の一覧に何が入っているかは、書かない。
この数え方の限界
今回数えたのは、記事の本文だけである。サイトの外で使われている名前(検索のクエリ、他のサイトでの紹介、SNSの書き方)は数えていない。「揃っていた」も「ゆれていた」も、数えた範囲の中でしか言えない。
08 このテーマの、これまで
Clarityの公式ブログで、AI Visibilityが追加されてきた順
Clarityの公式ブログの一覧を見ると、AI Visibilityに関する更新が、2026年7月から続いている。7月22日には、AIが参照した検索語を話題ごとにまとめる更新があった(Analyze AI Citation Queries by Topic(訳: AIの引用につながった検索語を話題別に分析する)(Microsoft Clarity公式ブログ・2026年7月22日))。8月3日に、ブランドに関する検索語とそうでない検索語の分類が加わり、9月29日に、その分類で使う用語を自分で設定できるようになった。公式の更新は短い間隔で続いているので、画面の見え方は、この記事を読む時点で変わっているかもしれない。
公式ガイダンスの更新の跡
ここまでに引用したGoogleの文書は、日本語版に表示された最終更新日が、サイト名の解説が2026年2月20日、組織の構造化データが2026年9月12日である。ビジネス名のガイドラインには、最終更新日の表示がなかった。名前まわりの文書は、数か月のうちに書き換わることがある。
当サイトの過去の記事 — 名前の書き方を整える話
名前の書き方をそろえる話は、当サイトの記事でも扱ってきた。AIに原稿を書かせる前に、社名・商品名・用語のゆれを数えて1枚の表にする手順は、別の記事にまとめてある(曖昧な指示は、AIに渡すと大量に繰り返されうる ── 書かせる前に社名・商品名・用語のゆれを確認する13項目(2026年9月時点))。この記事は、同じ「名前の洗い出し」を、測定ツールに登録する前の準備として使う場面を扱っている。表の作り方の説明は繰り返さない。
AIに自社名で尋ねて、回答の根拠を確かめる手順は、こちらの記事にある(米国のAI利用者の57.5%が「AIの情報で購入をやめた」と答えた ── 自社名と商品名でAIに尋ね、回答の根拠を確かめる13項目(2026年9月時点))。Googleの側で、生成AIの表示を確認するレポートについては、別の記事がある(生成AIパフォーマンスレポートが全世界に届いた。それでも「空」の理由は2つ残っている ── 自分のサイトで確認する13項目(2026年9月時点))。Clarityの更新とは別の機能なので、混ぜずに読んでほしい。
数え方についての、これまでの記録
当サイトは、数え方そのものについても記録してきた。1本だけ書き方が違うと言われて数え直したら、標準だったのはその1本のほうだった、という記録(「1本だけ書き方が違う」と指摘された ── 91本で数え直したら、標準だったのはその1本のほうだった)。「0件」と書いても、探した数を書いていなければ、何を探して0だったのかが分からない、という記録(「0件」に、探した数を書いていなかった ── 9種類で確かめた5日後、73種類で確かめ直した)。同じ記事が2本ないかを、書き方を変えて数えた記録もある(「自分のサイトに、同じ記事が2本ないか」を5分で確かめる ── タイトルで探すと45組、元記事で探すと139組。3倍 違った)。数える範囲と書き方を変えると、答えが変わるという点は、ブランド用語を洗い出すときにも当てはまる。
数字は確認した時点のものとして扱う
この記事で引用した公式の文言と日付は、2026年9月29日から10月1日にかけて確認したものである。Clarityの設定画面や、公式ブログの内容は、その後に修正・追記されている可能性がある。基準日を書かない数字は、時間が経つほど誤りに近づく。使うときは、必要に応じて公式ページを直接開き、最新の記載を確かめてほしい。
現在の貴方のIPアドレス
このサイトで書いている人
WEBサイト