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SonicWallのSSLVPNは、SAMLで掛けた多要素認証を別の方式の資格情報で回避されうるとして、11月6日に悪用確認リストへ載った。期限は11月20日 ── 担当サイトのログインの「入口」を1つずつ数え、全部にMFAが掛かるかを確かめる13項目(2026年11月時点)

目次
  1. 01 何が書いてあるか — SonicWallのSSLVPNの1件が11月6日に悪用確認リストへ載った。SAMLで掛けた多要素認証を、別の方式の資格情報で回避されうる
    1. 一覧の行を読む
    2. 告知が書いたこと
    3. 点数を、出典ごとに並べる
  2. 02 なぜ・背景 — 「MFAを入れた」ことと、「すべての入口にMFAが掛かる」ことは、別である
    1. 一覧の名前が指す弱点
    2. MFAの「まわりの道」について、OWASPが書くこと
    3. MFAを外す理由には、ならない
    4. 期限の欄は、米国の連邦機関向けの日付
  3. 03 用語 — 出てくる言葉を、先にそろえる
    1. 「別の認証方式」とは何か
    2. 「悪用の可能性」と「悪用の確認」は別
  4. 04 型別 — 適用範囲、書かれていないこと、手順
    1. 🅰 どのサイトが当てはまるか
    2. 🅱 告知と一覧が書いていないこと
    3. 🅲 手順1 — SonicWallを使っているかを、顧客と委託先に聞く
    4. 🅲 手順2 — SSLVPNのログイン方式を、全部書き出す
    5. 🅲 手順3 — 担当サイトの入口を、1つずつ書き出す
    6. 🅲 手順3の補足 — 入口の種類ごとに、見るところを比べる
    7. 🅲 手順3の補足 — 台帳の1行の例(架空)
    8. 🅲 手順4 — 入口ごとに、ログイン直前まで進める
    9. 🅲 手順5 — 掛かっていない入口を、止める・掛ける・理由を書く
    10. 🅲 手順6 — 更新した後に、同じ確認をもう一度する
  5. 05 明日、担当サイトで確認できることチェックリスト
  6. 06 代替・他の選択肢 — 更新までの間と、入口が多いサイトでできること
    1. 状況ごとに、表で並べる
    2. 入口の候補を調べる道具
  7. 07 当サイトで確かめたこと — SonicWallは使っていない。ログインの入口の棚卸しは、まだしていない
    1. この製品は、使っていない
    2. 当サイトのログインの入口は、まだ数えていない
    3. 確かめていないこと
  8. 08 このテーマは、ここまで — 悪用確認リストを追った記事から、ログインの入口へ
    1. これまでの記事
    2. 今回の記事の位置
    3. 2026年11月7日 — この記事の確認日
  9. 09 この記事のまとめ

01 何が書いてあるか — SonicWallのSSLVPNの1件が11月6日に悪用確認リストへ載った。SAMLで掛けた多要素認証を、別の方式の資格情報で回避されうる

引用について

この記事は、2026年11月7日に開いて読んだ次のページの内容を書いている。CISA(米国のサイバーセキュリティ機関)の悪用確認リスト(KEV)の公式のデータ(JSON形式)(データの公開日時は、11月6日19時44分、協定世界時)、SonicWallの告知SNWLID-2026-0014、NVD(米国の脆弱性データベース)のCVE-2026-19868の記録(筆者は、同じ内容を返すAPIの応答で読んだ)、CWE-308の説明、OWASPの3つの手引き、CISAの運用指令BOD 26-04と、その実施の手引き、FIRSTのCVSS 3.1の仕様書である。SonicWallの告知のページは、ふつうの取得では中身が空で、ブラウザで表示した画面の文字を読んだ。日本語の文は、記事の筆者がまとめた要旨で書く。英語の文は、原文のまま引き、すぐ後に筆者の訳を付ける。筆者の読みと案は、そう書いて分ける。修正版のリリースノートは開いていない。悪用の規模と悪用した者は、読んだ範囲に書かれていない。

2026年11月6日(金曜日)、CISAの悪用確認リスト(KEV)に、SonicWall SonicOSのSSLVPN(社外から社内の仕組みへつなぐ入口のサービス)の脆弱性が1件加わった。CVE-2026-19868である。一覧の説明は、別の認証方式の有効な資格情報を持つ利用者が、SAMLの認証の制御を回避できると書き、成功すると、SAMLで強制した多要素認証(MFA)も回避されうる、と続ける。この記事は、機器の技術的な解説ではなく、「MFAを入れたのに、別の入口が残っていると、MFAを通らない」という形を、担当サイトのログインの入口に当てはめて確かめる方法に絞る(この言い方は、告知の「別の認証方式の有効な資格情報」という書き方からの、筆者の読みである。告知は、入口が別に残っているとは書いていない)。VPN機器の台帳・アカウント・ログを数える方法は、同じ種類の機器を扱った「VPN機器のIvanti Connect Secureの2件が悪用確認リストに載り、期限の欄は11月2日と13日に分かれた ── 担当サイトへの入口の機器の台帳・アカウント・ログを確かめる13項目(2026年11月時点)」で書いたので、ここでは繰り返さない。

一覧の行を読む

11月7日に読んだ一覧のデータには、この行が、次のように書かれていた。

  • 一覧の名称は、"SonicWall SonicOS SSLVPN Use of Single-factor Authentication Vulnerability"(訳: SonicWall SonicOS SSLVPNの、単一要素の認証を使う脆弱性)である。
  • 追加日は2026年11月6日、期限の欄は2026年11月20日である。追加日から期限の欄まで、筆者が数えると14日になる。
  • 「侵害の調査(フォレンジック・トリアージ)」の欄は「なし」、ランサムウェアでの利用の欄は「不明」である。
  • 弱点の種類の欄は、CWE-308である。

「必要な対応」の欄は、提供元の手順どおりに緩和策を当て、BOD 26-04の指針に従うよう求める。続けて、"Follow applicable BOD 26-04 guidance for cloud services or discontinue use of the product if mitigations are unavailable."(訳: クラウドサービスには該当するBOD 26-04の指針に従うか、緩和策が使えないなら製品の利用をやめる。)と書き、さらに"Stakeholders are responsible for evaluating each asset's internet exposure and ensuring adherence to BOD 26-04 patching guidelines."(訳: 関係者は、各資産がインターネットにどれだけ露出しているかを評価し、BOD 26-04の更新の指針を守る責任を負う。)と書く。書き方の趣旨は、上の記事で読んだIvantiの行と同じである。

同じ日に出た3つの記録と、期限を並べた図。2026年11月6日の金曜日に、CISAの悪用確認リストへの追加、SonicWallの告知の公開、NVDの記録の公開があった。一覧の期限の欄は11月20日の金曜日で、米国の連邦機関向けの日付。追加日から期限の欄までは14日で、筆者が数えた
追加日と期限の欄(日付は、CISAの一覧・SonicWallの告知・NVDの記録による。14日は筆者が数えた)

告知が書いたこと

SonicWallの告知は、2026年11月6日に初版が出ている。題は"SonicWall SonicOS Affected By Multiple Vulnerabilities"(訳: SonicWall SonicOSは、複数の脆弱性の影響を受ける)で、7件のCVEを挙げ、CVE-2026-19868は、その4番目の項である。項の題は、"SSLVPN Authentication Enforcement Vulnerability via Alternate Authentication Methods"(訳: 別の認証方式を通した、SSLVPNの認証の強制の脆弱性)である。告知は、この項に、2つの注意書きを付けている。1つ目は、悪用の可能性についての文で、2文に分かれている。

"SonicWall PSIRT has investigated a report indicating potential exploitation of this vulnerability."(訳: SonicWallのPSIRT(製品の安全の担当部署)は、この脆弱性が悪用された可能性を示す報告を調べた。)"Customers are strongly urged to upgrade to the latest release as soon as possible to mitigate the associated risks."(訳: 顧客には、関連する危険を減らすため、できるだけ早く最新のリリースへ更新することを強く勧める。)

2つ目は、影響の条件である。"This vulnerability ONLY impacts the SonicOS SSLVPN interface or service if SAML is enabled for SSLVPN logins."(訳: この脆弱性が影響するのは、SSLVPNのログインでSAMLが有効になっている場合の、SonicOSのSSLVPNの画面またはサービスだけである。)告知の「回避策」の欄は、「None」(なし)と書かれていた。更新が、告知の示す対策である。

系統影響を受ける版修正版告知が挙げる機器の範囲
Gen77.3.3-7015 以前("7.3.3-7015 and older versions")7.3.4-7013 以降("7.3.4-7013 and higher versions")ハードウェアのファイアウォール(TZ・NSa・NSspの各シリーズ)と、仮想のNSv(270・470・870)
Gen88.2.2-8015 以前("8.2.2-8015 and older versions")8.2.3-8015 以降("8.2.3-8015 and higher versions")ハードウェアのファイアウォール(TZ・NSaの各シリーズ)と、仮想のNSv(XS・S・M・L)

機種ごとの細かい一覧は、告知のページにある。同じ告知は、ほかに6件のCVEを挙げ、修正版の表は1つだった。KEVに載っているのは、7件のうち、この1件だけである(11月7日に読んだデータの範囲)。

点数を、出典ごとに並べる

この脆弱性には、見る出典によって、違う点数が付いている。1つにまとめず、出典ごとに並べる。

出典点数権限の欄(PR)補足
告知の冒頭の欄8.8(CVSS 3.1)N7件のうち、いちばん高い点。本文では、別の2件(CVE-2026-107155とCVE-2026-107154)に8.8が付く
告知のこの脆弱性の項7.1(CVSS 3.1)L攻撃の複雑さの欄は「高」(H)
NVDの記録7.5(CVSS 3.1)N種別は「Secondary」。採点した組織は、識別子で書かれ、名前は書かれていない。同じ識別子の欄に、悪用は「active」、自動化は「no」、技術的な影響は「partial」の判定がある(役割の欄は「CISA Coordinator」)
KEVの行点数の欄なし—悪用の事実と、期限の欄を示す一覧で、点数は載せない

FIRSTの仕様書は、権限の欄(PR)のNを「攻撃者が攻撃の前に認可されておらず、攻撃のために、脆弱なシステムの設定やファイルへの権限を必要としない」状態、Lを「利用者の基本的な機能を提供する権限が必要」な状態と説明している(要旨)。告知の文は、別の方式の有効な資格情報を持つ利用者を前提にしている。このため、権限の欄がLの7.1が、文と合うというのが、筆者の読みである。NVDの記録の7.5(N)の理由は、記録に書かれていない。どちらが正しいかは、この記事では決めない。3つの点数は、どれも「High」の区分(7.0〜8.9)に入る。

点数を出典ごとに並べた図。告知の冒頭の欄は8.8で、同じ告知の7件のうち一番高い点であり、この脆弱性の点ではない。告知のこの脆弱性の項は7.1で、権限の欄はL。NVDの記録は7.5で、権限の欄はN。どれもCVSS 3.1の基本値で、7.0から8.9はHighの区分。KEVの行には点数の欄が無い
出典ごとの点数(CVSS 3.1の基本値。権限の欄の違いは、筆者の読み)

02 なぜ・背景 — 「MFAを入れた」ことと、「すべての入口にMFAが掛かる」ことは、別である

一覧の名前が指す弱点

一覧の名称にある"Use of Single-factor Authentication"(訳: 単一要素の認証の使用)は、CWE-308の名前である。CWEの説明は、"The product uses an authentication algorithm that uses a single factor (e.g., a password) in a security context that should require more than one factor."(訳: その製品は、複数の要素が要る場面で、単一の要素(たとえばパスワード)だけを使う認証の方式を使っている。)と書く。告知の題は、同じことを別の言葉で言っている。「認証の強制」が、別の認証方式を通ったときに、効かない。つまり、MFAを要る入口として設定していても、その設定が掛からない道が、別にあるということである。どの方式かは、告知にも一覧にも書かれていない。

MFAの「まわりの道」について、OWASPが書くこと

OWASPの多要素認証の手引きは、MFAの課題として、再設定を挙げている。"In order to prevent users from being locked out of the application, there needs to be a mechanism for them to regain access to their account if they can't use their existing MFA; however it is also crucial that this doesn't provide an attacker with a way to bypass MFA and hijack their account."(訳: 利用者がアプリケーションから締め出されないよう、いまのMFAが使えないときに、アカウントへ戻る仕組みが要る。しかし、その仕組みが、攻撃者にMFAを回避してアカウントを乗っ取る道を与えないことも、決定的に大切である。)同じ手引きは、アカウントの回復について、"Account recovery is just an alternate way to authenticate so it should be no weaker than regular authentication."(訳: アカウントの回復は、認証の別の方法にすぎないので、ふだんの認証より弱くあってはならない。)とも書く。

さらに、手引きは、危険な信号に応じて追加の確認を出す方式について、"However, developers must ensure that risk signals cannot be spoofed and that fallback mechanisms are not weaker than the primary MFA methods."(訳: ただし、開発者は、危険の信号が偽装できないこと、そして代わりの仕組みが、主なMFAの方式より弱くないことを、確かめなければならない。)と書く。いずれも、SonicWallの件を書いた文ではない。MFAを置くだけでなく、MFAの代わりになる道を、同じ強さに保つという一般の考え方が、いずれも同じ方向を向いている、というのが筆者の読みである。

MFAを掛けた入口と、別の入口を比べた図。上段は、SAMLでログインし、MFAの確認が入り、入れる。下段は、別の方式の資格情報でログインすると、MFAの確認を通らずに入れる。告知は、どの別の方式かを書いていない。図は、告知の言葉を筆者が整理したもの
MFAを掛けた入口と、別の入口(告知の言葉を、筆者が整理した図)

MFAを外す理由には、ならない

入口が複数あって回避されうるなら、MFAは役に立たない、とは読めない。OWASPの認証の手引きは、"Multi-factor authentication (MFA) is by far the best defense against the majority of password-related attacks, including brute-force attacks, with analysis by Microsoft suggesting that it would have stopped 99.9% of account compromises."(訳: 多要素認証は、総当たり攻撃を含む、パスワードに関する攻撃の大半に対する、飛び抜けて良い防御で、Microsoftの分析は、アカウントの乗っ取りの99.9%を止めただろうと示唆している。)と書く。99.9%の元の分析は、開いていない。この記事で言いたいのは、MFAは入れたまま、掛かっていない入口を数えることである。

期限の欄は、米国の連邦機関向けの日付

一覧の期限の欄は、BOD 26-04の下で、米国の連邦機関が対応を終える日として置かれている。対象は"Federal Civilian Executive Branch"(訳: 連邦政府の行政機関)の機器である。日本の会社に更新の義務はないが、優先順位の目安には使える。この読み替えは、「CISAの悪用確認リストにPHPの2件が載り、期限の欄は10月29日だった。拘束されるのは米国の連邦機関で、一般のサイトは優先順位の目安として読む ── 担当サイトの更新期限に読み替える13項目(2026年10月時点)」にまとめてある。

03 用語 — 出てくる言葉を、先にそろえる

用語

MFA(多要素認証)は、パスワードなど「知っていること」に加えて、端末など「持っているもの」といった、種類の違う確認を重ねる認証である。OWASPの手引きは、"Multifactor Authentication (MFA) requires evidence from at least two distinct authentication factors"(訳: 多要素認証は、少なくとも2つの異なる認証の要素の証拠を求める)と書き、同じ要素を複数回求めること(パスワードとPINの両方など)は、"does not constitute MFA"(訳: 多要素認証には当たらない)とも書く。SSLVPNは、社外から社内のネットワークへ、暗号をかけた道でつなぐ、SonicOSのサービスの名前である。

用語

SAMLは、認証と認可の情報をやり取りするための、公開された規格である。OWASPのSAMLの手引きは、"The Web Browser SAML/SSO Profile with Redirect/POST bindings is one of the most common SSO implementation."(訳: リダイレクトとPOSTを使う、ウェブブラウザ向けのSAMLのSSOの形は、最もよくあるSSOの実装の1つである。)と書く。SSOは、1回のログインで、複数のサービスに入れる仕組みである。

用語

入口は、この記事で、ログインの手順1つを指す、筆者の呼び名である。たとえば、ふだんのログイン、SSOでのログイン、パスワードの再設定、端末を替えたときのMFAの登録のやり直しは、それぞれ別の入口になりうる。資格情報は、名前とパスワードなど、入口で示すものを指す。

用語

MFAの格下げ(ダウングレード)は、OWASPの多要素認証の手引きの見出し"MFA Downgrade Attacks"(訳: MFAの格下げ攻撃)が指す形である。手引きは、新しい方式と同じMFAの要件を課さない、古いプロトコルや認証の流れを攻撃者が通そうとする形だと説明し(要旨)、対策の1つに"Disable legacy authentication protocols and endpoints that cannot enforce MFA consistently."(訳: MFAを一貫して課せない古い認証のプロトコルと入口を、無効にする。)を挙げる。SonicWallの告知がこの語を使っているわけではなく、告知と似た形として読むのは筆者の読みである。

「別の認証方式」とは何か

告知は、"alternate authentication method"(訳: 別の認証方式)と書き、どの方式かを書いていない。この記事は、方式の名前を推測しない。担当サイトの話をするときは、入口ごとに、何でログインできるかを、自分で書き出す。

「悪用の可能性」と「悪用の確認」は別

告知は、「悪用された可能性を示す報告を調べた」と書く。一方、KEVは、一覧に加える条件の1つとして、"Has reliable evidence of active exploitation in the wild."(訳: 野外で実際に悪用されている、信頼できる証拠がある。)を挙げる(BOD 26-04の実施の手引きの、よくある質問の節)。この行も、一覧に載った。NVDの記録にある、CISAの調整役の判定の欄は、悪用を「active」としている。悪用の規模と、被害の数は、読んだ範囲に書かれていない。

04 型別 — 適用範囲、書かれていないこと、手順

🅰 どのサイトが当てはまるか

告知の条件に当てはまるのは、SonicOSのGen7またはGen8で、修正版より前の版を使い、SSLVPNのログインにSAMLを有効にしている機器である。担当サイトの運用で、この機器を直接持つことは少ないが、顧客の会社や、運用を委託している先が、管理画面への入口としてSSLVPNを使っている場合がある。使っていないと分かったら、台帳に「対象外・確認日・誰に聞いたか」を書いて終える。

この記事の後半(手順3以降)は、SonicWallを使っていなくても、MFAを使っているすべてのログインに当てはめられる、というのが筆者の読みである。

🅱 告知と一覧が書いていないこと

  • 「別の認証方式」が、具体的に何か。
  • 悪用の件数、悪用した者、国内の被害の有無。
  • 修正版が、どう直したか。リリースノートは開いていない。
  • 侵害されたかを、機器の記録から見つける方法。一覧の「侵害の調査」の欄は「なし」だった。
  • 同じ告知のほかの6件の、細かい条件(この記事は、CVE-2026-19868だけを扱う)。

したがって、どの入口が、どの条件で回避されたかは、この記事では言えない。言えるのは、告知が挙げる版の境目と、影響の条件と、一覧の日付である。

🅲 手順1 — SonicWallを使っているかを、顧客と委託先に聞く

担当サイトごとに、「管理画面や社内ツールを開くとき、SonicWallのファイアウォールのSSLVPNを使いますか」と、1通のメッセージで聞く。返事は、「使っている」「使っていない」「分からない」の3つに分けて、台帳に書く。台帳の作り方は、01章の初めに挙げた、Ivantiの記事の手順2に書いた。

🅲 手順2 — SSLVPNのログイン方式を、全部書き出す

使っている場合は、機器の管理画面でSSLVPNのログインの設定を開いてもらい、SAMLのほかに、どんな方式が並んでいるかを、全部書き出す。方式の数と、名前だけでよい。SAMLを使っていなければ、告知の条件に当たらない。使っているなら、機器の版の確認(05章の4番目の項目)へ進む。

🅲 手順3 — 担当サイトの入口を、1つずつ書き出す

管理画面や社内ツールから3つを選び、ログインの入口を、1つにつき1行で書き出す。入口の名前、使う人、何でログインするか、MFAが掛かるか、確かめた日、の5つの列があれば足りる。入口の候補は、次のとおりである。これは、筆者が思いつく例で、出典の一覧ではない。

  • ふだんのログインの画面。
  • SSO(まとめてログインする仕組み)のログイン。
  • パスワードを忘れたときの再設定。
  • 端末をなくしたときの、MFAの登録のやり直し。
  • 招待メールのリンクから入る、最初の設定。
  • アプリやツールから使う、専用のパスワードやトークン。
  • 古い管理画面のアドレスのように、使っていないが、残っている入口。

🅲 手順3の補足 — 入口の種類ごとに、見るところを比べる

書き出した入口を種類で分けると、見るところが変わる。

  • ふだんのログイン ── MFAの確認が毎回入るか。
  • パスワードの再設定 ── MFAの代わりに、何で本人を確かめるか(02章のOWASPの文)。
  • 使っていない古い入口 ── 止められるか(03章のOWASPの対策の一文)。
  • アプリ用の専用パスワードやトークン ── MFAを通らずにログインできる方式か(出典には無い、筆者の案)。

🅲 手順3の補足 — 台帳の1行の例(架空)

次の1行は、書き方を示す架空の例で、実在の記録ではない。入口は「管理画面のパスワード再設定」、使う人は「顧客の担当者」、ログインは「メールで届くリンク」、MFAは「無し」、確かめた日は当日の日付である。この行を見て、手順5の3つのどれにするかを決める。

🅲 手順4 — 入口ごとに、ログイン直前まで進める

入口ごとに、自分の試験用のアカウントか、担当者の画面で、ログインの直前まで進み、MFAの確認が入るかを見る。ログインして中に入る必要はない。確認が入らない入口は、台帳の「MFA」の列に「無し」と書く。再設定の入口では、MFAの代わりに何で本人を確かめているかを書く。これは、OWASPの「再設定は、ふだんの認証より弱くあってはならない」という考え方を、台帳に落とす作業である。

🅲 手順5 — 掛かっていない入口を、止める・掛ける・理由を書く

MFAが掛からない入口を見つけたら、3つのどれかにする。使っていないなら止める。使うなら、MFAを掛ける。いまは掛けられないなら、理由と、掛ける予定の日を、台帳に書く。止められるか、掛けられるかは、サービスごとに違うので、各サービスの説明と担当者に聞いて決める。

🅲 手順6 — 更新した後に、同じ確認をもう一度する

SonicWallの機器を更新したら、手順4と同じ確認を、SAMLの入口と、それ以外の入口の両方で行う。更新の前後で、同じ入口を、同じ順番で見る。結果は、日付と一緒に、台帳に書く。

注意

ログインの確認は、自分の試験用のアカウントか、持ち主の許可を得た画面だけで行う。他人のアカウントや、権限の無いサービスへ、別の方式でのログインを試すことは、確認ではなく、不正なアクセスになりうる。この記事の手順は、ログインの直前までを見るもので、回避を試すものではない。

05 明日、担当サイトで確認できることチェックリスト

以下は、SonicWallの1件を担当サイトの入口に当てはめて、MFAが全部の入口に掛かっているかを確かめる13項目である。チェックの状態は、使っているブラウザに保存され、サーバーには送られない。

  • CISAの悪用確認リストのデータでCVE-2026-19868を探し、追加日(11月6日)と期限の欄(11月20日)、「侵害の調査」の欄を、台帳に書き写す
  • SonicWallの告知(SNWLID-2026-0014)を開き、Gen7とGen8の、影響を受ける版と修正版を、台帳に書き写す
  • 担当サイトを3つ選び、SonicWallのファイアウォールを使っているかを、顧客や委託先に1通のメッセージで聞いて、使っている・使っていない・分からないで書く
  • 使っている場合は、機器の画面に出る版の番号を、担当者に画面で見せてもらい、Gen7の7.3.3-7015以前か、Gen8の8.2.2-8015以前かを、当たる・当たらないで書く
  • SSLVPNのログインの設定を開いてもらい、SAMLを使っているかを、使っている・使っていないで書く
  • SSLVPNに並んでいるログインの方式を、SAML以外も含めて全部書き出し、数を台帳に書く
  • 担当サイトの管理画面や社内ツールから3つを選び、ログインの入口を、1つにつき1行で、台帳に書き出す
  • 書き出した入口ごとに、自分の試験用のアカウントでログインの直前まで進み、MFAの確認が入るかを、入る・入らないで書く
  • パスワードの再設定と、MFAの登録のやり直しの入口で、MFAの代わりに何で本人を確かめているかを、1行で書く
  • アプリ用のパスワードやAPIのトークンなど、MFAを通らない方式が使えるかを、使える・使えないで書き、使えるものの数を書く
  • 使っていない古いログインの入口(古い管理画面のアドレスなど)を、担当者に聞いて、止められるものの数を書く
  • 機器を修正版へ更新した後に、手順4と同じ確認を、SAMLの入口とそれ以外の入口の両方で行い、結果と日付を書く
  • 次の確認日を台帳に書き、その日に、告知の更新履歴の行の数と日付を、もう一度開いて比べる

06 代替・他の選択肢 — 更新までの間と、入口が多いサイトでできること

状況ごとに、表で並べる

告知の対策は、最新版への更新である。それ以外の行は、出典に書かれていない筆者の案で、どれを選ぶかは、担当サイトの事情で決まる。

状況選べる対応利点注意すること
すぐ更新できる修正版へ更新する告知が書いた対策そのもの更新の前後で、自分の試験用のアカウントで、SSLVPNへログインできるかを確かめる
日にちを置かないと更新できない更新の日を決め、それまで、SSLVPNを使う人と、使っていない利用者の数を、台帳に書く更新の順番を、顧客に説明しやすい告知の「回避策」の欄は「None」。使う人を絞っても、更新の代わりにならない
SAMLを使っていない台帳に「対象外・確認日・誰に聞いたか」を書く告知は、影響をSAMLが有効な場合に限る同じ告知の別の6件には、SAMLの条件が書かれていない(筆者が読んだ範囲)。更新の予定は、別に決める
担当サイトの入口が多い入口の台帳を作り、MFAの無い入口を、止める・掛ける・理由を書く回避されうる道を、数で見られる止めた入口を使っていた人がいないか、先に担当者に聞く
MFAを外したくなった外さないOWASPの手引きは、MFAを、パスワードに関する攻撃の大半への飛び抜けて良い防御と書く外す前に、入口を数える

入口の候補を調べる道具

当サイトの🔧 【セキュリティ】WEBサイトの 外からできるセキュリティ対策監査ツール★ミエルン — 外から見える入口の候補を探す(利用には無料の会員登録が必要です)は、ページの説明によれば、外から、ポートの探索、ディレクトリやファイルの探索、APIの入口の検出ができる。ログインの入口かどうかを、このツールが判定するとは、説明に書かれていないので、確かめていない。見つかった候補を、台帳の入口の列に足すための手がかりとして使える。Basic認証を残している入口があるなら、🔧 【セキュリティ】Apache ベーシック認証パスワード発行 — Basic認証のパスワードの文字列を作るで、パスワードの文字列を作れる。管理用のパスワードを作るときは、🔧 【運営】パスワード・ジェネレーター、シンプルで使いやすさにこだわってみた、ツール — 管理用のパスワードを作るが使える。Basic認証のパスワードのファイルの置き場所は、ブログの「Basic認証のパスワードのファイルが、公開の場所の中に9本あった ── 外からは全部403だったが、読めなかったのは1つの決まりのおかげだった。確かめ方と、公開の外へ移した記録」に書いた。

実務のヒント

入口の台帳は、「MFAが掛かっている」を書く欄より、「掛かっていない」を書く欄を、先に作ると、埋めやすい。0と書けるのは、すべての入口を開いて、確かめた後だけである。

07 当サイトで確かめたこと — SonicWallは使っていない。ログインの入口の棚卸しは、まだしていない

この製品は、使っていない

当サイトは、SonicWallの機器を使っていない。したがって、当サイトで更新した記録は無く、05章の3〜6番目の項目と12番目の項目は、担当サイトに向けて書いた。

当サイトのログインの入口は、まだ数えていない

当サイトの会員の画面には、ふだんのログインのほかに、パスワードを忘れたときの再設定の画面がある(当サイトの無料ツールの1つ、パスワード・ジェネレーターの説明が、この再設定に触れている)。それらの入口で、MFAが掛かるか、掛かる入口と掛からない入口があるかは、この記事の時点で、まだ確かめていない。05章の7番目から11番目の項目を、当サイトで行い、結果を日付つきでこの章に書き足す。

確かめていないこと

  • 当サイトの各ログインの入口の数と、MFAの有無。
  • SonicWallの告知の、更新履歴の後の変更。11月7日に読んだ時点の更新履歴は、初版(11月6日)の1行だった。

08 このテーマは、ここまで — 悪用確認リストを追った記事から、ログインの入口へ

これまでの記事

当サイトは、悪用確認リストに載った製品を、担当サイトの台帳に落とす形で、1本ずつ書いてきた。

今回の記事の位置

これまでの記事は、機器や部品の版と更新の優先順位を扱った。今回は、ログインの入口の数へ視点を移した。入口の確認は、サービスや担当者が増えるたびにやり直しになる、というのが筆者の読みである。

2026年11月7日 — この記事の確認日

SonicWallの告知の最終更新日は2026年11月6日で、更新履歴は初版の1行だった。NVDの記録の状態は「Undergoing Analysis」(訳: 分析中)で、NVD自身の点数は、まだ付いていなかった。この日以降に、告知や記録が更新された場合は、05章の2番目の項目で、書き写した版を、もう一度比べる。当サイトの、期限の日に自分の環境で確かめた記録は、ブログの「PHPの2件の脆弱性が悪用リストに載り、期限は10月29日だった ── 期限の日に当サイトで確かめた4つと、自分の記事の言い過ぎ、期限を自分のサイトの期限に読み替える方法」にある。

SonicWall SonicOSのSSLVPNは、SAMLで強制した多要素認証を別の方式の資格情報で回避されうるとして、11月6日に悪用確認リストへ載った。期限は11月20日。担当サイトのログインの入口を数え、MFAの掛かり方を確かめる13項目をまとめる。
2025/05/31
THU
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池田 南美夫
もうすぐ●●歳。ずっーと現役SE。日本にインターネットが上陸してから、ずっーと携わる。 ほんとは超アナログ人間のギター弾き、バンドマン。でも音楽活動とSE、案外似てる。