「AI SEO」「GEO」「AEO」「LLMO」で今やること・判断の尺度を専門家2者が教えてくれた【海外&国内SEO情報ウォッチ】
「AI SEO」「GEO」「AEO」「LLMO」で今やること・判断の尺度を専門家2者が教えてくれた【海外&国内SEO情報ウォッチ】
この記事のポイント整理
2026年7月17日、海外SEO情報ブログを運営する鈴木謙一氏(株式会社Faber Company執行役員)が、Web担当者Forumの連載「海外&国内SEO情報ウォッチ」で「AI SEO」「GEO」「AEO」「LLMO」という乱立する新用語について、二人の専門家の見解をまとめて紹介しました。渡辺隆広氏(SEMリサーチ)とJADE(株式会社JADE)という、立場の異なる二者がほぼ同時期に「AI検索対策は目新しい戦略ではなく、従来のSEOの延長線上にある」という共通の結論に達している点が、この記事の核心です。あわせてLCP(Largest Contentful Paint)改善による具体的なコンバージョン改善事例や、Googleの自己参照canonical推奨、AMP機能の大部分廃止、Search Consoleの新機能「プラットフォーム プロパティ」なども紹介されています。
要点をチェックしておきたいこと
- 渡辺隆広氏・JADEという異なる専門家二者が、独立に「LLMO・AEO・GEOは従来SEOの延長線上」という同じ結論に達している
- JADEは「llms.txtの設置」「AI向けコンテンツ分割」「構造化データの過剰追加」を明確に「やらなくてよい施策」と位置づけている
- 判断の出発点は「クロールログ」「AI Overviewでの言及」「プロンプト」「流入」など、実データの確認から始めるべきとされている
- LCP改善(良好率57%→96%)で、GoogleオーガニックのモバイルユーザーCV率が8.9%上昇した実測事例が紹介されている
- Search Consoleに新機能「プラットフォーム プロパティ」が登場し、X・YouTubeへの検索トラフィック分析が可能になった
渡辺隆広氏の判断基準 —「戦略ではなく運用レベルの論点」
SEMリサーチの渡辺隆広氏は、2026年7月5日付の解説記事で「LLMO・AEO・GEOなどのAI検索対策の多くは、従来のSEOの延長線上にあり、まったく新しい戦略ではない」と述べています。AI検索の本質は「クエリを介して情報とユーザーをマッチングする技術」であり、本質的には検索プラットフォームの一種にすぎないという見立てです。渡辺氏はさらに踏み込んで「戦略レベルが変わったのではなく、運用やリソース配分のレベルで検証すべき論点が増えた」と整理しています。具体的な判断基準として挙げているのは、経営側が定めた「事業ドメイン定義」に基づいて現状のSEO施策を棚卸しし、Google公式ドキュメントと照らし合わせて不足点を明確にするという手順です。そして「これからはGEO・LLMOが必須」と不安をあおる外部業者には注意すべきだと警告しています。
JADEの判断基準 —「やらなくていいこと」を先に決める
株式会社JADEは2026年7月9日付の公式ブログで「『AI SEO』『GEO』『AEO』などの新しい呼び名が増えているが、いずれも基本的には通常のSEOと同じ」だとし、Googleが2025年5月の公式ドキュメントで示した「すべてSEO」という見解を根拠に挙げています。この記事が特に実務的だと感じられるのは、「やらなくてよい施策」を具体的に列挙している点です。JADEが挙げているのは、①llms.txtの設置、②AI向けコンテンツ分割、③構造化データの過剰追加、④不自然なメンション獲得、⑤AI向けの不自然なコンテンツリライト、の5つです。そのうえで重要な判断基準として「AIが自社のブランド(エンティティ)をどのように理解しているか」を確認することを挙げ、施策の出発点は「クロールログ」「AI Overviewでの言及」「プロンプト」「流入」といった実データの確認だとしています。最終的には「クローラビリティ」「コンテンツの質」「技術構造」「ブランドの信頼性」というSEOの基本を包括的に改善することが重要だという結論です。
当サイトの視点 —「やらなくていいこと」リストとの照らし合わせ
JADEが挙げた「やらなくてよい施策」の筆頭に「llms.txtの設置」が挙がっている点は、当サイトにとって正面から向き合う必要がある指摘です。当サイトはarchives/68「llms.txtを当サイトで実際に設置した」でllms.txt設置を自己実証記事として公開しており、この記事自体がJADEの主張と緊張関係にあります。ただし当サイトのllms.txtは「全URL羅列」から「E-E-A-Tを意識したキュレーション版」へ作り直した経緯があり、JADEが問題視している「AI向けの機械的な設置」とは性質が異なると考えています。とはいえ、効果測定を怠らず「本当に必要な施策か」を継続的に問い直す姿勢は、今回の記事が示す「実データの確認から始める」という判断基準そのものです。また、JADEが「やらなくてよい」と明言する「構造化データの過剰追加」「AI向けの不自然なコンテンツリライト」については、当サイトがarchives/79「Googleが『やるな』と言ったGEO施策」で、chunking・llms.txt量産・FAQスパムを非推奨として扱った内容と重なります。二人の専門家が示した「やらなくていいこと」は、当サイトが半年近く前から警戒してきた施策と、多くの点で一致しています。
LCP改善が示した数字 — Nuvemshopの事例
記事では、web.devに掲載されたNuvemshopの事例が紹介されています。LCP(Largest Contentful Paint)の良好率を57%から96%へ改善した結果、Googleオーガニック検索経由のモバイルユーザーでコンバージョン率が8.9%上昇し、カート追加率も8.4%上昇したというものです。興味深いのは、この改善の原因が画像の重さではなく、CSSトランジションとビューポート上部への遅延読み込み(レイジーロード)の設定にあったという点です。AI検索対策という華やかな話題の裏で、地道なページ体験の改善が実際のコンバージョンに直結するという実例であり、渡辺隆広氏・JADEの両者が繰り返し強調する「SEOの基本」の重要性を裏づけています。
周辺動向 — canonical・AMP廃止・パブリッシャーの検索撤退検討
記事はほかにもいくつかの動きを紹介しています。Googleは正規ページ自体にもrel="canonical"を含めることを推奨するドキュメントを公開しました。これは以前から実務上推奨されてきた自己参照canonicalが、正式にドキュメント化された形です。また、GoogleはAMP機能の大部分を廃止する方針を示しています。ADWEEKの報道では、USA Todayなど大手パブリッシャーがGoogle検索からの撤退を検討している段階にあるとされ、背景には検索トラフィックの減少と、AI学習に利用されることへの対価がないという構造的な問題があると指摘されています。あわせて、CloudflareはAI学習用クローラーについて2026年9月15日以降、新規ユーザー・無料プランユーザーを対象に初期設定でブロックする方針を発表しており、当サイトがarchives/103「検索は『クリックする場所』からエージェントが代わりに動く場所になった」で扱ったAIエージェント時代の実務論点とも地続きです。RedditのAI翻訳ページも、スパム的なページを対象としたGoogleのアップデートで検索結果から消滅したことが報告されています。
見逃せない一文 — Search Console「プラットフォーム プロパティ」
記事の終盤では、Google Search Consoleに新機能「プラットフォーム プロパティ」が登場し、XやYouTubeへの検索トラフィック分析が可能になったことが簡潔に触れられています。これはまさに当サイトがarchives/109「SNS投稿もGoogle検索に測れる日」で詳しく扱った、ドメイン所有権の検証なしに登録できる初めてのSearch Consoleプロパティです。同じ週に公開された当サイトの記事と、この海外&国内SEO情報ウォッチが同じ機能に触れているのは偶然ですが、Search Consoleまわりの機能追加を継続的に追いかけている当サイトの連載軸(archives/108「再クロール待ち行列547件」を含む)が、業界のまとめ記事と同じ方向を向いていたことの裏づけでもあります。
参考リソース
一次情報および公式情報源として、以下を確認しています。
- Web担当者Forum「海外&国内SEO情報ウォッチ」(鈴木謙一氏・2026年7月17日)
- 海外SEO情報ブログ(鈴木謙一氏)本記事の告知ページ
- 正規化について(Google Search Central 公式ドキュメント)
- SEO スターターガイド(Google公式)
- Measure(web.dev・ページ速度測定ツール)
関連する当サイトの記事
AI SEO・GEO・AEOまわりの用語整理や、Search Consoleの新機能については、当サイトでも継続して扱っています。あわせて読むと理解が深まります。
- archives/79「Googleが『やるな』と言ったGEO施策」— chunking・llms.txt量産・FAQスパムの非推奨
- archives/68「llms.txtを当サイトで実際に設置した」— 採用率10%のB2A時代、正直な現在地
- archives/109「SNS投稿もGoogle検索に測れる日」— Search Console『プラットフォーム プロパティ』
- archives/108「再クロール待ち行列547件、当サイトの2週間」
- archives/103「検索は『クリックする場所』からエージェントが代わりに動く場所になった」
次に読みたい記事
- 構造化データはAIのコンテンツ理解に役立たない!?←実験から判明
- 【2025年最新】無料SEOセミナー!オンライン勉強会を初心者向けから随時開催中
- コアウェブバイタルのスコアは発リンクのクロールに関係する?
まとめ
渡辺隆広氏とJADEという、立場の異なる二人の専門家が独立に「AI検索対策は従来のSEOの延長線上にある」という同じ結論にたどり着いたことは、乱立する新用語に振り回されないための一つの目安になります。「llms.txtの設置」や「構造化データの過剰追加」を明確に「やらなくてよい施策」と位置づけたJADEの整理は、当サイト自身が公開しているllms.txt設置記事とも緊張関係にあり、効果測定を怠らない姿勢が改めて問われる指摘でした。AI検索という新しい言葉に飛びつく前に、クロールログやAI Overviewでの言及といった実データを確認し、SEOの基本(クローラビリティ・コンテンツの質・技術構造・ブランドの信頼性)を地道に積み上げること。それが今回紹介された二人の専門家に共通する結論であり、LCP改善によるコンバージョン増という地味だが確かな事例が、その説得力を裏づけています。
・「AI SEO」の幻想に注意、具体的なデータが重要
・LCP改善でECサイトのコンバージョンが89%増加した事例を紹介
・グーグルが自己参照relcanonicalを推奨、SEO戦略の見直しが必要
・大手パブリッシャーがグーグル検索から撤退を検討中、AI時代の影響が顕著
現在の貴方のIPアドレス
このサイトで書いている人
WEBサイト