「Googleランキング要因調査2026」のトップ3は、専門家の投票結果だった ── 自社の施策判断に活かす13項目(2026年9月時点)
「Googleランキング要因調査2026」のトップ3は、専門家の投票結果だった ── 自社の施策判断に活かす13項目(2026年9月時点)
目次
01 何が起きたか — 131人のSEO専門家アンケートが「関連性・被リンク・コンテンツの質」をトップ3に挙げた
Zyppyが実施した2026年版「ランキング要因調査」の規模
2026年9月9日、SEOコンサルタントのCyrus Shepard氏とDawn Shepard氏が、「2026 Google Ranking Factors Expert Survey」を公開した。131人のSEO専門家が、103のランキング要因候補を7段階(強いプラス+3から強いマイナス-3まで)で採点し、集まったデータポイントは合計13,665件にのぼる。採点に加えて「最も重要だと思う3要因」を自由回答で選ぶ設問もあり、この自由回答の集計結果が、いま話題になっている順位表の元になっている。
自由回答で選ばれた回数の割合トップ10
「最も重要な3要因」として名前を挙げた回答者の割合は、1位が関連性(Relevance)で57.1%、2位が被リンク(Backlinks)で54.8%、3位がコンテンツの質(Content Quality)で47.6%だった。以下、4位が権威性と信頼(36.5%)、5位がユーザー行動・クリックシグナル(29.4%)、6位がブランドシグナル(27.0%)、7位がユーザーの満足度(19.8%)、8位が技術的SEOの健全性(17.5%)、9位がトピカルオーソリティ(14.3%)、10位が内部リンク・サイト構造(11.1%)と続く。この数字が意味するのは「効果の大きさ」ではなく「131人のうち何割が、この要因を上位3つの1つに選んだか」という、あくまで選ばれた回数の割合である点は、06章で改めて確認する。
調査の測り方 — 103要因を7段階、そのうえで自由回答
今回の調査の測り方は2段構えになっている。まず103の要因候補それぞれを、回答者が「強いプラス(+3)」から「強いマイナス(-3)」までの7段階で採点する。これで103要因×131人ぶんの採点データが集まり、合計すると13,665件のデータポイントになる(103×131=13,493とはやや異なるため、全員が全項目に回答したわけではないと見られる)。この採点とは別に「最も重要だと思う3要因」を自由回答で選ぶ設問があり、01章で紹介した順位表は、この自由回答を集計したものである。「7段階の採点」と「上位3つの選択」は別の設問であり、記事によってどちらの数字を紹介しているかが異なる場合があるため、引用元がどちらの設問結果を指しているかを確認しておく必要がある。
Google公式は、要因の名前も重みも明かしていない
一方でGoogle自身は、この種の一覧を公式には出していない。Googleの公式ドキュメント「How Search Works(訳: 検索の仕組み)」は、次のように述べている。
"Relevancy is determined by hundreds of factors, which could include information such as the user's Location, language, and device (desktop or phone)."
(訳: 関連性は数百の要素によって判定され、その中にはユーザーの位置情報・言語・デバイス(デスクトップか携帯電話か)といった情報が含まれることがある。)
要因の名前も重みも列挙していない点が、この一文の要点である。もう1つの公式ドキュメント、Google検索ランキングシステムに関するガイドも、BERTやニューラルマッチングなど15以上のシステム名を挙げているものの、それぞれの重みや優先順位についての記述は無い。今回話題になっている「トップ3」は、あくまで131人の専門家がそれぞれの経験から選んだ結果であって、Googleが公表した仕様ではない。この違いを混同しないことが、この記事の出発点になる。
02 なぜ・背景 — API漏洩・独禁法裁判・AI検索の台頭を踏まえての実施
調査ページ自身が挙げる、3つの後押し
Zyppyの調査ページは、冒頭でこの調査を実施した理由をこう述べている。「Lots has changed in SEO since Rand Fishkin published the very first Ranking Factor survey in 2005. Since then, we've had the emergence of AI, revelations from API leaks and antitrust trials, and multiple Google algorithm changes.(訳: Rand Fishkinが2005年に最初のランキング要因調査を公開して以来、SEOを取り巻く状況は大きく変わった。AIの台頭、APIの流出や独占禁止法裁判での証言による新事実、そして幾度ものGoogleアルゴリズム変更があった)」。AI・API流出・独占禁止法裁判という3つの出来事が、調査項目を見直す動機として挙げられている。ただしこの記事では、流出文書や裁判記録そのものの中身までは検証していない。調査ページが「これらを踏まえて設計した」と述べている、という事実だけを確認する。
回答者本人が「専門家ではない」と明かした開示
この調査を報じたSearch Engine Roundtableの記事には、興味深い一文がある。執筆者のBarry Schwartz氏自身が回答者の一人だったことを明かした上で、「For disclosure, I did complete the survey but I am not an expert.(訳: 開示しておくと、この調査には回答したが、専門家ではない)」と書いている。131人の回答者全員が同じ水準の専門知識を持っているとは限らない、ということを、報道した本人が示した形になる。
注意
アンケート調査は「回答者の母集団をどう選んだか」によって結果が変わりうる。今回の調査の招待方法や、回答者の専門分野の内訳についての詳細は、公開されているページには示されていない。
2005年から続く「専門家アンケート」という手法
ランキング要因を専門家アンケートで調べる手法自体は、今回が初めてではない。Rand Fishkin氏が2005年に最初の調査を行って以来、この形式の調査はSEO業界で断続的に続けられてきた。08章で、その系譜を確認する。
03 この記事で出てくる用語
用語
専門家アンケート(Expert Survey)—SEOの実務者に、ランキングへの影響が大きいと思う要因を採点・選択してもらう調査手法。回答は専門家の経験と主観に基づくものであり、Googleのアルゴリズムを直接測定した結果ではない。
「ランキング要因」と「ランキングシステム」は別物
この記事で扱う「ランキング要因(Ranking Factor)」は、被リンクや関連性のような、順位に影響するとされる個別の要素を指す。一方でGoogleが公式ドキュメントで説明している「ランキングシステム(Ranking System)」は、BERTやニューラルマッチングのように、Googleが実際に運用している個別のアルゴリズムやモデルの名称である。専門家アンケートが挙げる「要因」は業界側からの分類であり、Googleが公表する「システム」は運営側からの分類という違いがある。両者は関連しているが、同じ一覧ではない。
用語
相関と因果—「上位表示されているページに共通して見られる特徴」(相関)と、「その特徴を持たせれば上位表示される」(因果)は別のことを指す。専門家アンケートは回答者の意見の集計であり、相関分析(上位ページを大量に集めて共通点を数える手法)とも異なる、第3の情報の種類である。
「意見の集計」と「Googleの発表」を、読むときに混同しない
今回のようなアンケート結果を紹介する記事を読むとき、「専門家の◯割がそう答えた」という文と、「Googleが公式にそう発表した」という文は、根拠の重みがまったく違う。この記事では、どちらの種類の情報かを、そのつど明記する。
04 型別 — 適用範囲・この記事が測っていないこと・手順
🅰 適用範囲 — この調査結果が参考になる場面
今回の調査結果が参考になるのは、複数の施策のどこに時間を配分するかを決めたいときである。被リンク構築・コンテンツ制作・技術的な改善のどれから手をつけるか迷っている場合、131人の専門家の意見の分布を知っておくことは、判断材料の1つになる。一方で、「関連性を何%改善すれば順位が何位上がるか」を計算するための数字ではない。この記事のチェックリストは、施策の優先順位を考えるときの参考として使うことを想定している。
🅱 この記事が測っていないこと・分からないこと
この記事は、Zyppyの調査ページと、それを報じた複数の記事を確認して書いている。131人の回答者がどのような基準で選ばれたか、回答の詳しい分布(標準偏差など)、そして103の要因すべての個別スコアは、公開されているページの範囲では確認できなかった。また、この調査結果と実際の検索順位の相関を検証した独自の分析も、この記事では行っていない。分からないことを、分かるふりで埋めない。
🅲 手順 — アンケート系の記事を読むときの確認順序
この種の記事を見かけたときは、まず母集団(誰が何人答えたか)を確認し、次に測り方(何段階の採点か、順位選択かの違い)を確認し、最後に元記事が「意見」と「事実」をどう書き分けているかを確認する、という順序で読むと、数字を鵜呑みにせずに済む。
上位3つに集中しすぎない — 47.6%も、10位の11.1%も、票の1つでしかない
「トップ3」という見出しに引っ張られると、4位以下の要因を軽視してよいと読めてしまうが、01章の一覧が示しているのはあくまで投票の集計順であって、4位以下が無関係という意味ではない。10位の内部リンク・サイト構造(11.1%)も、11.1%の専門家が「最も重要な3つの1つ」に選んだという事実であり、0%ではない。特定の1〜2要因だけに施策を集中させると、他の要因が疎かになるリスクがある。実務では、上位3つを優先順位の目安としつつ、05章のチェックリストで自社の現状を横断的に確認する方が、調査結果を安全に活用できる。
実務のヒント
自社サイトの技術的な状態をまとめて確認したいときは、当サイトの🔧 WEBサイト総合分析・レポートツールで、今回の調査で上位に挙がった「技術的SEOの健全性」に関わる項目を一括で確認できる。
05 明日、自分のサイトで確認できることチェックリスト
以下は、この調査結果を自社の施策に落とし込む前に、ブラウザとSearch Consoleだけで確認できる項目である。チェックの状態はブラウザに保存され、サーバーには送信されない。
- 自社の主要ページ5件を選び、titleタグと見出しに検索クエリと同じ言葉が含まれているか確認する
- 自社の被リンク元ドメインの数を、Search Consoleの「リンク」メニューで確認する
- 直近1年で新しく獲得した被リンクが何件あるか、Search Consoleの「リンク」メニューで確認する
- 公開済みの記事のうち、自社だけが持つ一次データ・独自調査を含む記事が何本あるか数える
- 直近の新規記事が、既存の情報の要約だけで終わっていないか3本サンプリングして確認する
- 会社概要ページ・執筆者ページに、実績や経歴が具体的に書かれているか確認する
- 自社のブランド名の月間検索数を、Search Consoleのクエリ一覧で確認する
- Search Consoleの検索パフォーマンスで、直近3ヶ月のクリック率が過去と比べて上下していないか確認する
- PageSpeed Insightsで主要ページ3件のCore Web Vitalsのスコアを確認する
- 主要ページ5件の内部リンクの本数を数え、関連ページへの導線があるか確認する
- この調査の上位10要因のうち、自社が意識して取り組んでいるものがいくつあるか数える
- 特定の要因1つだけに偏った施策をしていないか、直近3ヶ月の作業記録を見返して確認する
- Google公式の「ランキングシステムの概要」ページを開き、自社が知らなかったシステム名がいくつあるか数える
| 観点 | 該当する項目 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 関連性・コンテンツの質の点検 | 1〜5番目(5項目) | 25分 |
| 権威性・信頼の点検 | 6〜7番目(2項目) | 15分 |
| ユーザー行動・技術面の点検 | 8〜10番目(3項目) | 20分 |
| 自社の施策バランスの棚卸し | 11〜13番目(3項目) | 15分 |
すべてに目を通す時間の目安は1サイトあたり60〜75分程度である。被リンク元の数や検索数のような、Search Consoleにデータが蓄積されている項目は、直近3ヶ月分を見れば足りる。作業の入口として、当サイトの🔧 Google Search Console お助けツールで、Search Consoleの各種指標の見方を先に確認しておくと進めやすい。
06 代替・他の選択肢(表で)
ランキング要因を知る手段は、専門家アンケートだけではない
今回のような専門家アンケートのほかにも、ランキング要因についての情報を得る手段はいくつかある。それぞれ性質が異なり、「何を確かめられて、何を確かめられないか」が違うため、目的に合わせて使い分ける必要がある。
| 手段 | 示すもの | 示さないもの | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| Google公式ドキュメント | Googleが公式に認めている方針・システム名 | 個別要因の重み・優先順位 | 最初に確認する土台 |
| 専門家アンケート (Zyppyなど) | 実務者が重要だと感じている要因の分布 | Googleの実際の重み付け | 施策の優先順位を考える参考 |
| 第三者の経験則 リスト(Backlinkoなど) | 1社・1個人が独自にまとめた要因一覧 | その一覧の網羅性・検証済みかどうか | 用語や分類の全体像をつかむ |
| 相関分析ツール | 上位ページに共通する特徴の統計的な相関 | その特徴が順位を上げた因果関係 | 仮説を立てる材料 |
Backlinkoの「200のランキング要因」との違い
第三者の経験則リストの代表例として、Backlinkoが公開している「Google's 200 Ranking Factors」がある。ドメイン要因・ページレベル要因・バックリンク要因など10カテゴリーに約200項目を整理した一覧で、2025年5月15日に更新されている。今回のZyppy調査が「131人の意見の集計」であるのに対し、Backlinkoの一覧は「1つの媒体が独自にまとめた分類」という違いがある。どちらも実務者による整理であり、Google公式の一覧ではない点は共通している。
コンテンツの質の内訳で語られていること
Zyppyの調査結果を紹介する記事では、「コンテンツの質」の内訳として独自研究(Original Research)と一次データ(First-Party Data)が上位に挙がったと説明されている。既存情報の要約や言い換えだけの記事ではなく、自社でしか持っていないデータを使った記事が評価されやすいという傾向は、Googleの公式ドキュメント「役立つ、信頼できる、人物本位のコンテンツの作成」が自己点検の問いとして挙げている次の一文とも重なる。「If the content draws on other sources, does it avoid simply copying or rewriting those sources, and instead provide substantial additional value and originality?(訳: そのコンテンツが他の情報源を参考にしている場合、単にコピーや書き直しをするのではなく、実質的な付加価値と独自性を提供できているか)」という問いは、コンテンツの質を自己点検する項目の1つとして示されている。ただし、このコンテンツ品質サブカテゴリの具体的なスコアの数字までは、公開されている記事の範囲では確認できなかった。
07 この種の調査を読むときに混同しやすいこと
「回答した人の割合」は「効果の大きさ」ではない
01章で示した「関連性57.1%」という数字は、131人のうち何人が上位3要因の1つとして選んだかの割合であって、関連性を改善すると順位がどれだけ上がるかという効果量ではない。この2つを混同すると、「57.1%も支持されているのだから、他の要因より7倍優先すべきだ」といった、調査が示していない結論を導いてしまう。当サイトでは以前、同じ調査・同じプラットフォームの数字でも、引用の仕方によって+28%と+9%という異なる印象を与えてしまう例を確認したことがある(archives/123)。数字を引用するときは、元の調査が何を測ったかを、そのつど確認する習慣が必要になる。
「仮定」と「実際に集計した値」が混ざったまま独り歩きすることがある
統計を伴う記事では、調査そのものが実際に集計した値と、そこから導かれた予測や仮定が、区別されずに引用されることがある。当サイトでは、「2027年に半減する」という予測の土台をたどったら、実は7.1%という1つの実データポイントだけが根拠になっていた例を確認している(archives/120)。今回のランキング要因調査についても、「トップ3」という順位そのものは実際に集計した回答の結果だが、そこから「だからこの3つに集中投資すべきだ」という結論を導くのは、調査結果を超えた解釈であることを意識しておきたい。
出典の扱い
専門家アンケートの結果を紹介する記事では、「◯%の専門家が支持」という表現が、あたかもGoogleの公式仕様であるかのように読めてしまうことがある。引用する側が、調査結果と公式発表を区別して書いているかどうかは、読む側が意識的に確認する必要がある。
質問の設計が違えば、同じテーマでも順位表は変わる
08章で見るとおり、2019年のSparkToro調査は「0〜10の11段階で採点した平均点」で要因を並べ、2026年のZyppy調査は「最も重要な3要因に選ばれた割合」で要因を並べている。どちらも「専門家に聞く」という手法は同じでも、質問の設計(採点か、選択か)が違えば、算出される数字の種類そのものが違う。ある年の調査で1位だった要因が、別の年の調査で圏外に見えても、それは要因の重要度が下がったのではなく、測り方が変わっただけという可能性を、まず確認する必要がある。
08 このテーマの、これまで
2005年、Rand Fishkin氏による最初の調査
ランキング要因を専門家アンケートで調べる試みは、Rand Fishkin氏が2005年に最初の調査を実施したことに始まる。以降、当時Fishkin氏が所属していたMozが、この調査を数年おきに継続して公開してきた。
2018年、Mozが更新の打ち切りを発表
2018年1月、Mozは公式Twitterで次のように発表した。「unfortunately, we do not have plans to update the survey as we've done in the past.(訳: 残念ながら、これまでのように調査を更新する予定は無い)」。Search Engine Roundtableの報道によれば、これはMozの経費削減の一環と見られている。当時Mozの共同創業者だったFishkin氏は、個人でこの調査を継続する可能性を示唆した。
2019年、SparkToroで個人として継続
その言葉どおり、Fishkin氏は2019年8月6日〜27日に調査を実施し、自身が創業したSparkToroで同年9月3日に「Google Ranking Factors 2019」として結果を公開した。この調査には1,584人のSEO専門家が参加し、0〜10の11段階で26要因を採点する方式が採られた。結果は「ページコンテンツの関連性」が平均8.52点で最高評価となり、2005年の調査開始以来、初めてコンテンツの関連性・質が首位に立った回として記録されている。ただし採点方式(0〜10の平均点)は今回2026年調査の「上位3つに選ばれた割合」とは異なる測り方であり、点数と割合を単純に比較することはできない。
2026年、Zyppyが13,665件のデータポイントで継承
2026年、Cyrus Shepard氏とDawn Shepard氏が、Zyppyのニュースレターを通じてこの伝統を継いだ。調査ページ自身が「Rand Fishkinが2005年に最初のランキング要因調査を公開して以来」の系譜を継ぐことを明言しており、AIの台頭・API流出・独占禁止法裁判という2005年当時には無かった要素を踏まえて、調査項目を103まで拡張している。約20年間で、調査の実施主体はMoz、SparkToro、Zyppyと変わってきたが、専門家の意見を集計するという手法自体は続いている。
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