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「Google Trends API」で何が取れて、何が取れないのか ── Alpha版の実態と、明日から使える無料の代替手段(2026年8月時点)

目次
  1. 01 いま何が起きているか — Google Trends API の現在地(2026年8月時点)
    1. Alpha版は発表から1年、まだ「申請すれば誰でも」ではない
    2. 静かに変わっていたWeb UIの比較上限(2026年8月3日発見)
    3. Web UIとTrends API、何が違うのか
  2. 02 なぜ、Googleは公式APIを作ったのか — 背景
    1. 非公式スクレイピングが壊れ続けてきた歴史
    2. 「比較するたびに数値が変わる」という積年の課題
    3. 対象は「研究者・ジャーナリスト・開発者」
  3. 03 この記事で出てくる用語
    1. 指数としての性質を決める2つの用語
    2. アクセス方法を分ける2つの用語
  4. 04 型別に見る、Trends API alpha の適用範囲と手順
    1. 🅰 Alpha版で、承認されればできること
    2. 🅱 このAPIが測っていないこと・答えないこと
    3. 🅲-1 申請の手順
    4. 🅲-2 承認を待つ間にできる手順
  5. 05 自分のサイトで確認するチェックリスト
    1. チェックリストの4つの観点
    2. 項目の内訳と、かかる時間の目安
  6. 06 代替・他の選択肢の比較
    1. 比較表の読み方
    2. 「自分のサイトの実数」が欲しいなら、Trendsより先に確認すべき場所
    3. 無料の範囲で足りないと感じたとき
  7. 07 やってはいけないこと
    1. 相対指数を絶対検索数として扱う失敗
    2. 比較セットが変わったのに同じ数字として語る失敗
  8. 08 このテーマの、これまで
    1. Search Consoleを起点に「自分で測る」を積み重ねてきた記録
    2. 公式が見せる範囲は、いつも「一部」だった
    3. 申請が通ったら、この記事を書き直す
  9. 09 この記事のまとめ

Alpha版は発表から1年、まだ「申請すれば誰でも」ではない

「Google Trends API」とは、Google Trendsの画面(trends.google.com)が持つ検索の関心度データを、プログラムから直接取得するための公式APIです。Googleは2025年7月24日、この「Google Trends API」をAlpha版として発表しました。それから1年以上が経った2026年8月時点でも、このAPIは申請制のままです。Googleが公開している公式ドキュメントには「Get early access to the Google Trends API alpha」(訳: Google Trends APIアルファ版への早期アクセス)と明記されており、Google Cloud Consoleから誰でも有効化できる自己申込型のAPIではありません。2026年8月5日更新の第三者記事でも「It won't be publicly available for another year(一般公開まで、さらに1年はかかる見込み)」と評されており、当面は申請が通った開発者だけが使えるAPIという位置づけが続いています。

2026年8月6日時点のテストに基づく別の記事では、料金・クォータ・レート制限のいずれも公式には公開されていない点が指摘されています。「Google's public alpha documentation does not state a price」(訳: 公式のアルファ版ドキュメントには価格が明記されていない)「Are quotas and rate limits public? No public table is provided」(訳: クォータやレート制限は公開されているか?公開された一覧表は提供されていない)という記述のとおり、使う前に想定コストや上限を見積もる材料が、現時点では公式には存在しません。

静かに変わっていたWeb UIの比較上限(2026年8月3日発見)

API側がAlphaのまま足踏みする一方で、無料で誰でも使えるWeb UI(trends.google.com/trends/explore)の方には、告知なしの変更が入っていました。Googleの公式ヘルプページを確認すると、現在の新しいExploreでは「Compare up to 8 groups of terms at once and up to 50 terms in each group」、つまり最大8グループ×50語、合計400語までの比較が可能になっています。以前の上限は5グループ×25語(合計125語)で、この旧仕様は「Classic explore supports comparing 5 groups of terms at once and up to 25 terms in each group」(訳: クラシック版Exploreでは、一度に5グループの検索語を比較でき、各グループにつき最大25語まで指定できる)として、今も切り替え可能な旧UIに残されています。この変更は正式なリリースノートやブログ記事としては公表されておらず、海外メディアがヘルプページの静かな書き換えに気づいて報じたことで表面化しました。Google Trends まわりの変化は、公式ブログよりもヘルプページの方が先に更新されることがあるという点は、追いかける側として覚えておいて損はありません。

注意

「比較できる語数が増えた」と「取得できる数値の意味が変わった」は別の話です。新しいExploreでも、表示される数値はあくまで0〜100の相対指数であり、後述するTrends APIの「独自の一貫したスケーリング」とは仕組みが異なります。両者を同じ数字として扱うと、比較の前提がずれます。

Web UIとTrends API、何が違うのか

この記事の執筆時点で確認できた事実を、Web UI(Explore)とTrends API(alpha)で並べました。

項目Web UI(Explore)Trends API(alpha)
利用対象誰でも・登録不要審査を通過した開発者・研究者・ジャーナリストのみ
比較上限新Explore:8グループ×50語(最大400語)複数リクエストを結合・比較・マージ可能
データ期間画面上で期間指定(長期は粒度が粗くなる)直近5年(1800日)のローリングウィンドウ
集計粒度グラフ表示のみ日次・週次・月次・年次の集計に対応
地域粒度国・地域単位で選択国・サブリージョン単位の比較に対応
スケーリング0〜100の相対指数(比較セットごとに変動)リクエストをまたいで一貫したスケーリング方式
取得手段手動操作・CSVダウンロード・埋め込み(Embed)プログラムからの直接取得
料金・上限無料(公開された利用制限は特になし)無料だが、公開されたクォータ・レート制限表なし
pytrendsの最終リリース(2023年4月)からアーカイブ化(2025年4月17日)、Trends API alpha発表(2025年7月24日)、Web UI比較上限拡大の発見(2026年8月3日)までのタイムライン図
Google Trends まわりの主な出来事(2023年4月〜2026年8月)

02 なぜ、Googleは公式APIを作ったのか — 背景

非公式スクレイピングが壊れ続けてきた歴史

公式APIが登場する前、多くの開発者はGoogle Trendsの非公式Pythonライブラリ「pytrends」を使ってデータを取得してきました。しかしGitHubの当該リポジトリを確認すると、このリポジトリは2025年4月17日にオーナー自身によってアーカイブ(読み取り専用)化されており、最後のリリースは2023年4月のバージョン4.9.2で止まっています。README冒頭には「Looking for maintainers!」(訳: メンテナーを募集しています!)というメンテナー募集の一文が残るのみで、更新は事実上停止しました。

2026年7月22日付の技術記事は、pytrendsが機能しなくなった技術的な理由についても触れています。それによれば、原因はGoogle側のIPブロックではなく、Googleのセッション管理方式が変わったことで、pytrends側のクッキー取得処理(bootstrap)がNIDクッキーを正しく取得できなくなったことにあります。結果として最初のAPI呼び出しで429エラーが返るようになりましたが、記事の著者が手作りのリクエストで同じエンドポイントに対してクッキー処理を正しく行ったところ、200番のレスポンスが返ったと報告されています。Google Trendsのデータ取得エンドポイント自体は健全で、壊れたのはpytrends側のログイン処理だった、という切り分けです。

pytrendsの後継として名前が挙がるツールに「trendspy」があります。PyPIのパッケージページによれば最新版はバージョン0.1.6(2024年12月25日リリース)で、「A Python library for accessing Google Trends data」(訳: Google TrendsのデータにアクセスするためのPythonライブラリ)と説明されています。ただし、このページ自体にpytrendsとの公式な関係を示す記載はなく、第三者の技術記事が「pytrendsの後継」として紹介しているに過ぎません。公式な引き継ぎ関係ではないという点は、採用前に踏まえておく必要があります。インストールはpip install trendspyで行える構成になっていますが、当サイトでは実際の導入・動作確認は行っていません。採用する場合は自社の検証プロセスを挟むことをおすすめします。

「比較するたびに数値が変わる」という積年の課題

Web UIの0〜100スケーリングは、公式ヘルプによれば「地域と時間範囲の総検索数で除算し、その後0〜100スケールに変換」する方式です。これは特定の地域だけが常に上位に来ないようにする合理的な仕組みですが、副作用として比較する語句の組み合わせを変えるたびに、同じ語句の数値も変わってしまうという課題を抱えていました。複数回のリクエストで取得した数値を結合・マージして時系列レポートを作る、という用途には向かない設計だったわけです。公式のAPIドキュメントが「join, compare, and merge data from multiple requests」(訳: 複数のリクエストから取得したデータを結合・比較・マージできる)を明確な利点として挙げているのは、この積年の課題への直接的な回答だと読めます。

当サイトでも、公開済みの記事に実際どれだけの検索需要が動いたかを、単発の相対指数ではなく時系列で積み上げて確認する運用を続けてきました(archives/40)。比較のたびに基準が変わる指標では、こうした継続的な記録は組み立てられません。

対象は「研究者・ジャーナリスト・開発者」

出典

公式ドキュメントは対象者を「researchers, journalists, and developers」(訳: 研究者、ジャーナリスト、開発者)と明示しています。また申請の優先度についても、先着順ではなく「developers that know what they want to do, that can start doing it soon, and that are willing to provide feedback(何をしたいかが明確で、すぐに着手でき、フィードバックを提供する意思のある開発者)」を優先する方針が示されています。順番待ちの列に並ぶ形ではなく、用途の具体性で選別されるという点は、申請前に理解しておくべき事実です。

当サイトでも以前から、Search ConsoleのようにGoogleが公式に提供する実際に測ったデータを起点に判断を積み重ねる運用を続けてきました(archives/16)。Trends APIが対象とする「研究者・ジャーナリスト・開発者」という3者は、いずれも自分の手元にない大規模なデータを、公式のお墨付きとともに扱いたい立場という点で共通しています。

03 この記事で出てくる用語

指数としての性質を決める2つの用語

用語

検索関心度指数:Google Trendsが表示する0〜100の数値です。公式ヘルプによれば、特定の地域・期間における検索数を、その地域・期間の総検索数で割ってから0〜100に変換した値であり、絶対的な検索回数そのものではありません。データソースはGoogleに実際に行われた検索リクエストのフィルタリングされていないサンプルですが、まれに自動化された検索やスパム的な活動のノイズが含まれる可能性があるとも記載されています。

用語

Explore(新)とClassic Explore:trends.google.com/trends/exploreの現行版と旧版を指します。公式ヘルプによれば、新Exploreは最大8グループ×50語(合計400語)の比較に対応し、Classic Exploreは最大5グループ×25語(合計125語)までという旧来の制限のまま据え置かれています。Classic Exploreは今もアップグレードされておらず、両者は並行して存在しています。

アクセス方法を分ける2つの用語

用語

Alpha版・申請制:一般公開前の限定テスト段階を指します。Trends APIの場合、申請フォームから応募し、Google側の審査を経て、順次アクセスが開放される仕組みです。Google Cloud Consoleから誰でも有効化できるセルフサーブ型のAPIキー発行は用意されていません。

用語

pytrends・非公式スクレイピング:Google Trendsの画面が使っている内部エンドポイントに、非公式にアクセスするPythonライブラリです。GitHubリポジトリは2025年4月17日にアーカイブ化され、以後は読み取り専用になっています。Googleの利用規約上、公式にサポートされたアクセス方法ではありません。

Google Trendsの検索関心度データに誰が届くかを示す3層構造図。誰でも使えるWeb UI(Explore)、申請が通った人だけが使えるTrends API alpha、お金を払える人が使える有料サードパーティAPIの3層
「検索の関心度データ」に、誰が届くか(2026年8月時点の3層構造)

🅰 Alpha版で、承認されればできること

申請が承認された場合、公式ドキュメントに基づくと以下が可能になります。直近5年(1800日)のローリングウィンドウでのデータ取得、日次・週次・月次・年次いずれの粒度でも集計、国およびサブリージョン(準地域)単位での比較、そして複数のAPIリクエストで取得したデータを、一貫したスケーリングのまま結合・比較・マージできる点です。Web UIでは1つの比較セット内でしか意味を持たなかった数値が、API経由では異なるタイミングで取得したデータ同士でも扱いやすくなる、というのがAlpha版の核心的な価値だと整理できます。

🅱 このAPIが測っていないこと・答えないこと

一方で、公式ドキュメントおよび第三者の検証記事から確認できる範囲では、次の点がAlpha版の対象外、または未公開のままです。

注意

まず、Trends APIの「独自の一貫したスケーリング」は絶対的な検索回数を返すという意味ではありません。公式ドキュメントが述べているのは「0〜100スケールから脱却した」という点であり、生の検索クエリ数そのものが取得できるとは書かれていません。相対的な指数であることに変わりはなく、比較のたびに数値が変動しにくくなった、という改善だと理解するのが正確です。

また、料金・クォータ・レート制限について、公開された一覧表は2026年8月時点で存在しません。2026年8月6日時点のテスト記事は「Google's public alpha documentation does not state a price」(訳: 公式のアルファ版ドキュメントには価格が明記されていない)「No public table is provided」(訳: 公開された一覧表は提供されていない)と明記しており、想定コストの見積もりは現時点でできない状態です。「Trending Now(急上昇ワード)」がAPIの対象範囲に含まれるかどうかについても、公式ドキュメントに明確な記載は見当たりませんでした。複数の業界メディアが「対象外」と報じている一方、別の記事はWeb UIの急上昇ワードページを別の方法で取得する手順を紹介しており、情報が錯綜しています。この点は本記事の執筆時点では「公式には明示されていない」とだけ言えます。

🅲-1 申請の手順

申請を検討する場合は、公式ドキュメントページから申請フォームに進みます。前述のとおり先着順ではなく用途の具体性で選別される方式のため、申請時点で「何のためにデータを使うか」「どのくらいの規模のリクエストを想定しているか」を具体的に説明できる準備をしておくことが実務上の要点になります。2026年8月5日更新の記事では「一般公開まで、さらに1年はかかる見込み」とも評されており、申請してもすぐに使える保証はないという前提で計画するのが現実的です。

🅲-2 承認を待つ間にできる手順

Alpha版の審査結果を待つ間、手を止める必要はありません。まず、2026年8月に上限が拡大した新Explore(最大400語の比較)で、当面の比較・分析ニーズがどこまで足りるかを確認します。チャートのCSVダウンロードや埋め込み(Embed)機能を使えば、レポートへの組み込みも手動運用の範囲でできます。そして、知りたいのが「市場全体の関心度」ではなく「自分のサイトが実際にどれだけ検索されているか」であれば、そもそもGoogle Trendsを経由する必要はありません。当サイトが公開している🔧 Google Search Console 解説ツールを使えば、Search Consoleが持つ自社サイトの実際の表示回数・クリック数という、Trendsのどちらの版でも得られない数字の読み方を確認できます。

今すぐ検索関心度データが欲しいときの判断フロー図。まず自サイトのneedをWeb UIで確認し、足りればExploreとCSV出力、足りなければAlpha版に申請しつつ待つ間はSearch Consoleの実際に測ったデータを使う流れを示す
Alpha版の審査を待たずに、今日から動ける判断フロー

05 自分のサイトで確認するチェックリスト

チェックリストの4つの観点

以下の13項目は、①自社に必要なのは相対指数か実数かの切り分け、②現行のWeb UIで実際に操作して確認すること、③非公式ツールの残存点検、④引用・レポートへの正しい組み込み方、という4つの観点を、今日から手を動かせる形に翻訳したものです。チェックの状態はブラウザ内にのみ保存され、サーバーには送信されません。

  • 自分がGoogle Trendsで確認したい情報が、相対指数だけで足りるか、実際の検索数が必要かを1文で書き出す
  • trends.google.com/trends/explore を開き、自社の主力キーワードを1つ入力して推移グラフを表示する
  • 比較欄に語句を追加していき、新Exploreで何グループ・何語まで比較できるか実際に数える
  • チャート右上の「ダウンロード」ボタンを押し、CSVファイルが保存されることを確認する
  • ダウンロードしたCSVをスプレッドシートで開き、含まれる列(期間・地域の粒度)を控える
  • Search Consoleの「検索パフォーマンス」レポートを開き、同じキーワードの実際の表示回数を確認する
  • Trendsの相対指数とSearch Consoleの実際に測った値、それぞれが何を測っているかを1文ずつ書き出す
  • 自社のリポジトリやスクリプトに、pytrendsなど非公式ライブラリを使ったコードが残っていないか検索する
  • チャート右上の埋め込み(Embed)アイコンを押し、対象のチャートに埋め込み機能があるか確認する
  • Trends APIの申請ページを開き、申請に必要な項目(用途・想定リクエスト数)を確認するだけしておく
  • Trendsのデータを引用する際、レポート内に「Data source: Google Trends」の表記を入れているか確認する
  • Google TrendsのデータとGoogle広告のデータを、同じ表やグラフの中で一緒に引用していないか確認する
  • 自社の無料ツール一覧から、Search Console解説ツールへのリンクをブックマークに追加する

項目の内訳と、かかる時間の目安

最初の3項目は「自社の必要が指数で足りるか」を切り分ける準備、続く4項目は新Exploreの実際の操作確認、8番目は非公式ツールの棚卸し、9〜10番目はAlpha版への準備、最後の3項目は引用・レポートへの組み込みルールの確認です。13項目すべてに目を通すのにかかる時間の目安は、15〜20分程度です。すべてを一度に埋める必要はなく、まずは自社の主力キーワードを1つ選び、上から順に手を動かしてみることを想定しています。

06 代替・他の選択肢の比較

比較表の読み方

「Google Trendsのデータが欲しい」という要望は、実際には複数の異なるニーズが混ざっていることがよくあります。以下は、当サイトが実際に公開しているツールも含めた手段の比較です。

手段できること向いている場面
当サイトのツール
(🔧 Google Search Console 解説ツール・無料)
自社サイトの実際の表示回数・クリック数・掲載順位の読み方を確認できる知りたいのが「自分のサイトの実数」のとき
Web UI
(新Explore・無料)
最大8グループ×50語の比較、CSVダウンロード、埋め込み市場全体の相対的な関心度を、手動で単発確認したいとき
Trends API
(alpha・申請制)
5年分の日次〜年次データをプログラムから取得、複数リクエストの結合継続的・自動的にデータを取り込む仕組みを作りたいとき(承認された場合)
pytrends
(非公式・停止)
2025年4月17日にアーカイブ化。新規導入は非推奨既存コードの棚卸し・置き換え検討のとき
trendspy
(非公式・v0.1.6)
pytrendsの後継として紹介されることがある非公式ライブラリ非公式手段を承知の上で自動取得したいとき
有料サードパーティAPI
(概念のみ)
即日利用可・有償。提供元によって仕様が異なる予算があり、今すぐ自動化されたデータ取得が必要なとき

「自分のサイトの実数」が欲しいなら、Trendsより先に確認すべき場所

ここが本記事でもっとも伝えたい整理です。Google Trends は、Web UI版でもAPI版でも、特定のトピックが「世の中でどれだけ検索されているか」の相対的な指数を返すものであり、自分のサイトが実際にどれだけ検索経由で見られているかを教えてはくれません。後者が知りたい場合、Search Consoleの検索パフォーマンスレポートの方が、最初に開くべき画面です。当サイトでも、公開した記事にどれだけ実際の検索需要が動いたかを、Fan-Out強化前後の30日間で記録した実測(archives/40)があり、そこで使ったのはGoogle TrendsではなくSearch Consoleの実際に測った値でした。当サイトの🔧 Google Search Console 解説ツールは、こうした自社サイトの実数を読み解く際の入り口として用意しています。

無料の範囲で足りないと感じたとき

継続的な自動取得や、Trends API alphaの承認を待たずに今すぐデータを組み込みたい場合、有料のサードパーティAPIというカテゴリが存在します。ただし当サイトでは、こうした有料サービスを実際に導入・検証した実績がないため、個別のサービス名を挙げての機能比較や優劣の言及は行いません。導入を検討する場合は、無料枠での試用や、契約前のデータ仕様の確認を挟むことをおすすめします。

07 やってはいけないこと

Google Trendsまわりのデータを扱う際に起きがちな失敗を、3つ挙げます。

相対指数を絶対検索数として扱う失敗

ひとつめは、0〜100の検索関心度指数を、そのまま「検索回数」として資料に書いてしまうことです。公式ヘルプが明記するとおり、この数値は総検索数で割ってから正規化した相対値であり、実際の検索回数そのものではありません。「この語句は月間○万回検索されている」のような言い切りを、Trendsの指数だけを根拠に書くと、事実として誤った資料になります。

比較セットが変わったのに同じ数字として語る失敗

ふたつめは、比較する語句の組み合わせを変えた前後で、同じ語句の指数を単純に比べてしまうことです。Web UIの相対指数は比較セットごとに再計算されるため、「先月は40だったのに今月は60になった」という比較が、実は語句の並びを変えたことによる見かけ上の変化である可能性があります。継続的に同じ条件で観測し続けない限り、この種の比較には注意が必要です。

注意

みっつめは、引用のルールに関わる失敗です。公式ヘルプは、Trendsのデータを引用する際は「Data source: Google Trends (https://www.google.com/trends)」という形式でGoogleに帰属させることを求めており、さらに「Please do not cite these sources together(Google TrendsとGoogle Adsのデータを一緒に引用しないでください)」と明記しています。データソースが異なる指標を同じ表に並べて「Google調べ」とまとめてしまうのは、公式ルールに反する扱い方です。

08 このテーマの、これまで

Search Consoleを起点に「自分で測る」を積み重ねてきた記録

以前、Search Consoleが教えてくれることについて、実際にデータを読み解いた記録を書いたことがあります(archives/16)。本記事の06章で「自分のサイトの実数が欲しいならSearch Consoleを先に見る」と整理しているのは、このときからの一貫した姿勢がそのまま実務上の起点になっています。また、addviewを強化した記事1本について、公開後30日間の表示回数・クリック率・掲載順位を実際に記録した回(archives/40)も、相対的な指数ではなく実際に測った値にこだわって記録を積み重ねてきた例のひとつです。

公式が見せる範囲は、いつも「一部」だった

生成AIパフォーマンスレポートが表示回数までしか見せず、続きを自分で測る必要があった記録(archives/125)を書いたことがあります。Google Trends API alphaも同じ形をしています。公式が用意する新しい入り口は、いつも最初は「一部の人だけ・一部のデータだけ」から始まるという点で、今回のテーマは過去に書いてきたものと同じ骨格を持っています。

申請が通ったら、この記事を書き直す

本記事は、Trends API alphaへの申請を行っていない状態で、公式ドキュメントと第三者の検証記事から確認できる事実だけを整理したものです。実際に申請が承認され、リクエストを送って挙動を確かめられる段階になれば、本記事の内容も実測を伴う形に書き直す対象になります。公式ドキュメントが更新され続ける以上、この記事も「今の時点での整理」に過ぎません。

Google Trends API は2025年7月にAlpha版として発表されたが、2026年8月時点でも申請制のままで、料金やクォータも非公開。一方、無料のWeb UIでは比較上限が静かに拡大されていた。公式ドキュメントをもとに、今日からできることまで整理する。
2025/05/31
THU
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株式会社ツクルン

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Webアドバイジング・クリエイター
池田南美夫
もうすぐ●●歳。ずっーと現役SE。日本にインターネットが上陸してから、ずっーと携わる。 ほんとは超アナログ人間のギター弾き、バンドマン。でも音楽活動とSE、案外似てる。