トップページ > SEOの成果指標を、経営層に伝わる言葉に翻訳する ── Ahrefsが示す5つの言い換えと、明日から使える手順(2026年8月時点)

SEOの成果指標を、経営層に伝わる言葉に翻訳する ── Ahrefsが示す5つの言い換えと、明日から使える手順(2026年8月時点)

目次
  1. 01 いま最新版は何か — Ahrefsが「SEOの成果を経営層の言葉に翻訳せよ」と提案した
    1. 「理解できない指標は信用されない」という一文から
    2. 5組の言い換え、一覧
  2. 02 なぜ・背景 — 経営層とSEO担当者は、同じ数字を違う理由で見ている
    1. 「順位が3位に上がりました」が響かない理由
    2. 「マーケティング活動」と「ビジネス活動」の境目
    3. 報告書1枚の組み立て方
    4. 経営会議で最初に聞かれる3つの質問
  3. 03 この記事で出てくる用語
    1. Share of Voice(シェア・オブ・ボイス)
    2. Organic Traffic Value(オーガニック・トラフィック価値)
    3. Share of Traffic Value(SoTV)
    4. Engagement Signals(エンゲージメント信号)
    5. Branded Search Volume(ブランド検索ボリューム)
  4. 04 型別 — 適用範囲・この翻訳が測っていないこと・手順
    1. 🏷 適用範囲 — どんな企業規模・業種で使えるか
    2. 🏹 この翻訳が測っていないこと
    3. 🔧 手順 — 明日、何から始めるか
  5. 05 自分の報告書で確認するチェックリスト
    1. チェックリストの4つの観点
  6. 06 代替・他の選択肢
    1. 5指標を、どの手段で測れるか
    2. Ahrefsの5指標に含まれない代替指標
    3. 比較表を、いつ更新するか
  7. 07 当サイトの実測 — 無料でどこまで自力確認できるか
    1. GA4とSearch Consoleだけで測れる範囲
    2. 無料で埋まる部分、埋まらない部分
  8. 08 このテーマの、これまで
    1. 「壊れた指標」を扱った当サイトの記事との違い
    2. 「Search Consoleの数字が壊れていた」実測との接続
  9. 09 この記事のまとめ

01 いま最新版は何か — Ahrefsが「SEOの成果を経営層の言葉に翻訳せよ」と提案した

「理解できない指標は信用されない」という一文から

WEBディレクターが毎月の報告書に書く「検索順位」「セッション数」「クリック数」は、SEOに詳しい人には自明の数字です。しかし経営会議の場では、同じ数字が「で、それはいくらの価値があるのか」という一言で止まることがあります。この状況を正面から扱った記事を、SEOツール大手Ahrefsが2026年8月に公開しました(MBA Metrics for SEO: How to Speak Leadership's Language(訳: SEOのためのMBA指標—経営層の言葉で話す方法))。著者のDespina Gavoyannis氏は冒頭でこう書いています。

"Business leaders and decision-makers can easily distrust metrics they don't understand or can't act on."

(訳: 事業のリーダーや意思決定者は、自分が理解できない、あるいは行動につなげられない指標を、簡単に信用しなくなる。)

この記事の骨子は単純です。SEO指標をそのまま報告するのをやめ、経営層が普段から使っている「MBA的な言葉」に翻訳して報告する、というものです。記事では5組の言い換えが示されています。

この提案は、社内でSEOの予算や人員を確保する立場にあるWEBディレクターにとって、実務上の意味を持ちます。SEO施策そのものの効果測定は既に十分に行っていても、その結果を経営層に「伝える形」まで設計している現場は多くありません。報告の内容(実際に測った値)は変えず、報告の形(見せ方)だけを変えるという提案の性質上、追加の予算やツール契約を必要としない点も、明日から着手しやすい理由の1つです。

5組の言い換え、一覧

記事が提示する対応関係は次の5組です。詳しい定義は03章で扱いますが、まず全体像を押さえておきます。「Share of Voice(シェア・オブ・ボイス)」は「Market Share(市場シェア)」に、「Organic Traffic Value(オーガニック・トラフィック価値)」は「Revenue Growth Rate(収益成長率)」に、「Share of Traffic Value」は「Market Penetration(市場浸透率)」に、「Engagement Signals(エンゲージメント信号)」は「Customer Lifetime Value(顧客生涯価値)」に、そして「Branded Search Volume(ブランド検索ボリューム)」は「Brand Demand(ブランド需要)」に、それぞれ言い換えられます。共通しているのは、どれも既存のSEO指標の再定義であって、新しい計測を始める必要がないという点です。

出典

本記事の指標定義・引用は、すべてAhrefs公式ブログの当該記事(2026年8月公開)を一次情報としています。著者はAhrefs所属のDespina Gavoyannis氏、レビュアーはRyan Law氏です。

02 なぜ・背景 — 経営層とSEO担当者は、同じ数字を違う理由で見ている

「順位が3位に上がりました」が響かない理由

SEO担当者にとって「主要キーワードで3位に上がった」は明確な成果です。しかし経営層の視点では、その順位が売上や市場シェアにどうつながるのかが分からなければ、単なる社内向けの自己満足に見えてしまいます。経営層は日常的に、市場シェア・収益成長率・顧客生涯価値・ブランド需要といった「MBA的な指標」で意思決定をしているため、順位やセッション数という単位そのものが、判断材料として噛み合っていません。

「マーケティング活動」と「ビジネス活動」の境目

Ahrefsの記事は、この境目を明確に言語化しています。

"Reporting on Share of Voice reframes the question from 'are we ranking' to 'how much of the market are we actually winning?'"

(訳: シェア・オブ・ボイスを報告することは、「順位が取れているか」という問いを、「実際に市場のどれだけを獲得できているか」という問いに、組み替えることになる。)

この組み替えが起きると、報告の受け手が変わります。順位表を見るのはSEO担当者だけですが、「市場のどれだけを獲得しているか」は事業責任者にとって直接の関心事です。指標の種類を変えたのではなく、同じ実際に測った値の見せ方(フレーミング)を変えた、という点が本記事のいちばん重要な主張です。言い換えれば、SEO担当者が普段見ているダッシュボードの数字を、そのまま経営層の前に出す必要はなく、いったん翻訳という工程を挟むだけで、受け取られ方が変わるということでもあります。

注意

記事は同時に「言い換えは相関・先行指標であって、保証ではない」とも明記しています(04章で詳しく扱います)。翻訳した数字を、断定的な成果として報告すると、かえって信用を失う可能性があります。

報告書1枚の組み立て方

実際の報告の場では、5指標を一度に並べる必要はありません。「今期いちばん動いた指標を1つ選び、その1つだけをMBA指標に翻訳して見出しにする」という組み立て方が、経営層には伝わりやすい形です。たとえばBranded Search Volumeが伸びていれば見出しは「ブランド需要が拡大」、Engagement Signalsが改善していれば見出しは「流入の質が向上」というように、翻訳した言葉を先に置き、その根拠として元のSEO指標を後ろに続けます。この順序を逆にする(SEO指標を先に並べてから翻訳を添える)と、結局は元の報告書と同じ読まれ方になってしまいます。

経営会議で最初に聞かれる3つの質問

経営層がSEO報告を聞くとき、実際に頭の中で問うている質問は、SEO担当者が用意している答えとずれていることが多くあります。「順位はいくつですか」ではなく「競合に対してどれだけ強くなっていますか」、「セッション数はいくつですか」ではなく「その集客を広告で買うといくらかかりますか」、「クリック率は何%ですか」ではなく「その流入は、どのくらいの期間、顧客であり続けますか」という3つが典型例です。SEO担当者が持っている実際に測った値は同じでも、聞かれている問いの形が違うため、そのまま答えても伝わりません。この3つの問いと、03章で定義する5つの指標を並べると、対応関係がそのまま見えてきます。

03 この記事で出てくる用語

Share of Voice(シェア・オブ・ボイス)

追跡している検索キーワード群のうち、自社サイトが獲得しているクリック数を、競合サイトとの比較で示す値です。Ahrefsは、シェア・オブ・ボイスをもともと広告費における競合比較の指標として説明しつつ、いまはオーガニック検索やソーシャルでの可視性を含めて競合と比較する指標へと定義が広がっている、と解説しています。

計測式は「自社の可視性値 ÷ 市場全体の可視性値」です(Ahrefs Glossary: Share of Voice(訳: 用語集—シェア・オブ・ボイス))。オーガニック検索では、Rank Trackerで追跡キーワードの合計クリック数のうち自社サイトへ到達したクリックの割合を見ることで近似できます。

Organic Traffic Value(オーガニック・トラフィック価値)

自社が獲得しているオーガニックトラフィックを、同じ検索順位を広告(PPC)で買った場合に相当する推定コストに換算した値です。実際の広告費を払っているわけではなく、あくまで「同等の流入を有料で買うといくらか」という代理指標です。

Share of Traffic Value(SoTV)

Organic Traffic Valueを、ドル(円)価値ベースで競合と比較したときの機会シェアです。Share of Voiceが「クリック数の割合」であるのに対し、SoTVは「金額換算した価値の割合」である点が異なります。記事では、医療情報サイトの競争でmayoclinic.orgがシェアを伸ばし、healthline.comなど複数サイトが2020年以降シェアを縮小しているという実例が紹介されています。クリック数の割合(Share of Voice)と、金額換算した価値の割合(SoTV)は、同じ市場でも別々の動きを見せることがあります。たとえば単価の低いキーワードでクリック数の割合を伸ばしても、単価の高いキーワードでシェアを落としていれば、SoTVは下がります。この2つを並べて報告することで、「市場が伸びているのか、シェアが伸びているのか」を区別できる、と記事は説明しています。

Engagement Signals(エンゲージメント信号)

チャネル別のセッション時間・ページ数・直帰率(バウンス率)を指します。GA4では「エンゲージのあったセッション」を次のいずれかで定義しています。

"An engaged session is a session that meets any of the following criteria:"

  • "Lasts longer than 10 seconds"
  • "Has a key event"
  • "Has 2 or more screen or page views"

(訳: エンゲージのあったセッションとは、次のいずれかの基準を満たすセッションである。—10秒より長く継続する。—キーイベントが発生する。—2回以上のスクリーンビューまたはページビューがある。)

この定義はGoogle アナリティクス ヘルプ「エンゲージメント率とバウンス率」(訳: 同題)に明記されており、この定義を知らないままダッシュボードの数字だけを眺めても、どの数字が経営層への説明に使えるかは判断できません。エンゲージメント率は「エンゲージのあったセッションの割合」、バウンス率はその逆(エンゲージのなかったセッションの割合)です。

Branded Search Volume(ブランド検索ボリューム)

自社のブランド名や、それに関連する語での月間検索数です。他の施策(プレスリリース・広告・SNS)の効果が、検索行動として表れているかを見る指標として使われます。

SEO指標とMBA指標の対応関係を示す図。Share of VoiceはMarket Shareに、Organic Traffic ValueはRevenue Growth Rateに、Share of Traffic ValueはMarket Penetrationに、Engagement SignalsはCustomer Lifetime Valueに、Branded Search VolumeはBrand Demandに、それぞれ対応することを5本の矢印で示している。
5つのSEO指標は、既存の実際に測った値のまま、経営層の言葉に翻訳できる

04 型別 — 適用範囲・この翻訳が測っていないこと・手順

🏷 適用範囲 — どんな企業規模・業種で使えるか

この翻訳は、指標の再計算を必要としないため、既にSearch ConsoleやGA4を導入しているサイトなら、業種・規模を問わず今日から使えます。特に効果が出やすいのは、指名検索(ブランド名での検索)が発生する業種です。記事では配管サービス業の実例として「月900回以上のブランド検索ボリュームを獲得した」という数字が紹介されています。指名検索がほとんど発生しない、極めてニッチなB2B領域や、検索頻度自体が低い商材では、Branded Search Volumeの動きが小さすぎて指標として機能しにくい点に注意が必要です。

🏹 この翻訳が測っていないこと

Ahrefsの記事自身が、この点を明確に留保しています。

"Every metric in this piece is a correlation or a leading indicator, not a guarantee."

(訳: この記事で扱う指標はすべて、相関関係または先行指標であり、保証ではない。)

Share of Voiceと市場シェアの相関について、記事はJames Hankins氏による調査(12カテゴリ・7カ国・30件のケーススタディ)を引用し、「シェア・オブ・サーチが市場シェアの約83%を説明する」としています。この83%という数字は、2020年にIPA(英国広告業協会)のイベントでLes Binet氏が自動車・エネルギー・携帯電話の3業種について示した先行研究とほぼ一致しており(IPA EffWorks: Share of Search as a Predictive Measure(訳: 予測指標としてのシェア・オブ・サーチ))、複数の独立した調査で近い水準の相関が確認されている、という位置づけです。ただし相関は因果を意味しません。市場シェアが先に伸びて、それに引っ張られてブランド検索が増えるという逆方向の因果も理論上は成立します。記事も「指標が何を証明するかを、報告のたびに口頭でも明示せよ」と念を押しています。加えて、Binet氏の研究は指名検索の起きやすい業種(自動車・携帯電話等)で観測されたものであり、B2Bのニッチ商材など指名検索が少ない領域では、同じ83%という水準がそのまま当てはまるとは限らない点にも注意が必要です。

🔧 手順 — 明日、何から始めるか

記事が示す手順は、既存ツールの使い方を変えるだけで完結します。まずRank Trackerで自社の追跡キーワード群のクリック割合(Share of Voice)を競合と並べて確認し、次にSite ExplorerでOrganic Traffic Valueの推移を見ます。この2つは新しい契約や計測タグの追加なしに、既存のSEOツールで即座に取得できる点が実務上の利点です。無料の範囲でどこまで代替できるかは、07章で扱います。

報告書に書き起こす際は、数字をそのまま貼るのではなく、文章として一度組み立て直すと伝わりやすくなります。「オーガニックトラフィックは、同等量を広告で獲得すると月額◯◯円相当です」という言い回しの型に、自社の実際に測った値を当てはめるだけで、Organic Traffic Valueは経営層向けの説明文になります。数字を先に見せるのではなく、この文型に沿って口頭で説明できるかどうかを、報告前にリハーサルしておくと、当日の質疑にも対応しやすくなります。

この翻訳が使える範囲と、使えない範囲を示す図。指名検索が発生する業種・既存のSearch ConsoleとGA4を導入済みのサイトでは今日から使えると示す一方、指名検索がほとんど発生しないニッチな業種や検索頻度自体が低い商材では機能しにくいことを示している。
適用範囲は「指名検索が発生するか」で大きく変わる

05 自分の報告書で確認するチェックリスト

チェックリストの4つの観点

ここまでの内容を、明日の報告書づくりで実際に手を動かせる作業に翻訳しました。観点は、指標の言い換え・数字の出典・限界の明示・報告先の確認の4つです。チェックの状態はブラウザ内にのみ保存され、サーバーには送信されません。

実務のヒント

現在の報告書がどの数字を並べているかを一覧にしたい場合、当サイトの🔧 WEBサイト総合分析・レポートツールで主要指標をまとめて確認できます。

  • 直近の月次報告書を1部用意し、経営層向けの資料に「順位」「セッション数」だけの記載が無いか確認する
  • Search Consoleの検索パフォーマンスレポートを開き、追跡キーワード3語のクリック数を書き出す
  • 同じ3語について、競合サイトのおおよその獲得割合を推定し、Share of Voiceの近似値を1つ算出する
  • GA4のエンゲージメント率レポートを開き、オーガニック検索チャネルの数値を控える
  • 控えたエンゲージメント率を、他の主要チャネル(広告・SNS)と並べて比較する
  • 自社のブランド名での月間検索数を、Google広告のキーワードプランナーまたは無料ツールで1つ確認する
  • 過去6カ月のブランド検索数の推移を折れ線で書き出し、増減の傾きを確認する
  • 次回の報告書の見出しを1つ、「順位」から「市場シェア相当の獲得状況」に書き換えてみる
  • 報告書に「これは相関・先行指標であり保証ではない」という一文を1行加える
  • 報告の受け手(上長・経営層のうち具体的に誰か)を1人書き出し、その人が普段使う指標を1つ確認する
  • 今期の施策(記事公開・被リンク獲得など)のうち1つを選び、それが5指標のどれに影響しうるかを対応させる
  • 自社サイトの無料ツールで測れる範囲と、有料ツールでしか測れない範囲を1行で書き分ける

06 代替・他の選択肢

5指標を、どの手段で測れるか

Ahrefsの記事は自社ツール(Site Explorer・Rank Tracker・Keywords Explorer)を前提に書かれていますが、同じ発想は無料の手段でも部分的に再現できます。どこまで無料で足りて、どこから有料ツールが必要になるかを整理しました。選ぶ基準は「競合の数字が必要かどうか」の1点です。自社の数字だけで完結する指標は無料ツールで足り、競合との相対比較が必要な指標だけが、有料ツールの検討対象になります。

SEO指標MBA指標への言い換え無料で測れる範囲
Share of VoiceMarket ShareSearch Consoleの自社クリック数までは無料。競合との比較は有料ツールが必要
Organic Traffic ValueRevenue Growth RateGA4の セッション数と推定単価から概算は可能。厳密な換算は有料ツール
Share of Traffic ValueMarket Penetration競合の推定値が必要なため、無料での再現は困難
Engagement SignalsCustomer Lifetime ValueGA4のエンゲージメント率は無料で全チャネル確認できる
Branded Search VolumeBrand DemandGoogle Trendsで相対的な推移は無料で確認できる

表からわかる通り、「エンゲージメント信号」と「ブランド検索ボリューム」の2つは、追加の契約なしで無料の範囲でも継続的に追える指標です。残る3指標は、競合との比較が必要になった時点で有料ツールの検討対象になります。

Ahrefsの5指標に含まれない代替指標

Ahrefsの記事はAhrefs自社ツールで測れる5指標に絞って提案していますが、経営層への報告に使える指標はこの5つだけではありません。問い合わせ数・資料請求数などのコンバージョン率、顧客獲得単価(CAC)との比較は、SEOに限らず全社的な指標として既に経営層が見慣れている場合が多く、SEO由来の流入がこれらの指標にどう貢献しているかを併記できれば、5指標への理解が無くてもそのまま伝わります。どの指標を選ぶかは、報告の受け手が普段どの数字を見ているかで決めるのが実務的です。

比較表を、いつ更新するか

この比較表は一度作って終わりではありません。無料ツールの機能は更新されることがあり、たとえばGoogle TrendsやSearch Consoleの提供範囲は年に数回変わります。四半期に1回、上表の「無料で測れる範囲」欄を実際に触って確認し直すのが安全です。特にEngagement SignalsのようにGA4のUI変更の影響を受けやすい指標は、レポート画面の位置が変わっただけで「測れなくなった」と誤解されることがあるため、定点観測の担当者を決めておくことをお勧めします。

07 当サイトの実測 — 無料でどこまで自力確認できるか

GA4とSearch Consoleだけで測れる範囲

当サイトが日常的に使っているのは、Search Consoleの検索パフォーマンスレポートと、GA4のエンゲージメント率レポートです。Search Consoleでは、クリック数・表示回数・CTR・掲載順位の4指標が無料で提供されています。三鷹市の企業を中心に取材・記事化する当サイトの立場では、地域や業種を横断する競合比較そのものが目的ではなく、自社の数字が先月・先週からどう動いたかを追う定点観測が実務の中心になります。この観点では、無料ツールの範囲でも十分に報告の土台を作れます。

"The click count divided by the impression count."

(訳: クリック数を表示回数で割った値。—CTRの定義)

この定義はSearch Console ヘルプ「検索パフォーマンスレポート」(訳: 同題)に明記されています。これらの数字自体は、そのままではShare of Voiceにはなりません。Share of Voiceの計算には競合の数字が必要で、これは無料のSearch Consoleでは取得できない部分です。

無料で埋まる部分、埋まらない部分

Engagement SignalsとBranded Search Volumeは、GA4とGoogle Trendsの組み合わせで無料の範囲でも継続観測できます。一方、Share of VoiceとShare of Traffic Valueは、競合サイトの実際に測った値が必須になるため、無料ツールだけでは推定の域を出ません。「無料で全部測ろうとしない」という判断そのものが、報告の正直さにつながります。測れない部分は「未計測」と明記したうえで、測れる部分から先に報告に組み込むのが現実的です。曖昧なまま全部を埋めようとするより、埋まっている部分の信頼性を保つほうが、長期的には報告への信頼を守ります。

5つの指標を、無料で継続観測できるものと、競合データが必要で有料ツールの検討対象になるものに分けた図。Engagement SignalsとBranded Search Volumeは無料の範囲、Share of VoiceとShare of Traffic Valueは有料ツール寄り、Organic Traffic Valueは概算までは無料と示している。
無料で継続できる指標と、競合データが必要な指標は分けて考える

実務のヒント

自社サイトのクロール状況やレポートの土台を確認したいときは、当サイトの🔧 WEBサイト内のリンク漏れ・チェックツールで、報告対象のページ自体に導線の抜けがないかを先に確認しておくと、指標の解釈がぶれにくくなります。

08 このテーマの、これまで

「壊れた指標」を扱った当サイトの記事との違い

当サイトのAI Ronブログでは、以前に「検索順位」という指標そのものが個人化により意味を失いつつある実態を扱いました(archives/29 — あなたが見ている数字は、もう正しくない)。この記事は「その指標を信頼してよいか」という指標の正しさを扱ったものです。今回のAhrefsの記事は、指標そのものは正しい前提で「その指標をどう報告すれば伝わるか」という伝え方を扱っている点が異なります。前提となる数字が壊れていないかを先に確認したうえで、本記事の翻訳表を使うのが安全な順序です。

「Search Consoleの数字が壊れていた」実測との接続

当サイトでは、Search Consoleの表示回数が約11カ月間にわたり過大表示されるバグを実測で確認し、記事化しています(archives/125 — Googleが見せたのは表示回数までだった)。本記事06章の表で「無料で測れる範囲」としたSearch Consoleの数字も、この過大表示バグの影響を受けていた期間があります。報告の土台にする数字が、いつの期間のものかを確認してから翻訳する必要がある、という教訓は、今回のMBA指標にもそのまま当てはまります。

また、当サイトが検索品質評価ガイドラインの改訂を追った記事(archives/71 — 検索品質評価ガイドラインは2025→2026でこう変わった)でも触れているとおり、Googleは評価者に対して「一次情報の裏付け」を重視するよう求めています。これは記事の品質評価だけの話ではなく、社内の報告資料にも同じことが言えます。MBA指標に翻訳した数字にも、必ず一次情報(Search Console・GA4の実測画面)を添えることで、報告の受け手が後から確認できる状態を保てます。

検索順位やセッション数を報告しても、経営層には伝わりません。Ahrefsが2026年8月に示した5つの言い換え(Share of Voice→Market Shareなど)と、無料ツールでどこまで測れるかを、当サイトで確かめた結果を交えて整理しました。
2025/05/31
THU
00:00:00

ブラウザ・OS 最新バージョン

毎日更新:2026-10-12 調査更新済
  • Android(stable) 未取得
  • Chrome Android(stable) 156.0.8078.25
  • Chrome iOS(stable) 155.0.8059.37
  • Edge(stable) 155.0.4283.45
  • Firefox(stable) 157.0.1
  • Opera(stable) 136.0.6008.80
  • Safari iOS(stable) 未取得
  • Safari(stable) 未取得
  • iOS(stable) 未取得

現在の貴方のIPアドレス

216.73.216.73

このサイトで書いている人

株式会社ツクルン

株式会社ツクルン

Webアドバイジング・クリエイター
池田 南美夫
もうすぐ●●歳。ずっーと現役SE。日本にインターネットが上陸してから、ずっーと携わる。 ほんとは超アナログ人間のギター弾き、バンドマン。でも音楽活動とSE、案外似てる。