Chromeの試験的な広告指標は4つあり、良好・不良の基準は無い ── 自社ページの広告の数・密度・重さを確認する13項目(2026年10月時点)
Chromeの試験的な広告指標は4つあり、良好・不良の基準は無い ── 自社ページの広告の数・密度・重さを確認する13項目(2026年10月時点)
目次
01 何が起きたか — Googleの文書に、Chromeの「広告の指標」への案内が加わった
ページエクスペリエンスの文書に加わった一文
Google検索セントラルの「ページ エクスペリエンス」の解説文書に、Chromeが提供する試験的な広告の指標への案内が加わった。英語版の文書には、最終更新日として2026年9月22日(UTC)が表示されている。加わった文は、次のとおりである。
"These experimental CrUX metrics from Chrome can help you understand your site's ad count, ad density, and ad weight metrics."
(訳: Chromeが提供するこれらの試験的なCrUX指標は、サイトの広告の数、広告の密度、広告の重さを知る助けになります。)
この一文が示しているのは、Chromeが測っている「広告の数・広告の密度・広告の重さ」という3つの見方があるということと、それらが試験的な指標であるということである。文書は、ここで指標の中身を詳しく説明していない。指標の定義や測り方は、Chrome側の文書に書かれている。
公式情報
Google検索セントラル:ページ エクスペリエンス(Google Search Central・ドキュメント)。Chrome側の説明:Chrome ad experience measurements(訳: Chromeの広告体験の測定)(Chrome for Developers)。この記事の引用は、2026年10月1日に両方のページを開いて確かめた内容である。
Chromeが2026年9月15日に公開した4つの指標
Chrome for Developersのブログによると、Chromeは2026年9月15日に、Chrome UX Report(CrUX)へ広告に関する4つの指標を加えた。名前は、Ad Count(広告の数)、Ad Density(広告の密度)、Ad Weight: Network(通信による広告の重さ)、Ad Weight: CPU(処理による広告の重さ)である。ブログは、4つとも「experimental(試験的)」と表示してあり、利用者からの意見を受け付ける姿勢を示すためだと説明している。
CrUXは、実際のChromeの利用者の体験を集めて公開しているデータで、Core Web Vitalsの判定(Core Web VitalsのLCP・INP・CLSは「良好・改善が必要・不良」の3段階で判定される ── 自分のサイトで確認する14項目(2026年9月時点))の元になっているものと同じ仕組みである。今回加わった広告の指標は、同じ入れ物に入っているが、中身の扱いは違う。次の項で、その違いを見る。
「良好・不良」の基準が無いことは、Chromeが明記している
Core Web Vitalsには、LCP・INP・CLSそれぞれに「良好」「改善が必要」「不良」の3段階がある。広告の指標には、それが無い。Chromeのブログは、次のように書いている。
"CrUX ad metrics are not part of Core Web Vitals and don't have suggested targets or thresholds"
(訳: CrUXの広告の指標はCore Web Vitalsの一部ではなく、推奨される目標値や基準値も設けられていない。)
基準が無いということは、値を見ても「いくつなら良い」と読めないということである。この記事が、広告の数や密度の「合格ライン」を書かないのは、そのためである。書けるのは、何を・どの画面で・どう数えるかという確認の手順までになる。
「ランキング要因ではない」と読める根拠、読めない根拠
報道を見ると、今回の更新は「広告が多いと順位が下がる合図か」という関心を集めた。Googleの文書は、ページエクスペリエンスについて、次のように書いている。
"Beyond Core Web Vitals, other page experience aspects don't directly help your website rank higher in search results."
(訳: Core Web Vitals以外のページエクスペリエンスの要素は、検索結果での順位を直接高めるものではありません。)
ここから確実に言えるのは、Core Web Vitals以外の要素は、順位を直接押し上げるものとは書かれていないという点までである。広告の指標が順位に影響しないと、文書が個別に断言しているわけではない。Googleのジョン・ミューラー氏は、この点について次のように述べたと、Search Engine Roundtableが2026年9月22日に報じている。
"We included them because they're available as metrics to help evaluate the state of your site. Not everything is a direct search ranking factor!"
(訳: サイトの状態を評価する助けになる指標として使えるので、含めました。すべてが検索順位に直接影響する要素というわけではありません!)
この発言は、報道を通じて確認した内容であり、Googleの文書そのものに書かれた文ではない。したがって、この記事は「広告を減らせば順位が上がる」とも「広告は順位に無関係だ」とも書かない。公式が述べている範囲は、「サイトの状態を評価する材料として使える指標」までである。
公式情報
報道:Google Page Experience Doc Adds CrUX Ad Metrics(Search Engine Roundtable・2026年9月22日)。ミューラー氏の発言は、この報道が伝えた内容として読む。
この記事が扱うのは、「自社ページの広告を、自分で確かめる」手順である
この記事の軸は、広告を載せているページで、最初に見える画面に広告がどれだけ入っているか、広告がどれだけの通信と処理を使っているかを、誰でも使える画面で確かめることである。使うのは、Chromeの開発者ツール、CrUXの公開画面、そして自社サイトのURLだけである。広告を載せていないサイトは、手順の最初の2つで「該当なし」と分かる。その確かめ方も、あわせて書く。
02 なぜ・背景 — 広告は、見やすさと重さの両方に関わる
広告は、画面の面積と、通信と、処理の3つを使う
ページに広告を載せると、読者の画面では3つのことが起きる。1つ目は、広告の枠が画面の面積の一部を占めること。2つ目は、広告の画像や動画、広告を表示するためのスクリプトが、通信を使うこと。3つ目は、そのスクリプトを動かすために、端末の処理が使われることである。Chromeの4つの指標は、この3つを別々に数える形になっている。広告の数と密度が1つ目に、広告の通信量が2つ目に、広告の処理時間が3つ目にあたる。
どれも、広告を載せた側が自分のページで目にしにくい数字である。サイトの運営者は、広告の枠を設置した時点の見た目は知っているが、読者の端末で、広告の読み込みがどれくらいの通信と処理を使っているかは、画面からは分からない。この「見えにくい部分」を数字にして見られるようにしたのが、今回の指標である。
「試験的」とは、基準がまだ決まっていないという意味である
ChromeはCore Web Vitalsに、年月をかけて基準値を設けてきた。広告の指標は、公開されたばかりで、「試験的」と明記され、基準値も設けられていない。ブログは、試験的と表示する理由を、利用者の意見を受け付けるためだと説明している。つまり、指標の定義や数え方が、今後変わる可能性がある。
公式が書いていないことも、確認しておく
Googleの文書とChromeの文書を読んで、書かれていないことが2つある。第一に、広告の指標が検索結果の順位にどう使われるかは、書かれていない。第二に、「広告の数がいくつまで」という目標値は、書かれていない。これらを「あるはず」「ないはず」と決めつけず、書かれていない部分は、書かれていないと扱う。
03 この記事で出てくる用語
CrUXと「75パーセンタイル」
用語
CrUX(Chrome UX Report):実際のChromeの利用者が、サイトを開いたときの体験を集めて公開しているデータ。数字は、実際の利用者の端末から集まったものである。75パーセンタイル:利用者を、数値が小さい順に並べたとき、全体の4分の3の位置にいる人の値。「たいていの利用者は、この値以下で済んでいる」という見方ができる。Chromeの文書は、広告の指標を75パーセンタイルで報告すると書いている。
平均ではなく75パーセンタイルを使う利点は、一部の極端に重い読み込みに、全体の数字が引っ張られにくいことである。ただし、CrUXに自社サイトのデータがあるかどうかは別の話で、公開の条件がある。条件は、04章と05章で触れる。
広告の数と、広告の密度
用語
広告の数(Ad Count):見えている画面の中にある、広告の枠の数。画面に一部でも入っていれば、1つと数える。広告の密度(Ad Density):見えている画面の面積のうち、広告の枠が占める割合。広告の枠どうしが重なっている場合は、重なった部分を1回だけ数える。
広告の重さ(通信と処理)
用語
広告の重さ:広告のスクリプトや素材を読み込んで動かすために使われた通信と処理の合計。Chromeは「通信(Network)」と「処理(CPU)」の2つに分けて数える。画面に表示されていない広告(display: noneで隠されたもの)は、数と密度には入らないが、重さの2つには入ると、Chromeの文書は説明している。
この点は、数と密度の数字が小さくても、重さの数字が大きくなりうることを示している。見た目には広告が少ないページでも、画面に出していない広告のスクリプトが動いていれば、通信と処理は使われる。
初期表示(スクロール前の画面)
この記事では、ページを開いて、スクロールする前に見える範囲を、初期表示と呼ぶ。Chromeの指標のうち、広告の数と密度は、スクロールしながら見える画面の平均で計算され、広告の通信量と処理時間は、訪問中の累計で計算されるが、確認の手順としては、まず初期表示の1画面だけを数えるほうが、5分で終わる。パソコンとスマートフォンでは画面の大きさが違うので、初期表示の範囲は、画面の幅ごとに数える。
広告として判定されるものと、されないもの
Chromeは、広告かどうかを次の3つの仕組みで判定していると説明している。1つ目は、広告の配信元として知られた名前の一覧(EasyListに基づく一覧)と、通信の宛先が一致するかどうか。2つ目は、スクリプトの呼び出しの途中に広告用のスクリプトが含まれているかどうか。3つ目は、広告と判定された枠(iframe)の中から出る通信は、すべて広告として扱うことである。ページ本体(メインのフレーム)が、広告と判定されることはない。
つまり、広告の指標は、自社が「広告のつもりで置いたもの」と、Chromeが「広告と判定したもの」が、一致するとは限らない。確かめる方法は、05章で触れる。
ads.txt
ads.txtは、広告枠を売ってよい会社を、サイトの運営者が公開しておくための小さなテキストファイルである。IAB Tech Labは、ads.txtを「Authorized Digital Sellers(承認されたデジタル販売者)」の略で、サイトの運営者が、広告枠の販売を認める会社を公開するための方法だと説明している。サイトのドメイン直下に、/ads.txtという名前で置く。
この記事でads.txtを取り上げるのは、Chromeの広告の指標が、ads.txtを持つサイトだけを対象にしていると、Chromeの文書が書いているからである。詳しくは、04章で書く。
4つの指標の整理
ここまでの用語を、表にまとめる。単位の書き方は、Chromeの文書によって違う箇所があるため、確認した範囲を注記してある。
| 指標 | 数えているもの | 単位の表記 | 数える前に知っておくこと |
|---|---|---|---|
| 広告の数 | 見えている画面にある広告の枠の数 | 個数(単位は付かない) | 画面に一部でも入れば1つと数える。画面の外の広告は入らない |
| 広告の密度 | 見えている画面の面積のうち、広告が占める割合 | 割合(%) | 重なった広告は、重なった部分を1回だけ数える |
| 広告の通信量 | 広告のスクリプトや素材が使った通信の合計 | キロバイト(ブログの説明は「バイト」と書く) | 表示されていない広告の通信も入る |
| 広告の処理時間 | 広告のスクリプトなどが使った処理の合計 | ミリ秒 | 表示されていない広告の処理も入る |
04 型別 — 適用範囲・この記事が測っていないこと・手順
A. この記事が当てはまる範囲
対象は、自社のサイトに広告を載せている、または載せる予定がある担当者である。広告を載せていないサイトの担当者にとっては、手順の最初の2つで「該当なし」と確認できること自体が、成果になる。広告の出稿側の担当者は、出稿先のサイトを確認するときの手順として、同じ画面を使える。
対象外になるのは、Chrome以外のブラウザでの見え方を調べたい場合と、スマートフォンアプリの中の広告を調べたい場合である。Chromeの文書によると、CrUXの広告の指標は、iOS版のChrome、Android WebView、Chromium以外のブラウザのデータを含まない。
B. この記事が測っていないこと
次の3点は、この記事の範囲外である。第一に、広告の指標を減らすと検索順位や収益がどうなるかは、確かめていない。第二に、PageSpeed Insightsなどの診断ツールが、今回の広告の指標を表示するかどうかは、確かめていない。Chromeの文書は、PageSpeed Insightsでの提供を述べていない。第三に、開発者ツールの画面の表記(タブの名前や日本語表示)は、Chromeのバージョンによって違うことがあり、この記事の手順は、公式の説明に書かれた名前をそのまま使っている。
注意
広告の指標の数字が「大きい」ことと、そのページが「悪い」ことは、同じではない。基準値が無く、広告を収益の柱にしているサイトでは、広告の数が多いことが、事業としては自然な場合もある。この記事の手順は、自社のページの状態を数えて記録するところまでを扱い、減らすべきかどうかは判断しない。
CrUXに自社のデータが出る条件は、2つある
CrUXの画面に自社のデータが出るかどうかには、2つの条件がかかる。1つ目は、CrUX全体の条件である。CrUXの概要は、サイトやページが公開されていて、統計的に意味のある数の訪問者がいることを条件にしている。条件を満たさないサイトは、データが表示されない。
2つ目は、広告の指標に特有の条件である。Chromeの文書は、次のように書いている。
"To support the quality of the metrics reported in CrUX, we include only those sites that list at least one authorized seller in their ads.txt."
(訳: CrUXで報告される指標の品質を保つため、ads.txtに承認された販売者を少なくとも1つ載せているサイトだけを対象にしている。)
同じ文書には、ads.txtが無いサイト、または仮の記録だけが入っているサイトは、広告の指標の報告から除外される、という趣旨の記述もある。つまり、広告を載せていても、ads.txtに販売者を載せていなければ、CrUXの広告の指標には出ない。逆に、広告を載せていないサイトは、この条件を満たさないので、そもそもデータが出ない。
この2つの条件は、Chrome for DevelopersのCrUX ad metrics measurement methodology(訳: CrUXの広告の指標の測定方法)と、Chrome UX Report(CrUX)の概要に書かれている。ads.txtの定義は、ads.txt - Authorized Digital Sellers(IAB Tech Lab)が説明している。
CrUXに出なくても、開発者ツールなら自分で数えられる
CrUXにデータが出ないサイトでも、ページを開いている自分のブラウザの中で、広告の枠や通信を数える方法がある。Chromeの文書は、開発者ツールのApplicationパネルに「ads」タブがあり、「Highlight Ads」にチェックを入れると、広告と判定された枠が赤く囲まれると説明している。
Networkパネルには「Is ad-related」という列があり、各通信が広告として分類されているかを確かめられる。この2つを使えば、CrUXにデータが無いサイトでも、自分のページを1つずつ数えることができる。
C. 手順の全体像 — 手元で終わるものから、5つの順番で進める
手順は5つに分ける。1つ目は、自社のURLに「/ads.txt」を付けて開くこと。2つ目は、ページのソースで広告配信の会社の名前を検索すること。3つ目は、開発者ツールの「ads」タブで、広告の枠の数と占める割合を数えること。4つ目は、Networkパネルで広告の通信を数えること。5つ目は、CrUX Visに自社のドメインを入れて、公開データがあるかを確かめることである。
05 明日、自社サイトで確認できることチェックリスト
まず13項目を通して見る
以下は、明日、ブラウザとChromeの開発者ツールだけで、自社ページの広告の状態を数えて1枚の記録にするまでの項目である。チェックの状態はブラウザに保存され、サーバーには送信されない。上から順に行うと、1〜3番目が広告があるかどうかを確かめる作業、4〜10番目が自分のページを数える作業、11〜13番目が公開データを見て記録する作業になる。
実務のヒント
数えた画面を、あとから見返せる形で残したいときは、当サイトの🔧 WEBサイトのスクリーンショット、まとめて撮っちゃおツールが使える。ただし、自動で撮った画像は、読者が実際に見る画面と違うことがある(理由は06章で触れる)。数える作業そのものは、自分のブラウザで行うこと。
- 自社サイトのトップページのURLの末尾に「/ads.txt」を付けてブラウザで開き、文字が表示されるか、ページが見つからない表示になるかを控える
- ads.txtが表示された場合は、中身の行数を数え、会社名が書かれた行が1行以上あるか確認する(仮の1行だけではないかを見る)
- 広告を載せていないつもりのサイトは、トップを含む3ページのソースを表示し、検索窓に「adsbygoogle」と「doubleclick」を入れて、ヒット件数を控える
- 広告を載せているサイトは、広告の枠があるページを3つ選び、URLを書き出す
- 選んだ3ページをパソコンのChromeで1つずつ開き、開発者ツールのApplicationパネルで「ads」タブを探し、Highlight Adsにチェックを入れて、赤く囲まれた枠の数を数える
- 同じ画面で、スクロールする前に見えている範囲に入った赤い枠の数だけを、別に数える
- スクロール前の画面の面積を1として、赤い枠の面積の合計が4分の1より大きいか小さいかを、3ページそれぞれ控える
- Networkパネルに「Is ad-related」の列を表示し、広告として分類された通信の行の数を、3ページそれぞれ数える
- 広告として分類された行の転送サイズを足し、キロバイトで3ページ分を控える
- 開発者ツールの端末切り替えで、幅390ピクセル程度のスマートフォン表示にして、6番目と7番目をやり直す
- CrUX Visに自社のドメインを入れ、広告の4つの指標が表示されるか、データが無い表示になるかを控える
- 同じ画面にLCP・INP・CLSが表示される場合は、広告の指標とは別の行として、3つの値を控える
- 1〜12番目の結果を、確認した日付と一緒に1枚の表に書き、3か月後の日付で見直しの予定をカレンダーに1件入れる
広告の「割合」の出し方 — 面積を、画面で割る
7番目の項目にある「4分の1」は、この記事が確認の便宜として置いた目安であり、GoogleやChromeが示した基準ではない。3ページを同じ線で見ることと、線を変えたときに記録を残すことが大事である。
面積の出し方は、枠の幅と高さを掛けて、画面の幅と高さを掛けた数で割る。開発者ツールで枠を選ぶと、幅と高さが表示される。図の例では、幅280・高さ400の画面に、280×50と200×70の2つの枠があり、枠の合計は28,000、画面は112,000なので、4分の1になる。これは説明用の架空の画面であり、実在するサイトの数字ではない。
観点別の内訳と、かかる時間
13項目の所要時間の目安は、次のとおりである。いずれも筆者の見積もりで、サイトの大きさや、広告の数によって変わる。1〜3番目は、広告があるかどうかを確かめる作業で、あわせて10分ほど。4〜7番目は、3ページの広告の枠を数える作業で、25分ほど。8〜9番目は、広告の通信を数える作業で、10分ほど。10番目は、スマートフォン表示でのやり直しで、10分ほど。11〜13番目は、公開データを見て記録する作業で、15分ほどである。すべてで、あわせて1時間10分ほどになる。
1つの項目が5分を超えそうなら、対象のページを3つから1つに減らしてよい。「3ページ」を「1ページ」にしても、数えて記録する作業の意味は残る。
06 代替・他の選択肢(表で)
手段によって、見えるものが違う
次の表は、手段ごとの向き不向きの整理であり、特定の製品の優劣ではない。
それぞれの手段が「できないこと」も知っておく
| 手段 | 向いていること | 使い方 | この手段だけでは分からないこと |
|---|---|---|---|
| ads.txtを開く | 広告の指標の対象になりうるかを知る | 自社のURLの末尾に「/ads.txt」を付けて開く。 | 広告が実際に何個出ているかは分からない |
| ソースの検索 | 広告配信の会社の名前が残っていないかを見る | ページのソースを表示し、広告配信の語を検索する。 | ページを開いたあとに、スクリプトが追加で読み込む広告は、ソースに現れないことがある |
| 「ads」タブ | 広告と判定された枠を、画面上で見分ける | Highlight Adsにチェックを入れ、赤い枠を数える。 | 自分の端末・自分の画面幅での1回の見え方であり、読者全体の数字ではない |
| Networkパネル | 広告として分類された通信を数える | 「Is ad-related」の列を表示し、行を数える。 | 広告の処理(CPU)の重さは、この画面からは分からない |
| CrUX Vis | 読者の端末で集めた公開データを見る | 自社のドメインを入れて、4つの指標を見る。 | データが出る条件を満たさないサイトは、何も表示されない。値の良し悪しを決める基準も無い |
いちばん手軽なのは、ads.txtとソースの検索だが、それだけで完結させず、数えた結果を、広告の枠を実際に開いた画面で確かめるところまでを1セットにするのが安全である。ページ全体の読み込みの重さや、表示の速さを別の面から見たいときは、当サイトの🔧 WEBサイト総合分析・レポートツールで、ページの状態をまとめて確認できる。ただし、このツールが数えるのは広告の指標ではなく、ページ全体の状態である。
画面の幅が違うと、別の数字になる
広告の枠は、パソコンの幅とスマートフォンの幅で、出る数も位置も変わることが多い。10番目の項目で、幅390ピクセル程度に切り替えてやり直すのは、そのためである。パソコンの画面で数えた結果だけを記録すると、スマートフォンで見る読者の画面は、確かめていないことになる。
自動のスクリーンショットも、同じ落とし穴がある。自動で撮った画像が、読者の画面と違うことを扱った記事(「吹き出しが出ていない」と写った ── 壊れていたのは、作ったものではなく写し方だった。自動のスクリーンショットが読者の画面と違う3つ(動き・幅・枚数))には、動き・幅・枚数の3つの違いが書かれている。初期表示の画面を画像で残すときは、撮った幅と、撮った時点の広告の表示状態を、画像と一緒に書き残すとよい。
07 当サイトで数えてみた結果
数えた範囲と方法
当サイトでも、5つの順番のうち、手元で終わる1〜2番目を実際に行った。2026年10月1日に、公開しているサイトマップの309ページから無作為に60ページを選び、それぞれのHTMLを取得した。広告配信の会社を示す10個の語(adsbygoogle・googlesyndication・doubleclick・adservice・amazon-adsystem・criteo・taboola・outbrain・googleadservices・pagead)が、HTMLのどこかに1回でも現れるかを数えた。あわせて、埋め込みの枠(iframe)の数と、ads.txtの有無を調べた。トップ、ブログの一覧、ツールの一覧、解説記事の一覧の4つの入口ページも、同じ10語で調べた。
探す語が正しく反応することは、広告配信の会社のタグに見立てた文字列を1つ入れて、1件ヒットすることを先に確かめてから、本番のページに当てている。
結果は、広告の気配が1つも出なかった
| 確認した項目 | 対象 | 結果 |
|---|---|---|
| 広告配信の語10個 | 無作為の60ページ | ヒットしたページは0ページ |
| 広告配信の語10個 | 入口の4ページ | ヒットしたページは0ページ |
| 埋め込みの枠(iframe) | 無作為の60ページ | 合計0本 |
| ads.txt | サイトのドメイン直下 | 「ページが見つからない」を返した(404) |
| 外部から読み込むスクリプトの種類 | 無作為の60ページ | 60ページとも、ライブラリの配信、アクセス解析、共有ボタンの用途だけ |
60ページのどこにも、広告配信の会社を示す語は現れなかった。ads.txtも置いていない。つまり、当サイトは広告を載せていないサイトであり、Chromeの文書に書かれた条件では、CrUXの広告の指標の対象にならない。この記事で当サイト自身の広告の数や密度を示せないのは、示さないのではなく、数える対象が無いからである。
数えた後に、確認したこと
「0件」と書くときは、何を探して0だったのかを一緒に書くことが大事である。この記事の「0」は、「10個の語を、60ページ+4ページのHTMLの文字列として探したら、1つも見つからなかった」という意味であり、「広告が絶対に出ない」という意味ではない。この考え方は、「0件」に探した数を書いていなかったことを振り返った記事(「0件」に、探した数を書いていなかった ── 9種類で確かめた5日後、73種類で確かめ直した)と、「0件」と「N件」のどちらにも注意が要ると整理した記事(「0件」は安心ではない、「N件」は危険ではない ── 同じ1日に、サイトを調べる針が両方向に倒れた)に詳しい。
この数え方の限界
今回数えたのは、HTMLの文字列だけである。ページを開いたあとにスクリプトが追加で読み込む広告は、HTMLに書かれていないため、この方法では見つからない。開発者ツールの「ads」タブでの赤い枠の確認や、Networkパネルの「Is ad-related」の列の確認は、今回は行っていない。したがって、「当サイトの広告の指標の値は分からない」ではなく、「HTMLの文字列に広告配信の会社の名前は無く、ads.txtも無い」までが、今回確かめた範囲である。
08 このテーマの、これまで
公式の文書の更新の跡
今回の流れを、日付順に並べる。Chromeが広告の4つの指標をCrUXに加えたのが2026年9月15日。Googleのページ エクスペリエンスの文書に、その案内が加わった最終更新が2026年9月22日(UTC)である。Core Web Vitalsの解説(日本語版)の最終更新は2025年12月18日で、広告の指標は、その文書には出てこない。文書によって、広告の指標の扱いが違うという点は、読むときに混ぜないほうがよい。
表示の速さと、当サイトの過去の記事
表示の体験については、当サイトの記事でも繰り返し扱ってきた。Core Web Vitalsの3つの指標の判定の見方は、別の記事(Core Web VitalsのLCP・INP・CLSは「良好・改善が必要・不良」の3段階で判定される ── 自分のサイトで確認する14項目(2026年9月時点))にまとめた。関連して、Core Web Vitalsとクロールの関係を公式文書で確かめた記事もある(Core Web Vitalsは、クロールやリンク評価に影響するのか ── 公式ドキュメントを確認する(2026年8月時点))。この記事は、その手前にある、広告という別の重さを、どう数えるかに絞っている。LCP・INP・CLSの説明は、繰り返さない。
数字は確認した時点のものとして扱う
この記事で引用した公式の文言と日付は、2026年10月1日に確認したものである。広告の指標は試験的と明記されており、定義や数え方、提供する画面は、今後変わる可能性がある。担当者が記録を残すときは、日付と、見た画面と、画面の幅を、数字と一緒に書く。この記事を使うときも、必要に応じてChromeとGoogleの文書を直接開き、最新の記載を確かめてほしい。
現在の貴方のIPアドレス
このサイトで書いている人
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