サイトの評判ポリシーが刷新、EEAで異なる適用方法に ── 自社の第三者コンテンツ区画を確認する12項目(2026年9月時点)
サイトの評判ポリシーが刷新、EEAで異なる適用方法に ── 自社の第三者コンテンツ区画を確認する12項目(2026年9月時点)
01 何が起きたか — 「サイトの評判ポリシー」が刷新され、EEAで適用方法が変わった
2026年8月28日、Googleが公式ブログでポリシーの刷新を発表した
Google Search Central Blogに、「サイトの評判の不正使用(Site Reputation Abuse)」ポリシーの名称と適用方法を刷新するという発表が掲載されました。名称は「サイトの評判のポリシー(Site reputation policy)」に変わり、欧州委員会との協議を経て、欧州経済領域(EEA)内での適用方法が、EEA外とは異なる形に調整されています。この変更は、2026年8月30日から実際に運用が始まりました。名称・適用方法は変わりましたが、第三者コンテンツで人為的な優位性を得るべきではないという基本の考え方そのものは、公式ドキュメント上でも維持されると明記されています。日本語版のヘルプページはこの記事を執筆している時点では未更新のため、旧名称のまま案内されている可能性がある点も、あわせて留意してください。
出典
本記事の公式情報はGoogle Search Central Blog「Update to the Site Reputation Policy(訳: サイトの評判ポリシーの更新)」(2026年8月28日)、およびGoogle公式のスパムポリシー・ドキュメント(英語版)です。当サイトが独自に発表した内容ではありません。
公式ブログの原文には、この変更の背景として次のように書かれています。
"In 2024, we introduced our site reputation policy to stop a practice where third-party content is published on a trusted website just to exploit that site's good reputation to rank higher in Search. This practice hurts search quality, and creates a bad experience for users. Following discussion with the European Commission, we are adjusting our enforcement approach within the European Economic Area (EEA) and clarifying the criteria we consider when applying the policy."
(訳: 2024年、信頼されたウェブサイト上で、そのサイトの高い評判を利用して検索順位を上げるためだけに第三者コンテンツが掲載される慣行を止めるため、サイトの評判ポリシーが導入されました。この慣行は検索品質を損ない、ユーザーにとって悪い体験を生みます。欧州委員会との協議を経て、欧州経済領域(EEA)内での執行方法が調整され、このポリシーを適用する際に考慮する基準が明確化されています。)
EEA内外で、何が具体的に変わるのか
公式ブログは、EEA内外の違いについて次のように説明しています。
"For users outside the EEA, a manual action regarding our site reputation policy will directly affect search results for the portion of the site affected. As before, the rest of the site won't be affected. For users inside the EEA, the impact of the manual action won't apply. The affected section of the site may be separated in our systems so that, over time, it ranks independently from the rest of the site."
(訳: EEA外のユーザーに対しては、サイトの評判ポリシーに関する手動対策が、該当するサイトの部分の検索結果に直接影響します。従来どおり、サイトの他の部分には影響しません。EEA内のユーザーに対しては、手動対策の影響は適用されません。該当するサイトの部分は、システム上で切り離され、時間の経過とともにサイトの他の部分から独立して順位付けされる場合があります。)
つまり、違反と判断された場合の扱いが、ユーザーの所在地によって分かれるようになりました。EEA外では従来どおり手動対策が直接 順位に影響しますが、EEA内では、該当セクションがメインサイトから切り離されて独自に評価される形に変わっています。なお、EEA(欧州経済領域)は、EU加盟国にアイスランド・リヒテンシュタイン・ノルウェーを加えた地域を指す用語です(欧州委員会統計局(Eurostat)の公式用語集)。
02 なぜ・背景 — このポリシーが存在する理由と、EEAだけ変わった理由
そもそも、なぜこのポリシーが必要なのか
公式ドキュメントは、このポリシーの対象を「すでに確立された評価シグナルを持つホストサイト上に、そのホストの評価を利用する目的で第三者コンテンツが掲載され、単独では得られないはずの順位を得ようとする慣行」と定義しています。信頼できるニュースサイトや教育サイトが持つ検索順位への強さを、無関係な第三者のコンテンツが「間借り」する形で利用すると、検索結果全体の品質が下がり、利用者は「信頼できるはずのサイトのはずが、内容が期待と違った」という体験をすることになります。
なぜEEAだけ扱いが変わったのか
公式ブログは、EEAでの調整について「デジタル市場法(DMA)の広範な適用が、検索結果の健全性に対する本当の脅威への対処を妨げかねないと懸念している」としながらも、「今回の調整によって、利用者のために検索結果を操作しようとする試みに対抗し続けられると考えている」と述べています。つまり、EEA域内の規制環境に合わせて執行方法を調整しつつ、ポリシーそのものの目的(検索結果の操作を防ぐこと)は変えていない、という立場です。
デジタル市場法(DMA)は、EUが2022年に成立させた規制で、大規模なオンラインプラットフォームの事業者に対して、公正な競争環境を確保するための義務を課すものです。今回のサイトの評判ポリシーの調整は、この規制の枠組みの中で、Google自身が検索結果の健全性を守る仕組みと、規制が求める公正性の両方を成立させようとした結果と読み取れます。
実務のヒント
この変更はEEA域内のユーザーへの検索結果の見え方に関するものであり、日本国内向けにサイトを運営している場合でも、そのサイトがEEA域内のユーザーにも表示される可能性がある以上、無関係とは言い切れません。特に多言語展開しているサイトでは、04章の適用範囲を確認してみてください。
「abuse(不正使用)」という語が、名称から外れた意味
従来の名称「Site Reputation Abuse」から「abuse」に相当する語が外れ、「Site reputation policy」という中立的な名称に変わりました。これは、第三者コンテンツの存在そのものを問題視するのではなく、それがホストサイトに本当に統合されているかどうかを、より詳細な基準で判断するという、今回の刷新の方向性を反映していると考えられます。基本的な定義と目的は実質的に維持されている、と公式ドキュメントも明記しています。
03 この記事で出てくる用語
サードパーティコンテンツとは
用語
公式ドキュメントはサードパーティコンテンツを「確立されたホストサイトとは別の主体によって制作されたコンテンツ」と定義しています。具体例として、そのサイトのユーザー・フリーランサー・ホワイトラベルサービス・ホストサイトに直接雇用されていない人物によって制作されたコンテンツが挙げられています。第三者コンテンツを持つこと自体は、このポリシーに反しません。問題になるのは、それがホストサイトの確立された評価シグナルを目当てに掲載されている場合だけです。「そのコンテンツが無ければ、単独では今の順位を得られなかったはずか」という視点で考えると、判断の見通しが立てやすくなります。
手動対策(Manual action)とは
用語
手動対策は、Googleの担当者による人的な審査を経て、特定のサイトやページに適用される検索結果上の対応です。自動化されたアルゴリズムによる評価とは別に、ポリシー違反が疑われる場合に人が確認したうえで適用されます。手動対策が適用されると、Search Consoleの手動対策レポートとメッセージセンターに通知が届きます。
再審査リクエスト(Reconsideration request)とは
用語
手動対策を受けたサイトの運営者が、問題を修正したうえでGoogleに再評価を依頼する手続きを再審査リクエストと呼びます。今回の刷新では、EEA向けの再審査リクエストについて、短期間での回答と、判断理由についてのより詳しい説明を提供するとされています。対象となるサイトは、再審査リクエストの後に、裁判外紛争解決や調停の手続きを利用できる場合もあります。
04 型別 — このポリシーの適用範囲・測っていないこと・手順
🅰 適用範囲 — このポリシーが関係するサイト
このポリシーが実際に関係してくるのは、自社サイトの一部に、外部の主体が制作したコンテンツ区画を持つサイトです。具体的には、提携先と共同運営するクーポン・特典情報の区画、外部ライターによる広告記事(アドバトリアル)、寄稿によるコラムやオピニオン記事、ユーザー投稿型のフォーラムやコメント欄などが該当し得ます。逆に、すべてのコンテンツを自社の編集体制のもとで制作しているサイトであれば、このポリシーが直接 問題になる場面は限られます。ただし、サイトを買収・合併した際に、旧サイトが持っていた第三者コンテンツの区画をそのまま引き継いでいるケースもあるため、「自社で作っているつもり」でも、サイトの成り立ちを一度 振り返っておく価値はあります。
🅱 この記事が測っていないこと
この記事が測っていないことも明確にしておきます。第一に、自社サイトの特定のセクションが、実際にこのポリシーに抵触するかどうかという個別の判定は、Googleによる人的審査を経なければ分かりません。この記事はあくまで公式ドキュメントが示す判断基準を整理したものであり、断定的な判定を行うものではありません。第二に、ユーザーの所在地をGoogleがどのように技術的に判定しているかという内部の仕組みは公開されていません。第三に、日本語版ドキュメントがいつ更新されるかは不明です。本記事を執筆している時点では、日本語版ドキュメントは未更新のため、英語版を公式情報として扱っています。
🅲 手順 — 自社サイトを点検する4段階
実際の点検作業は、次の順番で進めます。第一に、自社サイト内に第三者が制作したコンテンツ区画がないかを洗い出します。提携クーポン欄、外部ライターによる記事、フォーラムやコメント欄などが対象です。第二に、見つかった区画それぞれについて、公式ドキュメントが挙げる4つの観点(見え方・品質・著作者表示・重複の有無)で自己点検します。この4観点は06章で詳しく扱います。第三に、統合度が低いと感じる区画があれば、デザインの統一・編集責任の明記・出典の明示など、統合の度合いを上げる対応を検討します。第四に、万が一 手動対策の通知が届いた場合に備えて、Search Consoleの手動対策レポートを定期的に確認する習慣と、再審査リクエストの手続きを事前に把握しておきます。この4段階を、05章のチェックリストに具体化しています。
注意
公式ドキュメントは「どの要素も、それ単独で必須条件または十分条件になるわけではない」と明記しています。4つの観点のうち1つだけを満たしていても、あるいは1つだけ満たしていなくても、それだけで判定が決まるわけではありません。Googleは全体的な状況を考慮すると説明されています。
05 自分のサイトで確認するチェックリスト
チェックリストの4つの観点
ここまでの内容を、今日から手を動かせる作業に翻訳しました。観点は、第三者コンテンツ区画の洗い出し、4観点での自己点検、統合の度合いを上げる対応の検討、通知への備えの4つに分かれます。チェックの状態はブラウザ内にのみ保存され、サーバーには送信されません。
実務のヒント
「第三者コンテンツ」の範囲は、想像より広いことがあります。提携パートナーが更新するクーポンページ・外部ライターへの発注記事・ユーザー投稿機能など、普段は目が向きにくい区画も含めて洗い出すのがポイントです。
- 自社サイト内に、外部の主体が制作したコンテンツ区画がないか一覧を書き出す
- 提携先と共同運営しているクーポン・特典情報の区画がないか確認する
- 外部ライターやフリーランサーへの発注記事が、どの区画に掲載されているか確認する
- ユーザー投稿型のフォーラムやコメント欄の機能を持っているか確認する
- 見つかった区画それぞれについて、デザイン・書式・タイポグラフィがメインサイトと一貫しているか確認する
- その区画にだけ、メインサイトには見られない品質の問題が出ていないか確認する
- その区画の制作・所有・編集責任が、ページ上に明確に示されているか確認する
- その区画とほぼ同じ内容が、他の複数サイトにもそのまま掲載されていないか確認する
- 統合度が低いと感じた区画について、改善できる点を1つ以上 書き出す
- Search Consoleの手動対策レポートを開き、通知が1件も表示されていないことを確認する
- 再審査リクエストの提出手順を、事前に一度 確認しておく
- 今回の確認結果(確認日・洗い出した区画数・対応が必要な区画の有無)を記録に残す
12項目の内訳と、かかる時間の目安
最初の4項目は第三者コンテンツ区画の洗い出し、5番目から8番目は4観点での自己点検、9番目と10番目は統合の度合いを上げる対応の検討、11番目と12番目は通知への備えと記録の保存に対応しています。すべてに目を通す時間の目安は1サイトあたり20分程度です。第三者コンテンツ区画を1つも持たないサイトでは、5番目以降を「該当なし」として記録するだけで足ります。
06 該当する例と、該当しない例を比較する
公式ドキュメントが挙げる具体例
公式ドキュメントは、このポリシーに抵触する例と抵触しない例を、それぞれ具体的に挙げています。以下は、その内容を整理した表です。
| 区分 | 形態 | 公式ドキュメントの例(訳) |
|---|---|---|
| 該当しない | 通信社・プレスリリース配信 | 通信社や、プレスリリース配信を行うサイト |
| 該当しない | 他媒体からのニュース配信 | 他の報道機関からニュースコンテンツの配信を受けている報道機関 |
| 該当しない | フォーラム・コメント欄 | ユーザー生成コンテンツを許可する設計のサイト(フォーラムサイトなど) |
| 該当しない | コラム・寄稿・社説 | コラム、オピニオン記事、その他の編集的な性質を持つ作品 |
| 該当しない | 読者向けのアドバトリアル | 検索順位の操作ではなく、読者に直接 共有する目的のコンテンツ |
| 該当しない | 適切に扱われた アフィリエイト・広告 | 適切に扱われたアフィリエイトリンク、埋め込まれた第三者広告ユニット |
| 該当し得る | 評判目当ての低品質な 第三者ページ | サイトに統合されておらず、確立されたサイトの評価シグナルを目当てに掲載された低品質な広告ページ |
| 該当し得る | 複数サイトに配信される スポンサー記事 | 同一のページがウェブ上の他の複数サイトにも配信されているスポンサー記事 |
「統合されているか」が分かれ目になる
この表を見て分かるとおり、第三者コンテンツを持つこと自体は、8つの例のうち6つが「該当しない」側に分類されています。分かれ目になっているのは、第三者コンテンツの有無ではなく、それがホストサイトに本当に統合されているか、それとも単にホストサイトの評価を借りるためだけに置かれているかです。公式ドキュメントは、統合されている実例として「専門業者と共同で構築されたクーポンセクションで、媒体側が実質的な編集責任・キュレーション・統合・ユーザーサポートを担っている場合」を挙げています。
「対策を取らない」と判断される、より詳しい実例
公式ドキュメント(Spam policies for Google web search(訳: Google検索のスパムポリシー))の「更新されたドキュメントではさらに詳しく」という節には、対策の対象になりにくい具体的な運用例が示されています。「出版社が、専門プロバイダーと提携してクーポン・特典セクションを、メインサイトとは別のCMSで運用しているが、ホームページや記事内のスニペットに完全に統合されている」というケースが、そのひとつです。このケースでは、商用コミュニケーションである旨が明確に開示され、出版社が編集責任を負っていることを示す免責事項が用意されており、一部のクーポンコードが出版社の他の編集コンテンツやニュースレターから相互参照されている、という条件が挙げられています。
逆に言えば、「別のCMSで運用している」「他社と提携している」という事実だけでは、対策の対象にはならないということです。判断の中心は、あくまで04章の4つの観点(見え方・品質・著作者表示・重複)に基づく、統合の実質があるかどうかに置かれています。
注意
この表は公式ドキュメントの例を要約したものであり、非網羅的です。公式ドキュメントも「これら以外にも、対応を取らないケースがある」と明記しています。自社の状況が表のどの例にも当てはまらない場合は、04章の4つの観点に立ち戻って、個別に判断してください。
07 当サイトで確かめたこと
自社サイトに、第三者コンテンツの区画があるかを点検した
05章のチェックリストの最初の4項目を、当サイト自身に当ててみました。当サイトが公開しているのは、seo_article記事・ブログ記事・無料ツール群であり、いずれも当サイトの編集体制のもとで制作しているコンテンツです。提携先と共同運営するクーポン区画や、外部ライターへの発注記事のような区画は、確認した範囲では見つかりませんでした。
無料ツールについても同様に点検しました。各ツールの説明文・機能・提供者の表示は、いずれも当サイトの制作物として一貫しており、外部の主体が制作したページをそのまま組み込んでいるような区画はありませんでした。第三者コンテンツを持たないサイトでは、05章のチェックリストの5番目以降を「該当なし」として記録するだけで足りると04章で述べましたが、実際にその形で確認作業を終えられることを、自社サイトで確かめられた形です。
「コメント機能」自体は用意されているが、使われていない
一方で、ブログ記事にはコメントを投稿できる機能自体が組み込まれていることを確認しました。ただし、実際に投稿されたコメントの件数を確認したところ、現時点では0件でした。06章の表にあるとおり、公式ドキュメントは「フォーラムサイトやコメント欄のようなユーザー生成コンテンツを許可する設計のサイト」を、このポリシーに該当しない例として明記しています。したがって、仮に将来この機能が使われるようになったとしても、それだけで直ちにこのポリシーの対象になるわけではないと確認できました。
「機能として存在するが、使われていない」状態は、そこに目を向けないと見落としがちです。05章のチェックリストを自社に当てる際は、現在 目立って使われている区画だけでなく、組み込まれているが休眠している機能も洗い出しの対象に含めることをおすすめします。
08 このテーマの、これまで
検索品質評価ガイドラインの改訂を追った回
Googleの検索品質評価ガイドラインが2025年から2026年にかけてどう変わったかを整理した回があります(archives/71)。本記事の04章で扱った「見え方・品質・著作者表示・重複」という4つの観点は、この回で扱った品質評価の考え方と重なる部分があります。
Googleが「スパム」と定義した範囲を検証した回
Googleが生成AI回答の操作をスパムと定義した際、自社サイトのどこが対象になり、どこが対象にならないかを検証した回もあります(archives/119)。本記事の06章で扱った「該当する例・該当しない例」を分ける考え方は、この回で扱った「埋めるべき穴と、埋めてはいけない穴」という整理と通じるものがあります。
Googleが「やるな」と言った施策を整理した回
Googleが公式に非推奨と明言した施策を整理した回もあります(archives/79)。本記事で扱った「評判目当ての低品質な第三者ページ」も、公式が名指しで問題視している施策の一種という点で共通しています。
E-E-A-Tを実践ガイドとして整理した回
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を、小さなサイトでも実践する方法として整理した回もあります(archives/3)。本記事の03章で扱った「著作者表示」という観点は、この回で扱ったE-E-A-Tの「著者性」の考え方と直接つながっています。
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