米国のAI利用者の57.5%が「AIの情報で購入をやめた」と答えた ── 自社名と商品名でAIに尋ね、回答の根拠を確かめる13項目(2026年9月時点)
米国のAI利用者の57.5%が「AIの情報で購入をやめた」と答えた ── 自社名と商品名でAIに尋ね、回答の根拠を確かめる13項目(2026年9月時点)
目次
01 何が起きたか/いま最新版は何か
2026年9月、AIチャットボットが購入を思いとどまらせている、という調査が出た
2026年9月7日、マーケティング分析のSemrushが、ブログ記事「AI chatbots talked 57.5% of AI users out of buying」(訳: AIチャットボットは、AI利用者の57.5%に購入をやめさせた)を公開した。米国の成人2,338人にAIの使い方を尋ねた調査の結果で、調査は2026年7月に行われたと書かれている。中心になる1文は次のとおりだ。
"57.5% of AI users have decided not to buy something based on information provided by an AI chatbot."
(訳: AI利用者の57.5%が、AIチャットボットが示した情報を理由に、何かの購入をやめたことがある。)
マーケティング専門メディアのMarTechも、この調査を9月18日に記事にしている(9月24日更新)。題名は「AI is telling consumers not to buy your product」(訳: AIは消費者に、あなたの商品を買わないよう伝えている)。「AIに名前を挙げてもらう」話ではなく、「AIが、買う直前の人に何を言うか」の話だ。
同じ調査に、57.5%と80.93%が並んでいる。数えた相手が違う
MarTechの記事には「約81%」という数字が出てくる。Semrushの原文を開くと、この数字は次の文にあたる。
"When you filter further to only include the consumers who named AI chatbots as one of the sources they use when making a purchase online, 80.93% of people have decided against a purchase on the basis of AI guidance. 42.81% have done so multiple times."
(訳: さらに、オンラインで購入するときの情報源の1つとしてAIチャットボットを挙げた消費者だけに絞ると、80.93%が、AIの案内を理由に購入をやめたことがある。42.81%は、それを複数回経験している。)
57.5%は「AI利用者」(頻度を問わずAIを使う回答者)が母数で、80.93%は、その中の「購入の情報源としてAIチャットボットを挙げた人」に絞った母数だ。2つの数字は矛盾していない。数えた相手が違う。見出しや要約で数字だけが独り歩きすると、この違いが消える。次の表に、記事に出てくる主な数字と、それぞれの母数を並べた。
| 数字 | 誰のうちの何%か(母数) | 何についての数字か |
|---|---|---|
| 57.5% | AI利用者(頻度を問わずAIを使う回答者) | AIチャットボットの情報を理由に、何かの購入をやめたことがある |
| 80.93% | オンライン購入の情報源としてAIチャットボットを挙げた回答者 | AIの案内を理由に購入をやめたことがある(複数回は42.81%) |
| 69.7% | AIを週1回以上使う回答者 | AIの助言を理由に購入をやめたことがある |
| 74.15% | 全回答者 | チャットボットが賛否の混じった口コミや否定的な口コミを示したら、購入の可能性が少なくとも多少は下がる |
| 85.31% | 現在のAI利用者 | 否定的な口コミをチャットボットが示したら、購入を考え直す |
| 66.05% | チャットボットの広告を嫌う回答者(全回答者の41.63%) | 広告が、AIの回答の信頼性への疑いを招く |
この調査の読み方には、先に押さえる限界がある
調査の方法欄には、次の説明がある。
"We surveyed 2,338 adults in the US in July 2026. The margin of error is plus or minus 2 percentage points at a 95% confidence level for full-sample statistics; filtered segments carry wider margins."
(訳: 2026年7月に、米国の成人2,338人に調査した。全回答者を対象にした数字の誤差は、信頼水準95%で上下2ポイント。絞り込んだ集団の数字は、誤差がそれより広くなる。)
ここから読み取れる限界は3つある。1つ目は、米国の調査であり、日本の消費者に当てはまるかは、記事からは分からないこと。2つ目は、上下2ポイントの誤差が付くのは全回答者の数字だけで、80.93%のような絞り込んだ数字は、誤差がもっと広いこと。3つ目は、「購入をやめた」は回答者本人の申告であり、記事の文面の範囲では、その情報が正しかったか誤っていたかは分けられていないことだ。
注意
Semrushの記事は、後半で、同社のAI可視性を測る製品を案内している。MarTechはSemrushが所有している、との記載もある。数字は、こうした立場の発信元が公表したものとして読み、自社では本記事の手順で確かめる。
出典
本記事の引用文と数字は、2026年9月30日に、Semrushの記事の原文、MarTechの記事、Googleの公式ヘルプ、OpenAIのヘルプ、消費者庁のページを開いて確認したものです。日本語訳は筆者によるもので、公式の訳ではありません。
02 なぜ・背景
AIは「探す」相手であると同時に、「確かめる」相手になっている
調査には、購入前の調べ方についての数字がある。全回答者の47.54%が、購入の前に、企業や販売者の情報をAIチャットボットで調べることが、少なくとも時々あると答えた。AIを使わない人を除いた母数では、この数字は65.42%になる。
会社をAIで調べたことがある人のうち、48.97%は直近1週間以内に、さらに20.3%は直近2週間以内に調べている。母数によって47.54%にも65.42%にもなる数字なので、引用するときは、どちらの母数かを添える。AIが質問を検索に変える前に、どのブランド名を思い浮かべるか、という別の切り口はChatGPTは検索する前にブランドを決めている? 名指しされるかどうかで引用率が33倍変わる仕組みを確認する(2026年8月時点)で扱っている。本記事は、買う直前に何と言われるかに絞る。
地域の事業者も、調べられる側になる
記事は、地域の店や会社も対象になると書いている。企業や販売者の調査にAIを使う人のうち、87.41%が、地域の事業者に依頼する前に、AIに少なくとも時々相談すると答えた。31.48%は「必ず相談する」と答えている。
ただし、これも企業や販売者の調査にAIを使う人に絞った母数だ。
否定的な口コミをAIが示すと、購入を考え直す人が多い
口コミについては、全回答者の74.15%が、チャットボットが賛否の混じった口コミや否定的な口コミを示したら、購入の可能性が少なくとも多少は下がると答えた。現在のAI利用者では、この数字が85.31%になる。
ここで大事なのは、AIが口コミを「作っている」のではなく、どこかに書かれた口コミを拾って示しているという点だ。回答が引いているページを見ないと、直す場所は分からない。
広告で解決する話ではない、と調査は書いている
調査は、チャットボットの広告についても聞いている。広告を見たことがある人は全回答者の42.22%で、広告を嫌う人は41.63%、中立が38.09%、好きな人は20.28%だった。広告を嫌う人のうち、66.05%が「広告が、AIの回答の信頼性への疑いを招く」と答えている。Semrushの記事は、ここから「広告より、広告でない言及を優先すべきだ」と結論するが、これは発信元の解釈だ。
日本の消費者にそのまま当てはめない理由
調査は米国の成人が対象で、日本の数字は含まれていない。記事は、ChatGPTの広告が米国で2月から動いていると書くが、日本での提供状況は分からない。数字は「この現象が起きうる」という材料として読み、自社の数字は、自分で尋ねて確かめるのが、この記事の立場だ。
実務のヒント
数字を社内で共有するときは、「米国の成人2,338人、2026年7月、AI利用者のうち57.5%」まで1行で書く。母数と時点が抜けた数字は、次に読む人が別の意味に取りやすい。過去の記事でも、他人が測った数字を自社に当てはめる前に確かめる3点を「+28%」と「+9%」は、同じ調査の、同じプラットフォームの数字だった ── 他人が測った数字を自分のサイトに当てはめる前に確かめる3点にまとめている。
03 この記事に出てくる用語
「AI利用者」と「常用者」は、調査の中で定義が決まっている
調査の方法欄は、回答者の呼び方を次のように決めている。
- 消費者(Consumers):調査の回答者全員
- AI利用者(AI users):頻度を問わず、AIを使うと答えた回答者
- 常用者(Regular AI users):少なくとも週1回、AIを使うと答えた回答者
- パワーユーザー(AI power users):週に複数回、AIを使うと答えた回答者
方法欄は、絞り込み方で、数字ごとに母数が変わるとも書いている。「%」は、この4つのどの母数かを確かめてから読む。
用語
「購入回避」:本記事では、回答者が「AIチャットボットの情報を理由に、購入をやめたことがある」と答えたことを指す。実際の購入データではなく、本人の申告にもとづく。
GEO(生成AI向けの最適化)は、発信元によって言い方が違う
Semrushの記事は、対策として「GEO」(Generative Engine Optimization、訳: 生成AI向けの最適化)を挙げている。AIの回答に自社が出るように整える取り組みを指す言葉として使われている。一方、Googleの公式ヘルプは、AI OverviewsとAI Modeに表示されるための追加の要件や、特別な最適化は必要ない、と書いている。
Semrushは対策を勧める側、Googleは自社の検索の仕組みを説明する側だ。どちらか一方だけを、正解として写さない。本記事の手順は、特別な施策ではなく、「AIが何と答えるかを読み、根拠のページの事実を正す」確認の作業に絞っている。
「根拠のページ」は、回答が引いているページのこと
AIチャットボットは、ウェブを検索して回答を作るとき、引用元へのリンクを付けることがある。OpenAIのヘルプは、ChatGPTの回答に「引用が含まれることがある」と説明している。本記事では、この引用元のページを「根拠のページ」と呼ぶ。引用が付かない回答は、「根拠は表示されなかった」と記録する。
04 型別に見る、確認すべき範囲と手順
適用範囲 ── どんな事業者が対象になりうるか
自社の社名や商品名を、AIチャットボットに入力して答えてもらう。次のどれかに当てはまる事業者は、対象になりうる。
- 社名や商品名で、検索する人がいる:AIにも、指名で尋ねられうる
- 口コミや比較記事が、自社の外に存在する:ビジネスプロフィール、比較サイト、SNS、ニュースなど
- 店舗や事務所を持ち、地域で選ばれる:調査の数字では、地域の事業者に依頼する前に、AIに相談する人が多い
対象になりにくいケースと、この記事が測っていないこと
社名や商品名の検索が、ほぼ存在しない立ち上げ直後のサイトは、AIに尋ねても、何も出ないことが多い。「何も出ない」も、記録に残す。半年後に尋ね直したとき、変化の基準になる。本記事には、確かめていない範囲がある。
- 日本の消費者の行動:調査は米国の成人が対象で、日本の数字は記事に含まれていない
- 購入をやめた理由になったAIの情報が、正しかったのか誤っていたのか:記事の文面の範囲では、分けて数えられていない
- 各AIサービスが、回答を訂正するための窓口を持っているか:本記事では確かめていない
手順1 ── 質問を5つ決め、条件を書き添える
まず、自社について、購入の前の人が入力しそうな質問を5つ決める。たとえば、次の型だ。
- 「〇〇(社名)は信頼できるか」
- 「〇〇(商品名)は買うべきか」
- 「〇〇(商品名)のデメリットは何か」
- 「〇〇(社名)と△△(競合の名前)の違いは何か」
- 「〇〇(社名)の所在地・営業時間・問い合わせ先を教えて」
質問と一緒に、条件も書き残す。OpenAIのヘルプには、ChatGPTの回答が、条件によって変わりうることを示す説明がある。
"If memory is enabled, ChatGPT may use relevant saved memories when rewriting a search query."
(訳: メモリが有効な場合、ChatGPTは、検索用の質問を書き直すときに、関連する保存済みのメモリを使うことがある。)
同じヘルプは、IPアドレスから割り出したおおまかな位置情報が、地域に関する結果のために使われることがあるとも説明している。つまり、誰の、どの環境で尋ねたかによって、回答は変わりうる。日付、サービス名、ログインの有無、メモリの設定、質問の文をそのまま、1行ずつ書き残しておく。
手順2 ── 回答を、日付つきでそのまま保存する
回答は、要約せず、文をそのまま保存する。画面のスクリーンショットと、文章の書き写しの両方を残すと、あとで見返しやすい。OpenAIのヘルプは、回答の扱いについて、次のように注意している。
"Search results and citations can be incomplete, outdated, or incorrect. Open a cited source to check that it supports the answer, review when it was published or updated, and use an authoritative source when accuracy matters."
(訳: 検索結果と引用は、不完全だったり、古かったり、誤っていたりすることがある。引用元を開いて、それが回答を裏づけているかを確かめ、いつ公開・更新されたかを見て、正確さが大事なときは、信頼できる情報源を使うこと。)
回答を保存するときは、引用元のリンクも一緒に書き写す。リンクが表示されなかった場合は、その旨を記録する。
手順3 ── 回答の中の文を、3つに分ける
保存した回答を、1文ずつ読み、次の3種類に分ける。分ける理由は、直し方が種類ごとに違うからだ。
- 事実の誤り:住所、営業時間、料金など、確かめれば正誤が決まる内容
- 古い情報:以前は正しかったが、いまは変わっている内容(移転、値上げなど)
- 評価・意見:「おすすめできない」「対応が遅い」のような、書いた人の判断や感想
「評価・意見」は、正誤で決められない。誤りだと決めつけて動くと、手順5で、してはいけないことに近づく。評価に見える文は、まず「誰の評価か」を根拠のページで確かめる。
手順4 ── 根拠のページを開いて、書き手と日付を見る
回答に引用元のリンクが付いていたら、1本ずつ開く。見るのは、次の4点だ。
- どのサイトか:自社のページか、口コミサイトか、比較記事か
- いつ書かれたか:公開日と更新日
- 誰が書いたか:企業か、個人か、匿名の投稿か
- 回答の文と一致しているか:ページの内容を正しく写しているか
ただし、回答が根拠のページを正しく写していない場合もありうる。その割合は、この記事の範囲では分からない。分かっているのは、OpenAIのヘルプが「引用は、不完全なことがある」と認めている点までだ。
実務のヒント
根拠のページが自社のページなら、直せる。社名・住所・料金・営業時間がページごとに違うと、古い方が拾われることがありうる。表記を揃える前に、リンク切れがないかを調べたいときは、当サイトの無料ツール 🔧 リンク漏れ・チェックツール が使える。
手順5 ── 直せる場所と、直せない場所を分ける
3つに分けた文と、根拠のページの種類を並べると、動く先が決まる。
- 自社サイトの誤りや古さ:自分で直せる。直した日付をページに残す
- Googleのビジネスプロフィール:管理者として情報を編集できる。事業名は、実際の看板などと同じ形で入力する、とヘルプは説明している
- 第三者が書いた口コミ:返信はできるが、消せるとは限らない。方針に違反する投稿だけを、報告できる
- 評価・意見の文:投稿者の判断なので、直すのではなく、返信や実際の対応の改善で応える
Googleのビジネスプロフィールのヘルプは、口コミへの返信について、次のように書いている。
"If you believe that a review violates Google's content policies, you can flag it."
(訳: 口コミがGoogleのコンテンツポリシーに違反していると思うなら、報告できる。)
同じヘルプによれば、返信するには、事業の確認(オーナー確認)が済んでいる必要がある。返信は公開され、口コミを書いた人にも通知される。
注意
口コミの依頼そのものは、禁止されていない。Googleのポリシーには、次の許可の文がある。
"We do allow merchants to: Solicit or encourage the posting of content that does represent a genuine experience, without offering incentives to do so or attempting to influence the rating or the contents of the review."
(訳: 事業者に認められているのは、実際の体験を表す投稿を、見返りを出さず、評価や口コミの内容に影響を与えようとせずに、依頼したり促したりすること。)
禁止されているのは、次のような依頼の仕方だ。金品・割引・無料の商品やサービスなどの見返りを出すこと。好意的な口コミだけを、顧客を選んで頼むこと。店内で評価や投稿を求めたり、圧力をかけたりすること。特定の内容を含めるよう頼むこと。従業員に、集める件数や内容を求めること。
日本でも、広告であることを隠す表示は、2023年10月1日から景品表示法違反として扱われている。AIの回答を良くする目的でも、偽の口コミは作らない。
手順6 ── 自社サイトの基本情報を、1か所に揃える
基本情報の準備は、特別なものではない。社名、所在地、営業時間、連絡先、提供するサービスの範囲を、公式サイトの1つのページに、決まった書き方で載せる。ページごとに「株式会社〇〇」「(株)〇〇」「〇〇社」と揺れていると、どれが正式か、外から分からなくなる。
Googleは、組織の基本情報を構造化データで伝える方法を案内している。
"Adding organization structured data to your home page can help Google better understand your organization's administrative details and disambiguate your organization in search results."
(訳: トップページに組織の構造化データを追加すると、Googleが、その組織の運営上の詳細をつかみやすくなり、検索結果で、ほかの組織と区別しやすくなる。)
同じページには、必須の項目はなく、関連するものをできるだけ多く足すことを勧める、という趣旨の説明がある。一方で、GoogleのAI機能のヘルプは、AIに表示されるために足すべき特別な構造化データは無いと明言している。つまり、構造化データは「AIに好かれる仕掛け」ではなく、基本情報を機械に読みやすく伝える書き方だ。当サイトの無料ツール 🔧 構造化データ自動作成ツール で、たたきになる記述を作れる。
もう1点。Googleの口コミの構造化データの案内は、ローカルビジネスなどの型を、他の事業者についての口コミを集めるサイトに限っている。自社の評判を上げる目的で、自分の口コミを自分のサイトに並べる作業は、確認の代わりにならない。
手順7 ── AIの巡回を止めていないか、確認する
自社のページを、AIが読める状態にしておく。OpenAIの資料は、ChatGPTの検索用の巡回プログラム(OAI-SearchBot)について、次のように説明している。
"Sites that are opted out of OAI-SearchBot will not be shown in ChatGPT search answers, though can still appear as navigational links."
(訳: OAI-SearchBotを拒否したサイトは、ChatGPTの検索の回答には表示されないが、案内用のリンクとしては、なお表示されることがある。)
同じ資料には、利用者の操作で動くChatGPT-Userについて、robots.txtのルールが適用されないことがある、という趣旨の説明がある。種類ごとの扱いはAIクローラーは1つではない ── robots.txt・llms.txtで「通す」「止める」を切り分ける(2026年9月時点)を参照してほしい。
自社のrobots.txtを開き、AI関連の巡回を、意図せず止める指定が入っていないかを、1度読んでおく。止める判断そのものは、事業ごとの方針で決める。ここでの確認は、「知らないうちに止まっていた」を防ぐためのものだ。
手順8 ── 月に1回、同じ質問で尋ね直す
1回の確認では、変化が分からない。月に1回、同じ質問を同じ条件で尋ね直し、前回の記録と並べる。Googleの公式ヘルプは、AI ModeとAI Overviewsが異なるモデルや手法を使うことがあり、表示される回答とリンクは変わる、と説明している。
回答が毎回違うことがありうるので、質問ごとに、複数のサービスで尋ね、変わった点と変わらない点を分けて書く。Semrushの記事も、対策として、自社について何と言うかを知る、情報源の穴を直す、AIの推薦に占める割合を追う、の3つを挙げている。これは発信元の主張で、割合を追う具体的な方法は、記事の範囲では示されていない。
05 明日確認できるチェックリスト
チェックリストの狙い
以下は、01章から04章の内容を、実際に手を動かして確かめる13項目だ。Googleビジネスプロフィールを使っていない場合は、その項目を飛ばしてよい。チェックの状態はブラウザ内にのみ保存され、サーバーには送信されない。
- 自社の社名で、購入前の人が入力しそうな質問を5つ書き出す(信頼できるか・デメリット・競合との違い・所在地などを含める)
- 記録表の先頭行に、確認する日付、AIサービスの名前、ログインの有無、メモリの設定の4つを書く
- 1つ目のAIチャットボットに、5つの質問を1問ずつ入力し、回答の文をそのまま書き写す
- 2つ目のAIチャットボットを1つ選び、同じ5つの質問を入力して、回答の文をそのまま書き写す
- 回答に引用元のリンクが付いていれば全部書き写し、付いていない質問には「根拠は表示されなかった」と書く
- 保存した回答を1文ずつ読み、「事実の誤り」「古い情報」「評価・意見」の3種類に分けて、それぞれの件数を数える
- 事実の誤りと古い情報の文について、自社の公式ページで正しい情報を見つけ、そのURLを文の横に書く
- 引用元のリンクを3本まで開き、公開日・更新日と、書いた主体(企業・個人・匿名)を書き出す
- 引用元に自社のページがあれば、社名・住所・営業時間・料金の書き方が、ほかの自社ページと同じかを2ページ分見比べる
- Googleビジネスプロフィールを開き、事業名・住所・営業時間・電話番号が、公式サイトの記載と一致しているかを確かめる
- Googleビジネスプロフィールの口コミの最新3件を開き、返信していないものに「要返信」と印を付ける
- 自社サイトのrobots.txtを開き、OAI-SearchBot・GPTBot・Googlebotの3つの名前に対する指定を、それぞれ書き出す
- 記録表に、次回の確認日として1か月後の日付を書き、カレンダーに予定として入れる
このリストの使い方
全部を1日で終える必要はない。1〜5番目までを最初の日に済ませ、回答と引用元を残すだけでも、価値がある。7番目で正しい情報のページが社内に見つからなければ、それ自体が直す点の候補だ。所要時間の目安は、1〜5番目で約20分、6〜13番目で約35分だ。
06 代替・他の選択肢の比較
見る方法は、1つでは足りない
AIの回答を確かめる方法は、手で尋ねる以外にもある。方法ごとに、わかることと、わからないことが違う。次の表に並べた。
| 方法 | わかること | わからないこと |
|---|---|---|
| 手でAIに尋ねて記録する | その日・その条件での回答の文と、引用元 | ほかの人やほかの日の回答(変わりうる) |
| Search Consoleのウェブ検索の数字 | Google検索のAI機能を含む、検索での表示の集計(公式ヘルプは、AI機能もウェブ検索の集計に含まれると説明) | 回答の文面と、ほかの会社のAIチャットボットの回答 |
| Googleビジネスプロフィールの口コミ画面 | 自社の口コミと評価、返信の状況 | AIが引いている、ほかのサイトの口コミ |
| サーバーのアクセス記録 | AIの巡回プログラムが、いつ来たかという痕跡 | 回答に、何と書かれたか |
| AIの可視性を測る有料の製品 | 提供元の説明では、大量の質問を継続して監視できる | 本記事は、製品の性能を確かめていない |
表の使い分け方
この表で見てほしいのは、「わからないこと」の列だ。どの方法にも、その方法だけでは見えないものがある。たとえば、Search Consoleの数字は、ChatGPTの回答の文面を示さない。文面を読むには、手で尋ねるのが確実だ。
Googleの公式ヘルプは、AIの機能に表示された場合も、Search Consoleのパフォーマンスレポートの「ウェブ」に含まれて集計されると説明している。AIの数字の見え方は、Search ConsoleのAIパフォーマンスレポート、結局どこまで見えるようになったのか ── 全サイト公開の噂と、インプレッションしか測れない現実を確認する(2026年8月時点)で、別に確かめている。
07 記録表のひな形と、書き方の例
表の列は、5つあれば足りる
04章と05章で集めた内容は、1つの表にまとめておくと、翌月に同じ順で数え直せる。列は次の5つで足りる。
- 質問:入力した文をそのまま書く
- 回答の分類:事実の誤り・古い情報・評価・意見の件数
- 根拠のページ:引用元のURL。なければ、その旨を書く
- 対応:直す・返信する・様子を見る、のどれか
- 次回の確認日:尋ね直す日付
表の先頭には、日付・サービス名・ログインの有無・メモリの設定を、1行で書いておく。
書き方の例(架空)
次の表は、書き方を示すための架空の例だ。実在の会社・商品・回答ではない。
| 質問 | 回答の分類 | 根拠のページ | 対応 | 次回 |
|---|---|---|---|---|
| サンプル商店の営業時間は | 古い情報が1件 | 比較サイトの掲載ページ(更新が2年前) | 公式サイトとプロフィールの時間を揃え、掲載元へ修正を依頼する | 10月末 |
| サンプル商店のデメリットは | 評価・意見が2件 | 口コミサイトの投稿(匿名) | 誤りではないため、実際の対応を見直す。返信できる場所には返信する | 10月末 |
| サンプル商品は買うべきか | 引用元は表示されなかった | 不明 | 様子を見る。「不明」と書いて残す | 10月末 |
3行目のように、「不明」と書くことも、立派な記録になる。空欄だと、「未確認」か「確認したが不明」か、次に見る人が区別できない。
08 このテーマの、これまで
他人が測った数字を、自分に当てはめる前に確かめる、という話
本記事は、米国の調査の数字を自社に当てはめず、確かめる手順だけを取り出した。別の調査の数字を扱った回は「+28%」と「+9%」は、同じ調査の、同じプラットフォームの数字だった ── 他人が測った数字を自分のサイトに当てはめる前に確かめる3点にある。条件がそろっていない数字を並べた失敗は同じ条件で測っていなかった ── robots.txtは「24時間キャッシュ」のはずが、測ったら1日13.9件と152.3件。3サイトの数字を並べる前に確認すべきだったことにまとめている。
「どこを数えたか」を、先に書く話
記録表の先頭に、条件を書く理由は、数えた範囲を書かない「0件」が、誤解のもとになるためだ。探した数を書かずに報告した経験は「0件」に、探した数を書いていなかった ── 9種類で確かめた5日後、73種類で確かめ直したに、1つのログだけを見て全体だと思い込んだ経験はAIは331回来たと書いた。実際は11,024回だった ── HTTPのログだけを52日間 見ていたにある。AIの表示回数を、どの道具でどこまで測れるかはAIに表示された回数を知っているか — GSC・GA4・Bing、3ツール立体計測の正直な現在地に書いた。
口コミや言及を「作らない」という線引きの話
埋めてはいけない穴を埋めなかった判断は埋められる穴と、埋めてはいけない穴 ── Googleが『生成AI回答の操作』をスパムと定義した日、当サイトが埋めなかった93件にある。口コミを、見返りや内容の指定つきで集めない理由も、同じ線引きの延長だ。
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AIが検索の前にブランドを決める、という別の切り口はChatGPTは検索する前にブランドを決めている? 名指しされるかどうかで引用率が33倍変わる仕組みを確認する(2026年8月時点)で、質問が長くなった時代に商品ページが答えられるかはAI検索の質問は長くなった、と言われている ── 商品・サービスページが答えられるか確認する13項目(2026年9月時点)で扱っている。いずれも題名の範囲で関連する記事で、本記事の手順の代わりにはならない。
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