トップページ > Adobe Commerce / Magentoの脆弱性は、修正の公開から105日後にCISAの悪用確認リストへ載った。月の名前が付いたパッチ名を版の表示で読む ── ECサイトの基盤の更新を確かめる13項目(2026年10月時点)

Adobe Commerce / Magentoの脆弱性は、修正の公開から105日後にCISAの悪用確認リストへ載った。月の名前が付いたパッチ名を版の表示で読む ── ECサイトの基盤の更新を確かめる13項目(2026年10月時点)

目次
  1. 01 何が書いてあるか — Adobe Commerce / Magentoが10月27日に悪用確認リストへ載った。修正は7月14日に出ていた
    1. カタログの行を読む
    2. 日付の間隔を数える
    3. 「悪用はつかんでいない」と「悪用の証拠がある」
  2. 02 なぜ・背景 — 「直った版が出た日」と「急ぐべき日」は別の日になる
    1. 修正の公開日は、安全になった日ではない
    2. 間隔の理由は、日付からは分からない
    3. 運用を任せていると、誰も数えない
    4. 期限の欄は、日本の会社には義務ではない
  3. 03 用語 — 出てくる言葉を、先にそろえる
    1. 月の名前の付いたパッチ名の読み方
    2. CVSSの「Critical」
  4. 04 型別 — 対象の版、確かめられないこと、確かめる手順
    1. 🅰 適用範囲 — 製品ごとの影響を受ける版
    2. 🅱 この情報が測っていないこと
    3. 🅲 手順1 — ECサイトの基盤が何かを、運用者に聞く
    4. 🅲 手順2 — 版の表示を読んで、パッチ名と突き合わせる
    5. 🅲 手順3 — アップロードを受け付ける欄を数える
    6. 🅲 手順4 — 運用を委託している場合の聞き方
    7. 🅲 手順5 — 間隔を、自分の更新の決まりにする
  5. 05 明日、担当サイトで確認できることチェックリスト
  6. 06 代替・他の選択肢 — すぐに更新できないときの考え方
    1. CISAの必要な対応の欄は、3つの選択肢を書いている
    2. 更新の知らせを待つ側の工夫
  7. 07 当サイトで確かめたこと — ECの基盤は動かしていない
  8. 08 このテーマは、ここまで — 悪用確認リストを追った記事の流れ
    1. これまでの記事
    2. 今回の記事の位置
  9. 09 この記事のまとめ

01 何が書いてあるか — Adobe Commerce / Magentoが10月27日に悪用確認リストへ載った。修正は7月14日に出ていた

引用について

この記事は、CISAの悪用確認リストのカタログ、CISAの説明のページ、運用指令BOD 26-04のページ、NVD(米国の脆弱性データベース)の記録、Adobeのセキュリティ情報(APSB26-73)を、2026年10月30日に開いて確かめた内容を書いている。英文は一字ずつ引き写さず、記事の筆者が日本語に直した要旨で書く。出典に書かれていない筆者の読みと案は、「筆者の読み」「筆者の案」と書いて分ける。なお、Adobeのセキュリティ情報の一覧のページは開けなかったが(アクセスが拒否された)、CISAの行の備考欄が案内している告知のページはブラウザで開いて読み、この記事で使うAdobeの記述はそこから取った。

CISA(米国のサイバーセキュリティの政府機関)の「悪用が確認された脆弱性」の一覧に、2026年10月27日、Adobe Commerce / Magentoの脆弱性CVE-2026-48356が加わった。Adobe CommerceとMagento Open Sourceは、ECサイト(ネットショップ)を動かす基盤のソフトである。会社のECサイトがこの基盤で動いていると、サイトの訪問者に見える画面の裏側で、この脆弱性の影響を受けうる。

この件で目を引くのは、日付である。Adobeが修正を出したのは2026年7月14日で、悪用の確認を受けた一覧への追加は10月27日だった。この記事は、脆弱性の中身の解説ではなく、「直った版が出た日」と「急ぐべき日」の間隔を日付から読む方法と、月の名前が付いたパッチ名の読み方に絞る。一覧の期限の欄の読み替えは、既存の解説記事に任せて、リンクで済ませる。

カタログの行を読む

CISAのカタログでCVE-2026-48356の行を開き、NVDの記録と、Adobeの告知のページを開いた。3つの記述を、同じ表にまとめる。

項目CISAの一覧NVDAdobeの告知(APSB26-73)
名称Adobe Commerce and Magento Unrestricted Upload of File with Dangerous Type Vulnerability(訳: Adobe CommerceとMagentoの、危険な種類のファイルを制限なしにアップロードできる脆弱性)CWE-434(同じ種類の弱点)重大、重要、中程度の脆弱性を直す更新
日付追加日 2026年10月27日公開 2026年7月14日、最終更新 2026年10月28日告知の日 2026年7月14日、最終更新 2026年8月11日
期限2026年11月10日——
深刻度ランサムウェアでの利用は「不明」。侵害の調査(BOD 26-04)は「不要」CVSS 3.1で9.3(Critical)。ベクトルの最後はA:NCVSS base scoreは9.6。ベクトルの最後はA:L。影響の項目は「Privilege escalation」(権限の昇格)。悪用に認証が必要かは「No」。優先度は「2」(定義はこの記事では確かめていない)
悪用の記述悪用の信頼できる証拠があるから載っている—8月11日の更新の時点では、悪用の事例はつかんでいない、と書く

NVDの説明文の要旨は、危険な種類のファイルを、制限なしにアップロードできる問題があり、現在の利用者の権限で任意のコードが実行される場合がある、というものである。悪用には利用者の操作が要り、影響の範囲が変わる、とも書かれている。CISAの行の必要な対応の欄は、ベンダーの指示に沿った緩和策、BOD 26-04の手引き、緩和策がなければ製品の使用をやめること、そして、資産ごとにインターネットへの公開の有無を評価することを書いている。影響の書き方は、Adobeの告知が権限の昇格、NVDの説明文が任意のコードが実行される場合があること、と違っていて、同じ脆弱性を2つの文書が別の言い方で書いている。

日付の間隔を数える

7月14日から10月27日までを数える。7月の残りが17日、8月が31日、9月が30日、10月27日までが27日で、合計105日になる。一覧への追加から期限の欄(11月10日)までは14日、7月14日から期限の欄までは119日になる。Adobeの告知の最終更新(8月11日)から一覧への追加までは77日である。

Adobeの告知と修正版の公開の7月14日、告知の最終更新の8月11日、CISAの一覧への追加の10月27日、期限の欄の11月10日を横の線上に並べ、間隔の28日、77日、14日と合計105日を書いた図
CVE-2026-48356の日付の並び。間隔の日数は、記事の筆者が日付から数えた

「悪用はつかんでいない」と「悪用の証拠がある」

Adobeの告知(8月11日の更新)は、この更新で直した問題について、悪用の事例はつかんでいない、と書く。一方、CISAの一覧は、10月27日の時点で、悪用の信頼できる証拠があるから載せた。2つは矛盾しない。書かれた日が違う。告知は8月11日までの状況を書き、一覧は10月27日の状況を書いている。Adobeの告知が書き換えられたかどうかは、筆者が開いた時点では分からない。

02 なぜ・背景 — 「直った版が出た日」と「急ぐべき日」は別の日になる

修正の公開日は、安全になった日ではない

修正版が出た日は、「直せるようになった日」である。自分のサイトに当てた日が、そのサイトにとって「安全になった日」にあたる。ECサイトの基盤の更新は、決済や在庫やテーマ(見た目)に影響しうるため、すぐに当てられないことがある。その結果、修正が公開されてから、自分のサイトに当たるまで、数か月かかる場合が出る。今回の105日は、その間隔の長さを示す日数の1つである。

間隔の理由は、日付からは分からない

7月に出た修正が、10月に悪用の確認を受けた。この間に何があったか、つまり、なぜ10月だったのか、誰が悪用したのかは、CISAの行にも、NVDにも、Adobeの告知にも書かれていない。理由は書かれていないので、この記事も理由を書かない。読めるのは、日付の間隔だけである。間隔から言えることは1つだけで、「修正を7月に当てていたサイトには、10月27日の追加で新しい作業は増えない」ということである。当てていなかったサイトは、10月27日から先を急ぐ。

運用を任せていると、誰も数えない

ECの基盤の更新は、制作会社やECの運用会社に任せていることが多い。任せている側の担当者は、パッチ名を見ても、それが自分のサイトの何に当たるかが分かりにくい。任された側は、「更新の知らせは担当者に送ったはず」と考えがちである。これは筆者の読みで、誰かの落ち度を指す話ではない。7月の修正が当たっているかを、誰が数える担当なのかが決まっていなければ、数えられないまま秋を迎える。

期限の欄は、日本の会社には義務ではない

一覧の期限の欄の日付は、米国の連邦の行政機関に向けた決まりである。CISAの説明のページは、連邦の行政機関には、決められた期間内に直す義務があると書き、ほかの組織には義務はないが、優先して直すよう強く勧める、と書く。読み替え方は、CISAの悪用確認リストにPHPの2件が載り、期限の欄は10月29日だった。拘束されるのは米国の連邦機関で、一般のサイトは優先順位の目安として読む ── 担当サイトの更新期限に読み替える13項目(2026年10月時点)に書いた。

03 用語 — 出てくる言葉を、先にそろえる

用語

Adobe Commerceは、有料で、Adobeが提供するECの基盤である。Magento Open Sourceは、無料で公開されているECの基盤で、Adobe Commerceと同じ系統から生まれた。両方とも、版の数字は2.4.xのように書かれる。今回の告知は、2つを同じ告知の中で扱っている。

用語

パッチ名は、更新の名前である。告知の影響を受ける版の欄には、2.4.8-p5のような、末尾に「p」と数字の付いた名前が出てくる。この「p」は、パッチの回数を数える従来の書き方と読める。修正版の欄には、2.4.8-2026-julのような、月の名前が付いた名前が出てくる。

用語

CWE-434は、「危険な種類のファイルを、制限なしにアップロードできる」弱点の分類番号である。アップロードを受け付ける欄が、受け付ける種類を厳しく絞っていないと起きる、種類の名前である。個別の脆弱性の番号(CVE)とは別の分類である。

月の名前の付いたパッチ名の読み方

Adobeの告知に出てくる修正版の名前を、読み方の例として並べる。2.4.9-2026-julは、「2.4.9」の系列に、「2026年7月」の更新を当てた版、と読める(筆者の読み)。告知の日付が7月14日なので、月の名前が公開の月に対応していると考えるのが自然である。ただし、月の名前の付け方の決まりを、Adobeの公式の説明で確かめることは、この記事ではできなかった。

影響を受ける版の書き方の2.4.8-p5と、修正版の書き方の2.4.8-2026-julを並べ、系列、従来のパッチの番号、月の名前の3つの部分に分けて、筆者の読みとして読み方を書いた図。月の名前の付け方の決まりは、公式の説明では確かめていない
パッチ名の読み方の例。告知の書き方を、記事の筆者が3つの部分に分けた読みで、月の名前の決まりは確かめていない

CVSSの「Critical」

CVSSは、脆弱性の深刻さを0から10の点数で表す仕組みである。9.0以上は「Critical」(重大)と呼ばれる。今回は、Adobeの告知が9.6、NVDの記録が9.3で、点数が違う。NVDの記録の9.3は、NVDとAdobe(CVEを登録する側)の両方の値である。違いの理由は、どちらの文書にも書かれていない。点数が高いことと、悪用が確認されたことは別の話で、今回は2つが重なっている。

04 型別 — 対象の版、確かめられないこと、確かめる手順

🅰 適用範囲 — 製品ごとの影響を受ける版

Adobeの告知(APSB26-73)に書かれた、影響を受ける版を表にした。

製品影響を受ける版(告知の書き方)修正版の名前
Adobe Commerce2.4.9、2.4.8-p5以前、2.4.7-p10以前、2.4.6-p15以前、2.4.5-p17以前、2.4.4-p18以前2.4.9-2026-julから2.4.4-2026-julまで、系列ごと
Magento Open Source2.4.9、2.4.8-p5以前、2.4.7-p10以前、2.4.6-p15以前2.4.9-2026-julから2.4.6-2026-julまで、系列ごと
Adobe Commerce B2B1.5.3、1.5.2-p5以前、1.4.2-p10以前、1.3.4-p17以前、1.3.3-p18以前1.5.3-2026-julなど、系列ごと
Adobe Commerce Events1.6.0から1.20.01.21.0

この表は、告知の全体の対象である。CVE-2026-48356が、このうちどの製品に当たるかは、NVDの記録に書かれた範囲(Adobe Commerceの2.4.4から2.4.9、B2Bの1.3.3から1.5.3、Magento Open Sourceの2.4.6から2.4.9、Eventsの1.6.0以上1.21.0未満)から読む。告知の本文の中で、このCVEの行をひとつずつ確かめることは、この記事ではしていない。

🅱 この情報が測っていないこと

3つの公式情報が書いていないことも多い。どのサイトが実際に悪用されたか、いつから悪用されていたか、誰が悪用したかは、どこにも書かれていない。7月から10月までの間に何が起きたかも書かれていない。また、自分のサイトの版が何かは、公式の情報からは分からない。EC基盤の版は、外から見えないことが多く、運用者に聞くしかない。この記事は、攻撃の方法や手順を書かない。守る側が確かめられるのは、版、パッチ名、アップロードを受け付ける欄、運用の委託先の答えの4つである。

注意

NVDの記録は、日々書き換わる。影響の範囲の書き方も、あとで直される可能性がある。更新の判断は、Adobeの告知と、自分のサイトの版の表示で行う。NVDは確かめる材料の1つとして使う。

🅲 手順1 — ECサイトの基盤が何かを、運用者に聞く

最初の作業は、会社のECサイトが、Adobe CommerceかMagento Open Sourceかを聞くことである。外から見える画面だけでは、基盤は分からないことが多い。聞く相手は、制作会社の窓口、ECの運用会社、サーバーの運用者である。「Adobe CommerceかMagento Open Sourceか、別の基盤か」の3択で聞くと、返事が短く返る。別の基盤なら、今回の件は台帳に「対象外」と書いて終わる。

🅲 手順2 — 版の表示を読んで、パッチ名と突き合わせる

基盤が対象なら、運用者に、今の版の表示を見せてもらう。表示の場所と出し方は、筆者が開いたAdobeのページ(リリース済みの版の一覧、リリースノートの概要)には書かれていなかったので、確かめられていない。画面かコマンドの出力を、運用者に写してもらう。写したら、次の順で比べる。

  1. 系列(2.4.9、2.4.8、2.4.7など)が、上の表のどれに当たるかを見る。
  2. 末尾が「-p」と数字なら、その数字が表の「以前」に収まるかを見る。2.4.8-p5なら、影響を受ける版の最後の番号である。
  3. 末尾が「-2026-jul」なら、7月の修正版と読める(筆者の読み)。その後に、さらに新しい更新が出ていないかは、Adobeの案内で確かめる。

系列によっては、末尾に何も付かない(例: 2.4.9)。2.4.9は、告知の影響を受ける版の一覧に出ているので、末尾に「-2026-jul」が付いていなければ、修正は入っていないと読む。「-p」が付いた名前は、告知の書き方では、「以前」と一緒に出てくる。自分の版が「-p」付きで、その番号が表の「以前」に収まるなら、7月の修正版に上げる予定が必要になる。

🅲 手順3 — アップロードを受け付ける欄を数える

この脆弱性の種類は、アップロードの欄が、危険な種類のファイルを受け付けてしまう、というものである。守る側が確かめられるのは、自社のECサイトに、アップロードを受け付ける欄がいくつあって、それぞれが何を許すかである。欄の例は次のとおり。

  • 商品の画像を登録する欄(管理画面)
  • 商品の説明に添付するファイルの欄
  • お客様がファイルを添付できる欄(見積もりの依頼、返品の理由など)
  • 管理画面の、一括の取り込みの欄

欄ごとに、画面の説明文に書かれた「受け付ける種類」を書き写す。説明文がなければ、運用者に聞く。画像だけの欄が、画像以外の種類も受け付けていないかを見る。試す場合は、本番ではなく、自社の試験用の環境だけで、中身が無害な1行の文字だけのファイル(拡張子は.txt)を入れて、断られるかを見る。断られれば、その欄は種類を絞っている。受け付けてしまったら、運用者に伝えて、設定を直してもらう。

🅲 手順4 — 運用を委託している場合の聞き方

運用を任せている場合は、次の5つを、書面で聞く。口頭の返事は、あとで残らない。

  1. うちのECサイトの基盤と、今の版は何か。
  2. 2026年7月14日のAdobeの告知(APSB26-73)の修正を当てたか。当てたなら、いつか。
  3. 当てていないなら、理由は何か、いつ当てる予定か。
  4. 7月の修正を当てた後に、サイトの動作の確認(決済、在庫、テーマ)をしたか。
  5. 今後、Adobeが更新を出したとき、何日以内に当てる決まりがあるか。

3番目の理由は、遅れを責めるためではなく、当てられない事情の中身を知るために聞く。決済の確認に時間がかかる、テーマが新しい版で崩れる、といった理由なら、更新の手順そのものを見直す材料になる。

🅲 手順5 — 間隔を、自分の更新の決まりにする

今回の105日を、自社の決まりにするなら、筆者の案は次のとおりである。「提供元が修正を出した日から、14日以内に当てる」(筆者の案で、公式の基準ではない)。14日は、一覧の追加日から期限の欄までの日数に合わせた。社内の事情で14日が無理なら、30日でもよいが、その場合は、延ばした理由を台帳に書く。決まりがないと、105日のような間隔が、誰の責任でもなく生まれる。

ECの運用を委託している場合に、基盤と版、7月の修正を当てたか、当てていない理由、当てた後の動作確認、今後の更新の決まりの5つを順に聞く図
委託先に聞く5つの質問。記事の筆者の案

05 明日、担当サイトで確認できることチェックリスト

以下は、ECサイトの基盤の更新が7月の修正まで届いているかを確かめ、更新の間隔を自社の決まりにする13項目である。1〜3番目は公式情報の読み取り、4〜6番目はECサイトの基盤と版の確認、7〜9番目はアップロードの欄の確認、10〜12番目は委託先への確認、13番目は更新の決まりの記録である。1項目は5分以内でできる。チェックの状態は、お使いのブラウザに保存され、サーバーには送られない。

  • CISAの悪用確認リストのカタログを開き、「Adobe」で絞って、CVE-2026-48356の行の追加日(10月27日)と期限の欄(11月10日)をメモ帳に書き写す
  • Adobeの告知(APSB26-73)を開き、告知の日(7月14日)と最終更新(8月11日)をメモ帳に書き写して、追加日までの日数を数える
  • 告知の影響を受ける版の表から、自社の基盤(Adobe Commerce、Magento Open Source)の行を選び、系列ごとの修正版の名前を書き写す
  • 会社のECサイトの基盤が、Adobe Commerce、Magento Open Source、別の基盤のどれかを、運用者に1通のメッセージで聞く
  • 返事が「別の基盤」なら、台帳に「CVE-2026-48356は対象外・確認日」を1行書く。返事が対象なら、基盤の名前を台帳の1行目に書く
  • 対象の基盤について、運用者に版の表示を見せてもらい、系列とパッチ名をそのまま書き写す
  • 写したパッチ名が、「-2026-jul」で終わるか、「-p」と数字で終わるかを、台帳の「修正の状態」の列に書き分ける
  • ECサイトで、アップロードを受け付ける欄を、商品の画像、添付、お客様の添付、一括の取り込みの4つから探し、画面で見つかった数を書く
  • 見つかった欄ごとに、画面の説明文に書かれた「受け付ける種類」を書き写し、説明文がない欄は運用者に聞く項目に入れる
  • 自社の試験用の環境がある場合だけ、その環境で、画像だけの欄に、中身が1行の文字だけの.txtのファイルを入れて、断られるかを1欄ずつ見る
  • 運用を委託している場合は、「7月14日の修正を当てたか、いつか」を、委託先へ書面で聞く
  • 「当てていない」と返事が来たときのために、理由、当てる予定日、当てた後の動作確認の3つを聞く質問文を、下書きに保存する
  • 提供元の修正を何日以内に当てるかを、自社の決まりとして1行で決め、台帳の見出しに書く

06 代替・他の選択肢 — すぐに更新できないときの考え方

CISAの必要な対応の欄は、3つの選択肢を書いている

CISAの行は、必要な対応として、ベンダーの指示に沿った緩和策、BOD 26-04の手引きに従うこと、緩和策がなければ製品の使用をやめること、を書いている。この3つを、会社のECサイトに当てはめて並べる。(筆者の整理)

選択肢向く場面先に決めること
修正版へ更新する修正版が出ていて、動作確認の時間が取れる更新日と、更新の前の控え、戻し方
更新までの間、提供元の案内する緩和策を使う動作確認に日数が必要緩和策の出どころ(提供元の案内か)と、解除する日
使用をやめる更新も緩和策もできず、売上への影響より危険が大きい止める判断をする人と、止める手順

2番目の緩和策は、筆者が読んだAdobeの告知の範囲では、具体的な内容が見当たらなかった。あるとすれば、提供元の案内に書かれているはずである。出どころが分からない緩和策は使わないのが原則である。3番目は重い判断なので、更新が無理だと分かった時点で、早めに社内で話す。

更新の知らせを待つ側の工夫

提供元の告知を、週に1回開く日を決めると、ニュースが先に届く状態から抜けられる。告知の日付と、自社の更新の日付を、台帳に並べて書く。日付の差が、そのまま「放置した日数」になる。差が30日を超えたら、理由を書く、という決まりを置くだけで、105日のような間隔が起きにくくなる(筆者の案)。

実務のヒント

台帳の「版」の列には、「2.4.8-p5」のように、画面に出た文字をそのまま書く。「最新」「新しめ」という書き方は、あとで何も比べられない。

07 当サイトで確かめたこと — ECの基盤は動かしていない

2026年10月30日に、当サイトのサーバーで、Magentoのパッケージが入っているかを数えた。結果は0件だった。当サイトを外から見て、Magentoの標準の住所の1つを開くと、404(見つからない)が返った。この2つの確認が示すのは、当サイトを動かすサーバーの上では、Magentoを動かしていないことまでである。当サイトは別のCMSで動いている。

注意

この確認は、当サイトのサーバーの上だけの結果である。住所が404なのは、その住所に何もないという意味で、ECの基盤が別の場所で動いていない、という証明にはならない。当サイトはECサイトを運営していない。

この記事で書いた「間隔を数えて、自社の決まりにする」考え方は、当サイトが自分のPHPで確かめた記録とつながる。PHPの2件の脆弱性が悪用リストに載り、期限は10月29日だった ── 期限の日に当サイトで確かめた4つと、自分の記事の言い過ぎ、期限を自分のサイトの期限に読み替える方法に書いた。

08 このテーマは、ここまで — 悪用確認リストを追った記事の流れ

これまでの記事

当サイトでは、2026年10月に入って、悪用確認リストに載った製品を何度か取り上げた。時系列で並べる。

今回の記事の位置

これまでの記事は、PHPやWordPressのように、修正が出た日にすぐ確かめる話が中心だった。今回は、修正が出てから悪用の確認までに、3か月半あいた例を扱った。担当サイトの一覧の作り方は、PHPの修正版が出た日に「どのサイトが当たるか」を数分で答えるには、担当サイトの一覧が要る ── 台帳の8列を埋めて確かめる13項目(2026年10月時点)にある。この一覧に、「基盤の名前」「パッチ名」「修正を当てた日」の3列を足すと、今回の確認が1分で終わる。 🔧 WEBサイト総合分析・レポートツール — 公開ページの状態をまとめて確認するは、公開ページの状態を見る入口になる。ECの基盤の版そのものは、このツールでは分からない。

Adobe Commerce/MagentoのCVE-2026-48356は、7月14日の修正から105日後の10月27日にCISAの悪用確認リストへ載った。月名付きパッチ名の読み方、アップロードの欄の確かめ方、委託先への聞き方を手順としてまとめる。
2025/05/31
THU
00:00:00

ブラウザ・OS 最新バージョン

毎日更新:2026-11-02 調査更新済
  • Android(stable) 17
  • Chrome Android(stable) 157.0.8103.30
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池田 南美夫
もうすぐ●●歳。ずっーと現役SE。日本にインターネットが上陸してから、ずっーと携わる。 ほんとは超アナログ人間のギター弾き、バンドマン。でも音楽活動とSE、案外似てる。